2024年11月、鹿児島県伊仙町の自宅で保育士の55歳の女性が殺害された事件で、殺人などの罪に問われている19歳の男の裁判員裁判が19日、鹿児島地裁で始まった。事件当時17歳の高校生だった男は、裁判長から起訴内容を問われ「間違いないです」とはっきりした口調で認めた。争点は、少年だった男に「刑罰を科すべきか、保護処分とすべきか」である。判決は11月9日に言い渡される。
法廷にはついたて 男は起訴内容を認める
事件が起きたのは2024年11月20日の夕方だった。起訴状などによると、男は包丁を持って伊仙町佐弁の住宅に無施錠の窓から侵入した。そして帰宅した住人の保育士・菊池房子さんの胸などを包丁で複数回刺し、殺害したとされている。

事件当時、男は17歳の高校生だった。事件は少年事件として扱われるが、鹿児島家庭裁判所は「極めて重大な事案」として検察官送致を決定した。このため、成人と同様に刑事裁判が開かれることになった。
19日の初公判では、法廷についたてが設置され、男の表情は見えなかった。冒頭、起訴内容を問われた男は「間違いないです」と答えた。
検察側が明らかにした事件前後の行動
検察側は冒頭陳述で、事件前後の男の行動を明らかにした。
- 事件の前に、男は2度、包丁を持って菊池さんの家に侵入していた。
- 事件後には、被害者が死亡したかを確認するため、再び現場を訪れていた。
動機については、男が「事件の半年ほど前から自暴自棄になり漠然と人を殺そうかと考えるようになった。被害者の家から聞こえる音が嫌がらせと感じるようになり、殺害を考えるようになった」と指摘した。
そのうえで検察側は、犯行の悪質性や計画性を踏まえ、男に刑罰を科すべきだと主張している。
弁護側は「保護処分」を求める
一方、弁護側は男の年齢などから更生の可能性が高いと主張した。男が少年時代に不登校だったことや、医師の鑑定で社会的なコミュニケーションが難しい自閉スペクトラム症と判断されたことも挙げた。
そのうえで「刑罰ではなく適切な教育を受けさせるべき」として、少年院で更生のための教育を受ける「保護処分」、つまり少年院送致を求めている。
今後の日程
裁判は20日も開かれ、被告人質問が行われる。殺人という重大な少年事件に対し、裁判所がどのような判断を下すのか、注目が集まっている。判決は11月9日に言い渡される。
【動画で見る▶【初公判】伊仙町保育士殺害事件 当時高校生の男(19)起訴内容認める 】

