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「絶望から救ってくれた手話という豊かな言語」一人の女性が沖縄から挑む聞こえる・聞こえないをこえ心かよわす舞台|FNNプライムオンライン

「絶望から救ってくれた手話という豊かな言語」一人の女性が沖縄から挑む聞こえる・聞こえないをこえ心かよわす舞台

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音を超えて響き合う沖縄国際手話祭への挑戦

9月、沖縄県宜野湾市で国内最大級の手話イベント「沖縄国際手話祭」が初めて開催された。

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会場を埋め尽くした観客の前に立ったのは、耳の聞こえる人、聞こえない人、世代も背景も異なる出演者たち。手話という一つの言語を通じ、音や身体表現で心を通わせる舞台だった。

その裏側には、自らを絶望の中から救ってくれた「聞こえない世界」への恩返しを誓う一人の女性と、互いを支え合いながら表現を模索した出演者たちの想いがあった。

手話を「広める」という使命

イベントを主催したのは、一般社団法人日本手話文化協会で代表を務める藤乃さんだ。

聴覚に障害のない聴者である彼女が手話の世界へ飛び込んだ背景には、人生の大きな転機があった。

19歳の時にがんを患い、その影響からうつ病を併発して生きる意味を見失っていた。暗闇の中にいた彼女に唯一手を差し伸べたのが、職場の上司であった聴覚障害者だった。

「本当に思い出したらいまだに苦しいんですけど…真っ暗なトンネルをずっと歩いている感覚です。生きている意味がわからない。でも彼だけが何かあったの?とか、たまに手紙や小さいメモを置いていった、頑張れって」

上司の静かな思いやりに救われた藤乃さんは、生きる意欲を取り戻す。
「もう一回頑張って生きてみようと感じるようになって、生きる意味を教えていただいたから今度は私ができることは何だろうと思ったときに、聞こえない世界に恩返しをしようと決めて、そこが本格的 に手話をはじめたきっかけです」

手話を学び、広める活動を進める中で、聴者である自身の立場に対する複雑な声に直面することもあった。

「私自身が聞こえる人なので聞こえるお前に何が分かるんだ、と色んな声もありました。手話が聞こえない人の言語だという意見もあるのも理解しています。とはいえ手話は一つの言語だからみんなに触れてほしいという思いもあります。私自身が手話に助けられたから」

葛藤を抱えながらも、彼女の軸がぶれることはない。「手話という一つの言語がより社会に広がっていくために、同じ矢印に向けて活動できたらいいなと強く願っている」と語り、地元・沖縄からその魅力を届けるべく一大イベントの企画へと動いた。

世代も「聞こえる」もこえて重なるステップ

「沖縄国際手話祭」のメインステージの一つが、耳の聞こえるダンサーと聞こえないダンサーによる合同パフォーマンスだ。高校生から60代まで、表現方法の異なる12人が集った。

ろう学校に通う高校2年生のりんさんは、ダンス経験がほぼない中で参加を決意した。

「表現することが大好き、目立つことが大好きだから出たいと興味をもって参加した」と意気込む一方、音でリズムを感じ取ることが難しく、周囲と動きを合わせる苦労にも直面した。

「今まで自分が迷惑をかけてしまったけど、みんな自分が成功するまでずっと支えてくれた。 自分も一生懸命ついていこうとがんばりました」

同じく高校生ダンサーのモカさんも、この舞台を通して自身の内に大きな変化を感じていた。

「自分が聞こえないことに対して自信がない時期だったので、今までの自分だと中々思うように(聴者と)コミュニケーションがとれなかったけど、今回は聴者とのコミュニケーションを前よりもっとできるようになったと思います」

またプロダンサーのさくらさんは21歳で中途失聴を経験した。

「今みたいに偏見なく私たちのことを知ってもらえたら嬉しいな。知ってもらえるきっかけの一部になればいいなと思っています」と、表現者としての願いを込める。

789人が手話でつながった日、手話は「豊かな言語」

迎えた本番当日。

ステージを終えたモカさんは「メンバーと一緒に踊ることが一番楽しかった。手話は第一言語ということを知ってもらいたい、言語だというのを知ってもらいたい」と、達成感に満ちた表情を見せた。

客席からも「同じ気持ちで同じ目標に向かっていたらそこに壁はない」と感銘を受ける声が上がった。

この日の最後には「一度に手話のレッスンに参加した人数」のギネス世界記録に挑戦した。オンライン参加者も含め789人が同時に手話を学び、見事記録に認定された。

「聞こえない人も聞こえる人も難聴者もみんな一緒に集まって、年齢も関係なくつながったという感じが本当に感動的で。手話という言語を通してつながれる感動とかきっかけを体感してほしいと思うので、手話を身近な言語としてもっと広げていきたいと思っています」

藤乃さんが語る通り、手話は単なる伝達手段ではなく、感情や生き様を乗せる豊かな言語とも言える。聞こえる人と聞こえない人が同じ空間で同じ時間を分かち合える、そんな手話という言語が持つ無限の可能性を感じさせる舞台が、沖縄から始まっている。

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