「旧三菱マヒンドラ農機」の事業撤退…製造業で島根を代表する企業のひとつが事業に幕を降ろしたわけですが、地域経済にも大きな影響を与えています。
安部大地デスク:
民間の調査会社・帝国データバンクの調査結果から影響の大きさを示します。
製造を担う「三菱マヒンドラ農機」と製造子会社の「リョーノーファクトリー」、それに販売担当の「三菱農機販売」のグループ3社に、部品やサービスを提供していた取引企業は全国に580社あります。
このうち島根県には約10%にあたる54社あり、年間の取引額は年間22億円とされています。こうした県内の取引企業には地元ならではの事情があるといいます。
調査会社に聞いてきました。
帝国データバンク松江支店・渡邊聡支店長:
金額面で言うと、全国と比べるとと大きくはないが、マヒンドラグループのお膝元なので取引の数とか、取引の依存度は決して小さくない。
県内の取引企業の事情、それは「マヒンドラ依存」です。
県内の取引企業のうち、売上の5%以上をマヒンドラグループが占めていたのは半分の27社。
収益構造が大きくマヒンドラに依っています。
そのうちの一つを取材しました。
東出雲町の金属加工品メーカー「野原熱錬工作所」。
農業機械部品を年間50万個製造し、その多くをマヒンドラグループに納めてきました。
野原熱錬工作所・金崎芳男社長:
農業機械の足回りのシャフトの機械。これは“マヒンドラ用”だからなくなってしまった。
工場内には稼働していない機械も…影響は大きいといいます。
野原熱錬工作所・金崎芳男社長:
今回の会社解散で2割ぐらい売上が落ちる。
ただ数年前からマヒンドラグル―プからの発注数が減っていたこともあり、新規の受注拡大を狙って新たな技術の導入も進めてきました。
そして新規事業を進めるにあたり、マヒンドラグループの退職者を新たに5人雇用。
現時点では、失ったマヒンドラ分の売上のうち3~4割程度は補填できる目途は立っています。
しかしそこからの上積みが大きな課題だといいます。
野原熱錬工作所・金崎芳男社長:
これまでは自分で仕事を取ってくるのが4割、あとの6割は他力本願だった。
今までのやり方ではいわゆる下請けのまま、脱皮するためにもやることはたくさんあります。
取引企業は大きな岐路に立たされ、地域経済の地盤沈下が心配されるゆえんです。
キャスター:
それともう一つの大きな課題、退職者の再就職はどうなっていますか。
安部大地デスク:
グループ会社を含めた退職者約970人のうち、約40人が機械の保守などを引き継ぐために設立された新会社に移りますが、残る県内在住の退職者に対しては行政を中心に支援が続いています。
松江市は県や経済団体などとともに再就職支援を行っています。
県内在住の退職者は385人。
松江市では、9月29日時点で約73%にあたる283人が再就職先を内定しているとしています。
松江市産業経済部・桑垣宏二部長:
ゆっくり考えたいという方もおられるので、いろんなニーズがあります。
そこは丁寧に、それぞれ個別に対応していかないといけない。
安部大地デスク:
こうした再就職のサポートは、経済支援と並行して今後も継続する方針が示されています。
