3日に行われたアメリカの中間選挙で民主党が上下両院の過半数を奪還し、アメリカメディアは、「トランプ政権に壊滅的打撃」などと伝えています。
アメリカの中間選挙について、前ワシントン支局長でフジテレビ外信部・千田淳一デスクと今後のトランプ外交の行方、そして日本への影響について見ていきます。
安宅晃樹キャスター:
トランプ大統領が今後、積極的に動くとみられる外交政策ですが、ずばり注目ポイントはどこでしょうか。
フジテレビ外信部・千田淳一デスク:
やはり注目したいのはロシア、中国、そして北朝鮮。それから選挙大敗の要因となったイラン。この4つとの関係をどう進めていくのかが焦点になるかと思います。
安宅晃樹キャスター:
まずはロシアとの今後についてです。11月に中国で行われるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)でプーチン大統領と会談を行う可能性があり、ウクライナとの和平交渉を進めるとの見方もあるわけです。
榎並大二郎キャスター:
これまでのトランプ大統領の態度を見ても気になるのは、和平交渉の内容ですよね。
フジテレビ外信部・千田淳一デスク:
トランプ大統領はすでにウクライナへの譲歩を求めていますし、ロシア産原油への制裁も一部緩和しています。今後も大国同士の直接交渉を優先して、ロシア寄りの姿勢を続ける可能性があるかと思います。
安宅晃樹キャスター:
続いて2つ目、中国との関係です。
11月にことし3回目の首脳会談が予定されている中で、今回の歴史的大敗となりましたが、アメリカと中国との外交に変化は出てきそうでしょうか。
フジテレビ外信部・千田淳一デスク:
中国外務省は今回の中間選挙の結果を受け、アメリカと引き続き、建設的で安定した関係を築きたいと表明しました。米中は貿易摩擦をいったん抑えて、休戦状態という形で関係の安定を図っているのですが、トランプ大統領としても、当面は中国との安定した関係を維持していきたいという考えです。
遠藤玲子キャスター:
両国、公には安定した関係を続けたいというように言っていますが、トランプ政権がこれだけ大敗したら中国は本当にそう思っているのか、ちょっと懐疑的なんですけれども。
フジテレビ外信部・千田淳一デスク:
もちろん、米中の対立の火種というのは残っているんですけれども、11月のAPECに加えて12月はアメリカでG20(主要20カ国)首脳会議が開かれます。このG20首脳会議の場でも米中首脳会談が見込まれています。この両首脳の直接の首脳会談、直接の意思疎通というものが続いていく限り、当面は安定した関係を保とうとする動きが続くとみられます。
安宅晃樹キャスター:
そして注目の3ポイントめですが、北朝鮮との外交です。
フジテレビ外信部・千田淳一デスク:
トランプ大統領は繰り返し金正恩(キム・ジョンウン)総書記との首脳会談に強い意欲を示していて、年内にも首脳会談を実現したいとまで話しているんですけれども、現時点では金正恩総書記、北朝鮮側は何の反応も示しておらず、首脳会談が実現するかどうかは全く不透明なんですね。
仮に首脳会談が実現したとしても、何をテーマに首脳会談を行うのかというのが非常に重要になってきます。核・ミサイル問題だけではなくて、日本の拉致問題も主要なテーマとして会談に臨んでもらう。日本としてはそこが重要になってきます。
これは北朝鮮だけではなくて、中国やロシアとの外交も同じで、トランプ大統領が大国同士の交渉を優先する可能性があるだけに、日本としても国益が置き去りにされないように、トランプ氏との関係を一層強化していく必要性があるかなと思います。
安宅晃樹キャスター:
続いては燃料価格など私たちの暮らしにも大きな影響を及ぼしているイラン情勢なんですが、こちらも大きく動くかもしれません。
山﨑夕貴キャスター:
トランプ大統領の「(Q. 大敗の原因はイラン戦争か?)おおむねその通りだ。短期的にガソリン価格を少し押し上げたからだ。ただ、もう一度判断することになっても(イランに)同じことをする」といった発言をどう読み解けばいいのかちょっと難しいんですが、トランプ大統領はイランでの戦闘をどうしていくとみればいいのでしょうか?
フジテレビ外信部・千田淳一デスク:
まず、トランプ大統領は今回の選挙結果を受けて、戦闘終結に向けてまずは外交交渉を優先していくのではないかとみられているんですけれども、イランがやはり、アメリカもそうなんですけれども、双方が強硬姿勢を崩さない限り早期の終結はなかなか難しいのではないかとみられます。
そこで、鍵となってくるのがホルムズ海峡の全面的な開放です。ホルムズ海峡の開放がなければ、日本も引き続き原油の安定調達が難しくなることが想定されます。この交渉によってホルムズ海峡の開放が実現するのかどうか、またはアメリカ軍が限定的な攻撃に踏み切るのかどうか、トランプ大統領としては日々、難しい判断を迫られることになるかと思います。
三宅正治キャスター:
早く戦争が終わってもらいたいという気持ちはみんな持ってると思いますが、どうやって終わらせるのか、その辺がよく見えないというのと、トランプ大統領のことですから絶対に敗北宣言はしないですよね。
フジテレビ外信部・千田淳一デスク:
なかなか難しいですが、トランプ大統領自身が敗北を認めるというのは、なかなかないのかなと思います。
ただ、2年後の大統領選挙、もうすでに迫っていると言っても過言ではないと思いますけれども、2年後の大統領選挙を見据えていきますと、そう長くは戦闘も続けられない。同時に、共和党内部の立て直しも迫られてきます。そうした中で、トランプ大統領が何らかの勝利宣言ができるという形で、戦闘を終わらせる道筋を必死に探っている状況かと思います。
安宅晃樹キャスター:
今後、トランプ大統領はどう動いて、それに伴って世界がどのように変わっていくのか、注視していく必要があります。
