カップルの結婚報告にコロナの壁が…

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、“新しい生活様式”が広がった2020年。
3密の回避や外出自粛など、これまで当たり前にしていたこと・できていたことが大きく変化することになったが、その変化は人生の一大イベントにも現れている。

結婚プロデュースサービスなどを展開する株式会社エニマリが発表したのは、年末年始に結婚報告のための帰省を考えていたカップルを対象とした「コロナ禍で帰省ができないカップルの結婚報告に与える影響」のアンケート結果。
(「みんなのウェディング」公式インスタグラムをフォローしている人で、年末年始に結婚報告を予定していた人572名を対象・2020年12月2~3日の2日間調査)

調査によると、コロナ禍によって「結婚報告のための帰省を諦めた」カップルは全体の58%。

調査元:株式会社エニマリ
調査元:株式会社エニマリ
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また、帰省を諦めたことで代わりにどのような形で結婚報告をするかという質問については、

・コロナ収束後に直接報告する…28%
・電話やテレビ電話を使う…32%
・手紙やハガキを使う…19%
・報告を実施しない21%


となった。

調査元:株式会社エニマリ
調査元:株式会社エニマリ

さらに、「帰省を諦めて結婚報告ができなくなったことにより、入籍日を変更したか」という質問に対して「変更する」と答えたカップルは17%。

結婚報告がしにくくなっている現状が婚姻届を提出するタイミングにも少なからず影響を与えていることがわかった。

調査元:株式会社エニマリ
調査元:株式会社エニマリ

同社が今年のお盆前に行った同様の調査(674名が対象、2020年8月4~8月5日の2日間)で「お盆休みに結婚報告をしたいと考えていたが諦めた」というカップルは66%。
また、「お盆休みでの報告を諦めたため、コロナ収束後に直接報告する」と考えているカップルは33%という結果が出ている。

今回の結果と照らし合わせてみると「結婚報告のための帰省をする」カップルの割合はお盆休みよりも増えているものの、依然として半数以上が帰省をあきらめていることや、コロナ禍の中で「結婚報告をしない」と決めたカップルの割合が増えていることが見えてきた。

休暇を取りやすく、また親族が集まる機会でもあるお正月は、例年であれば結婚を考えているカップルが両家にその意思を伝える場となることも多い。
しかし、コロナ禍で移動も慎重にならざるを得ない状況が「結婚報告、両家の顔合わせ、婚姻届提出」という、これまでの流れにも影響を与えていることが見えてきた。
エニマリの担当者に詳しくお話を伺った。

結婚報告の常識が変わりつつある

――「コロナ禍がカップルの結婚報告に与える影響」について調査した背景は?

年末年始やお盆期間は、カップルや家族の休暇が取りやすく皆で集まりやすいため、お互いの両親の実家へ結婚を報告するタイミングとして選ぶカップルは多いのですが、昨今のコロナの感染拡大により帰省して結婚報告を予定しているカップルにおいても影響が出ているのではないかと思いアンケートを実施しました。

――半数以上のカップルが帰省して結婚報告できずにいる…この結果について

コロナの影響がなければ両親にきちんと結婚報告をしたいというカップルは多くいると思います。ただ、コロナの影響で結婚式の形が変化しているように、結婚報告に関してもこれまでの常識が変わりつつあるように感じています。

これまでは、プロポーズがあり、お互いの両親に結婚報告に行き、両家顔合わせをして、入籍、という流れが一般的と思われていましたが、コロナ禍だからこそ先に入籍を済ませて結婚報告はコロナが落ち着いた後に行う、又は結婚報告は必要ないなど、カップルや両親の考え方、それぞれの状況によって様々な形が生まれているように感じます。

――直接会って結婚報告がしにくい現状、カップルたちはどう考えている?

以前帰省できないことによる花嫁さんから寄せられた声では、両親に結婚報告ができないことにより結婚の準備がなかなか進まない、進まないことによりライフプランが崩れてしまうといったような声を聞いております。
 

従来の結婚スタイルは変化していく

これまでの常識にとらわれないスタイルが生まれているとはいえ、従来通り「結婚報告は直接伝えたい」と考えているカップルが多いことも事実。

そんな中、エニマリでは両親や地元の友人などに結婚報告ができずにいるカップルに向けた、ビデオ通話アプリ「Zoom」を使った“オンライン結婚報告”ができるサービスも展開している。ふたりの実現したい結婚報告内容を一緒に考え、提案してくれる専任のプランナーや、当日の進行や演出をサポートする司会が付くという。

――オンラインで結婚報告をするという選択肢は、今後広まっていく?

コロナの状況にもよりますが、これまでのような大勢が密集して行う従来の結婚式の形は変化していくものと思われます。

オンラインですべて結婚式を実施する形や、オンラインを一部取り入れた結婚式、オンラインで結婚報告だけを行い、コロナが落ち着いた頃に対面での結婚式を行うなどカップルの状況に合わせた形でオンライン化は取り入れられ、広がっていくと思われます。今後は更にオンラインだから便利なこと、対面だからこそできること等が取捨選択されていくと思われます。


――今後、コロナ禍のカップルを支えるサービスはどんな展開がある?

オンライン結婚式、ゲストの一部がオンラインで参加する結婚式は今後増えていくものと思われます。
その他にも、結婚式よりも手軽にふたりらしく地元の親族や友人に結婚報告ができるzoomを使ったオンライン結婚報告や、結婚報告やふたりのプロフィール紹介、ゲストからのお祝いメッセージがもらえるなど、スマホ上で完結する結婚報告など、カップルの状況や実現したいことに合った様々なサービスが展開されていくと思います。
 

人生の大切な一歩となる結婚報告のあり方にも、大きな影響を与えている新型コロナウイルス。
オンラインを取り入れた新しいウエディングプランなどの選択肢も増えているのはいい変化だと思うが、対面で伝えたいというカップルの希望も叶えられる状況に早くなってほしい。
 

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。