自由気ままな子どもたちに、いつも親はハラハラドキドキ、時にもやもや。
「笑った!困った!」…でもウチの子はどうしてこんなことするんだろう。その行動の裏には、知られざる“子どものココロ”が隠されているはず。

今回、元気なココロちゃんとマナブくんきょうだいの育児に追われる小木(こぎ)さん一家に寄せられたのは、こんなエピソード。

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「レジの店員さんに突然『これ、お母さんに買ってもらったの!』と話しかける4歳の娘。驚いていると、見知らぬ子どもとも「私、4歳なの」「私も4歳だよ」と自己紹介が始まり、仲良しに……子どものコミュニケーション能力ってスゴイ!?」

目を離した隙に、誰にでも近寄って行って何かお喋りしているわが子!
子どもたち同士で仲良くなるのはいいけど、お仕事中の店員さんにも「ねえ、見て見て!」と話しかけるのはちょっとハラハラ。
「知らない人と話しちゃダメ!」と注意したくなる気持ちもあるけど、大人じゃ真似できない子どもたちの「コミュニケーション能力」には思わず関心してしまう…

育児に役立つ“子育て心理学”を発信している公認心理師・佐藤めぐみさんに、“子どものコミュニケーション力”についてお話を聞いた。


――知らない人に突然話しかけちゃう!これってあるある?

個人差はあるものの、年齢的に言語能力が伸びている時期なので、よく見られる行動と言えます。この時期は“エゴセントリズム”と言って、自分を中心に物事を考えているので、自分から何かを発することを好みます。裏を返せば、じっと相手の話を聞くことはまだあまり得意ではありませんので、会話のキャッチボールが目的というよりは、自分からの発信を楽しんでいると言えるでしょう。

中には、まったく逆で、知らない人の前だと貝のように口を閉じてしまう子もいます。はじめての場所や人に対する初期反応というのは、生まれ持った部分が大きいからです。性分的に活動的で物怖じしない子にとっては、知らない場所、知らない人は“わくわく”の対象。興味を持った相手に臆せず話しかけるのですね。きっとこのときに話しかけて仲良くなったお子さんも同じような性格の子だったのかもしれません。


――話しかけてすぐ友達になれる…これっとやっぱり「子どもならでは」のこと?

そうですね、小さい子ほど話しかけてすぐに友達になれるものです。この時期の友人関係というのは、たまたま席が隣になったから、たまたま近所だから、たまたまその日公園にいたから、というような“距離の近さ”がきっかけになることが多いと言われています。

小学校の中・高学年になってくると、性格が似ているから、気が合うからという理由で友だちになることが増えていきますが、幼少期は何よりも近さ。そこにいたから話しかけ、そこにいたから友達になるということが多いです。

大人はあれこれ考えすぎて、話しかけるのを躊躇してしまうことも多いので、子どもたちの”壁のないお付き合い“というのはうらやましいですね。

子どもたちの「コミュニケーション力」の秘密は、子どもたちが「自分から情報を発信すること」を中心とした成長段階にあるから。

もちろん、この年頃の子どもたちがみんな知らない人に話しかけるのが大得意!というわけではないが、興味を持った相手に積極的に話しかける行動は、幼い子供特有の能力のひとつと言えそうだ。

「知らない人には…」親はどう注意すればいい?

とはいえ、親としては「知らない人に話しかける」のはちょっと心配な場面も。
「知らない人について行ったり、お菓子をもらっちゃダメ!」というのは教えやすいけれど、純粋な好奇心いっぱいの子どもたちに「お話ししちゃダメ!」と言うのはちょっと難しそう?

――「知らない人とのお話」…どう注意すべき?

やはり大事なのは、そういう場面で、子どもを1人にしないことです。4歳の子にいくらお家で「知らない人について行ってはダメだよ」ときちんと説明しておいても、もしもの場面では、大人が言葉巧みに話しかければ、4歳の子ならきっと信じてしまうでしょう。

言葉だけで分からせようとすると、ついつい「世の中は危険なところだ」という過剰な伝え方になりかねないので、それよりは、一歩家を出たら、親が目を離さないようにするのが一番です

とくに、今回のような外交的なお子さんは、大人相手でも壁を作らず、臆せず話せることが多いので、外では目を離さないことはより大事になってくるでしょう。
親の目の届く範囲で子どもがだれかに話しかけている分には、何の心配もいりません。ときに余計なことまでおしゃべりして、お家の中のヒミツまで言ってしまうこともあるかもしれませんが、それはご愛敬。この時期特有の天真爛漫なおしゃべりということで大目に見てあげてください。



「聞きコミ PRIME online」では皆様からの「育児あるある」エピソード投稿をお待ちしています。

・「もういらない」と言ったから代わりに食べたおやつ。「やっぱり食べる!」と言われて大慌て…同じものを用意しても「さっきのがいい!」と泣かれて大苦戦!
・無くしたと思っていたスマホを冷蔵庫の中から発見!なんでここに入れちゃうの!?

などなど、あなたの「育児あるある」に隠された子どもたちの気持ちを探ってみませんか?

エピソード投稿はこちらから!
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※入力された内容は記事で紹介させて頂くことがございます。
※改めて取材をさせて頂く場合もございます。

(解説:佐藤めぐみ/公認心理師)
英・レスター大学大学院修士号取得・オランダ心理学会認定心理士。欧米で学んだ心理学を日本の育児で取り入れやすい形にしたポジ育メソッドを考案。アメブロの「ちょっと子育て心理学」(http://ameblo.jp/la-camomille/)にて発信中。

(漫画:さいとうひさし)

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。