状況は「爆発的感染」に

8日の新規感染者数が2392人となった東京都。
重症者数は7日より8人増えて129人と、過去最多となっている。

東京都の新規感染者数は12月4日~10日の間で3181人。12月25日~31日の間では6159人と約2倍に、さらに1月1日~7日の間では8613人と、約3倍にまで増えていることがわかる。

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これを踏まえ、小池都知事は「感染状況は全く異なるステージに入った」と強調。
緊急事態宣言が1カ月で終わるためには、どうしたらいいのだろうか。

加藤綾子キャスター:
この1カ月で状況は大きく悪化しているようなのですが、感染爆発と言える状況なのでしょうか。

昭和大学医学部 二木芳人客員教授:
そういうイメージでいいと思います。いわゆるステージ4ですから、爆発的感染という状況ですよね。2日間で5000人近い患者さんが出ています。このうち、少なく見積もっても20パーセント以上の人が入院しますので、1日で1000人以上の人が入院する計算になります。今はもうすでに東京の医療提供体制もギリギリのところにありますので、もうすでに入院病床が4000床でも足らないということですので、これは非常に危険な状況です。

「ステージ3」で解除が視野に

東京都の医療提供体制は、7日時点で

【入院】3154/4000床
【重症】129/250床(8日時点)
【宿泊療養】939/2360室
【自宅療養】5329人
【調整中】4759人


となっている。

そのような中、東京・千葉・埼玉・神奈川の1都3県を対象とした緊急事態宣言が発令。
期間は1月8日から2月7日までの1カ月間となっている。

この緊急事態宣言では

【飲食店など】夜8時までの時短営業
【企業】テレワークによる出勤者7割削減
【住民】夜8時以降の不要不急の外出を自粛
【イベント】スポーツ観戦などの人数制限


といった行動制限を続けることが求められる。

政府は緊急事態宣言解除の判断のポイントとして、感染状況や医療の逼迫状況を示す4段階のステージ

【ステージ4】感染者「爆発」・医療提供体制は「機能不全」
【ステージ3】感染者「急増」・医療提供体制は「支障の発生」
【ステージ2】感染者「漸増」・医療提供体制は「負荷の蓄積」
【ステージ1】感染者「散発」・医療提供体制は「特段の支障なし」


を踏まえて総合的に判断するとしている。

10万人当たり、1週間の新規感染者の数をこのステージに当てはめると、「ステージ3」に該当するのは、新規感染者15人・病床の逼迫具合は20%。「ステージ4」では新規感染者25人・病床の逼迫具合は50%となる。

1都3県現在の状況を照らし合わせると、

【東京】61.5人(1週間の新規感染者数)/78.8%(病床の逼迫具合)
【千葉】29.0人/51.9%
【埼玉】28.7人/56.5%
【神奈川】37.2人/37.5%


となり、ほとんどが「ステージ4」に該当する状況となっている。

石本沙織キャスター:
このステージ4の状況が、ステージ3相当になった段階から解除が視野に入るということなのです。

加藤綾子キャスター:
この数字を見ても大きく上回っていて、簡単なことじゃないというのがわかります。

そのような中、7日に西村経済再生相は緊急事態宣言解除の目安の1つとして「東京都の場合、(新規感染者数が)1日当たり約500人の水準」と具体的な数字を示した。

加藤綾子キャスター:
1日2500人に迫る今、5分の1となる500人というのはものすごく難しい数字なのかなという印象を受けるのですが…

昭和大学医学部 二木芳人客員教授:
これを1カ月でということになると並大抵のことではないですよね。強い効果のある対策をとること、国と自治体が一緒になって強いメッセージを出すこと、それから特措法も早く変えて経済的支援ができるようにする。最後はやはり国民の皆さんのさらなる協力ですので、私たちも行動を変えてこれに協力していかないといけませんが、いずれもハードルとして非常に高いです。

石本沙織キャスター:
1カ月で何とか終わらせたいところなんですけれども、分科会の尾身会長は「みんながしっかり頑張れば1カ月以内でもステージ3に行くことは可能である」と語っています。
そして菅首相も「とにかく1カ月でなんとしても感染拡大防止をしたい。そういう思いで取り組んでいきたい」と強い決意を示しています。

加藤綾子キャスター:
それは皆さん同じ思いだと思うんですけれど、7日の会見で特に若い人たちにメッセージが届くかどうかというところが重要になりました。

明治大学・齋藤孝教授:
大切な命を守るための行動をお願いしたい。言っていることは間違っていないんですけど、その言葉がしっかり響いているかというとちょっと疑問がありますね。無症状であるし動きも大きい。ただ緊急事態宣言が出て大学などでは対面をやめてオンラインにまた切り替えるとか行動は早いですから、若い人の中でも組織に属している人はかなり抑制的にしているとは思います。

加藤綾子キャスター:
菅首相も尾身会長も「何とか1カ月で」と言っていますが、どこかで「ちょっと難しいんじゃないのかな」というような雰囲気も感じるんですけど…悲観的になっていても仕方がないので、なんとか前に進むために短期間でどうにかしようということで。

「人の流れ止める」ことがポイントに

小池都知事が強調しているのが、「人の流れを止める」こと。

・買い物や通院など必要な外出はなるべく短時間で済ませる
・県境を県境をまたぐ移動は、不要不急以外は自粛
・9日からの三連休はなるべくステイホーム


と呼びかけている。

加藤綾子キャスター:
人の動きを止めないことには収束にはつながらないということですよね。

昭和大学医学部 二木芳人客員教授:
緊急事態宣言を終わらせるためには

・夜8時以降だけでなく、不要不急の外出を控える
・休みの日など、県境を越えての外出は控える
・夜だけでなく、食事の時はマスク着用などの対策を徹底する


こういうことが非常に重要ではないかなと思います。小池さんがおっしゃっていることと同じようなことですけれども、やはり接触、移動、飲食が対策の中心になっています。飲食につながるような移動や接触を避けるということで、外出されるのも夜だけではなくて昼間でも注意していただくと。お休みの日もできるだけ人出の多いところは避けて、車での遠出、車から出ないような形でお願いしたいですね。皆さんがひとつひとつご自身の行動を見つめ直していただくことが重要ではないかなと思います。

加藤綾子キャスター:
ずるずると長くなると集中力、気力ももたないので、何とか短期間で終えたいですよね。

石本沙織キャスター:
ここからまた1カ月始まるのかと思うとすごく長く感じるんですけれども、まずは今日1日の行動を見直して頑張るというところから1カ月後の生活がより明るくなることを期待して一緒に乗り越えていきましょう。

(「イット!」1月8日放送分より)