「新型コロナウイルス感染症患者のための医療と通常医療との両立が困難な状況となっている。医療提供体制が逼迫し始めており、新規陽性者と重症患者の増加を防ぐことが最も重要」

東京都医師会の猪口正孝副会長は、さらにこう続けた。

「もうやることをやって、結果を待つ段階。非常に苦しい状況になっていることをご理解いただきたい」

医療提供体制の総括判断は、深刻度が上から2番目の「体制強化が必要である」に据え置いたものの、現状がいかに厳しいか、と強い危機感を示した上で「いかにここで食い止めるかだ」とも述べた。

東京都医師会 猪口正孝副会長
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リスク高い高齢者が増加 無症状者も2割超え

12月10日に行われた東京都の新型コロナウイルスモニタリング会議では、新規陽性者数の7日間平均は前回の443人から425人と依然として高い水準だった。

増加比は前回約111%。今回は96%でこちらも先週と同じく高い水準だ。無症状者は全体の23.2%の676人で“見えない感染者”が増えていることがわかる。

重症化リスクの高い65歳以上の感染者は、先週は446人で15.8%だったが、今週は468人で16%と割合・患者数とも増加した。

特に75歳以上は先週の8.1%から10.1%と大きく増え、295人になった。

感染経路は家庭内感染が45.2%と最も多く、次いで病院や学校などの施設19.9%、職場10.3%、会食6.1%、接待を伴う飲食店などが2.5%となった。

病院・高齢者施設でクラスターが多発

そして今週は、医療機関や高齢者施設で大規模ではないもののクラスターが数多く発生していることから、国立国際医療研究センターの大曲貴夫センター長は「院内感染が拡大すると医療提供体制が低下するだけでなく、重症者や死者が増え、医療機能や連携システムに影響が生じる」とした上で、これまでになく具体的に“逼迫の波及”について話した。

「例えば地域の基幹となる救命救急センターにおいて院内感染が発生し、救急患者の受け入れが停止すると、周辺の救急病院への負担が増大し、通常の医療を制限せざるを得なくなり、病床確保が一層厳しくなる」

国立国際医療研究センター 大曲貴夫センター長

17日までの時短要請は解除できるのか

小池知事が酒類を提供する飲食店などに出している午後10時までの時短要請は、12月17日に期限を迎える。

「ウィズコロナの新年よりは、ウイズアウトコロナの新年を迎えたいじゃないですか」

願いをこめるかのような口調でこう訴えかけた小池知事。

10日も過去最多の602人の新規感染者が確認される中、17日に時短要請を解除できるのか。来週は非常に難しい判断を迫られることになる。

東京都 小池百合子知事

(執筆:フジテレビ都庁担当・小川美那記者)