学生と社員が一体に

発想の転換で新たな人材育成。
学生のためだけではない、インターンの活用方法とは。

非日常空間でゆったりとした時間を過ごせそうな吹き抜けの中庭に、歩くたびに日本人の和の心を感じる畳が敷かれた廊下。

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この住宅、実はインターンの大学生が設計したもの。

新築一戸建てを設計する、大規模なインターンの狙いとは。

大画面を使った住宅のプレゼンテーション。
これは、総合不動産会社のオープンハウスグループが行っているインターンの様子。

2020年で7回目を迎えるこのインターンは、東京都内の実際の土地を課題として、学生たちが3人1チームとなり、新築戸建ての設計プランやデザインを競い合う。

設計には、建設事業部所属の社員も、1チームにつき5人がサポート役で参加。
学生と社員が一体となって優勝を目指す。

優勝チームは実際に建築

このインターンは、ただプレゼンするだけではない。

最大の特徴は、優勝したチームが設計した住宅を実際に建ててしまうという。

2019年の優勝チームが設計した住宅。
玄関を開けて、すぐ目の前に飛び込んでくるのが、すてきな中庭。

この住宅は、実際に販売されたというからさらに驚き。

そして2020年、実際に建築が決まったのは、木をコンセプトに設計したチーム。

優勝した大学生:
自分で設計した家が建つということで、学生のうちにそんなこと普通できないじゃないですか。
自分の家を建てるという夢があったので、かなえられて満足

喜んでいたのは、学生だけではない。
今回優勝したチームを予選からサポートしてきた社員たちも、優勝とわかった時には盛り上がった。

採用活動以外の狙い

通常業務をしながら行うこのインターンを通して、社員にも学ぶことがあったという。

優勝チームを手伝った社員:
(業務との両立で)てんやわんやになりかけた部分はあったんですけど、「自分がどうして仕事をしたくなったか」というところを、しっかりと自分の中で再確認できて、本当に仕事も忙しいながら頑張っていこうと思えるきっかけになった

優勝チームを手伝った社員:
「大変さが楽しい」というところは、働いていると忘れちゃうときもあるけど、思い出させてくれるインターンだなと

実は、ここに採用活動以外のもう1つの狙いがあった。

オープンハウス・ディベロップメント 建設事業部 安藤浩司グループ長:
社員の教育といった観点からも考えていて、私どもはベンチャー企業ですから、若い社員が多い。
本来であれば、まだまだ研修やアシスタントをしなければならない年頃の人たちだが、実際に学生を相手にすると、自分が何かを考えて伝えていかなければいけない立場になる。
しっかり考えて伝えていくことで、学生はもちろん、社員の成長にもつながっていると考えている

(「Live News α」 11月27日放送分)