編み物や裁縫で地域に貢献する、平均年齢およそ80歳の女性たち。岐阜市のNPO法人が立ち上げた『チームおーばー80』の活動に密着しました。
■高齢者の「できること」 手仕事で地域をつなぐ
元気に入ってきた、おばあちゃんたち。おしゃべりしながら編み物を始めました。メンバーは81歳や89歳など高齢の女性たち。このグループの名前は…。
ひだまり創の古澤由加里理事長:
「80歳を超えた方々が中心だったので、『チームおーばー80』としました」

介護や福祉の事業を行う岐阜市の法人「ひだまり創」が運営している『チームおーばー80』。高齢者のできることと、地域のこんなものが欲しいという声をつなぎ、社会参加を支援しています。
登録している高齢女性は、およそ100人いるといいます。
この日、作っていたのは、医療や介護現場で身に付けることで不安を和らげる「認知症マフ」という筒状のケアアイテムです。

古澤理事長:
「点滴を抜いちゃいけないけど抜いちゃう方が、身体拘束といって縛るのではなくて、本人のお好きなものを身に着けてもらうことで、こっちに興味がいく分、縛ったり体を抑制しなくても過ごしてもらいやすくなるというもので、製作を行っています」

おーばー80を立ち上げた古澤由加里さん。介護事業に携わる中で、「長く生きて申し訳ない」と話す高齢者に多く出会ってきました。
古澤理事長:
「高齢者の方というのは、できることがいっぱいあるんですけど、できないことに注目されやすいというポイントがあるので」
ここでのルールは、自分のできることで参加すること。食べ物や動物のあみぐるみを作ったりひもを編んだりと、無理のない範囲でコツコツ作ります。
メンバーら:
「あっという間に時間が過ぎますね」
「みんなとお話ししているだけで楽しいし。ちょっと作業して、お役にも立っているかなっていう気持ちが、充実感を感じるよね」
■喜んでもらえることが「生きがい」に
おーばー80が力を合わせて出来上がったマフは、要望があった近くの福祉施設へ贈ります。この日は78歳の杉山さんと、81歳の澤田さんが届けました。

78歳の杉山さん:
「やっぱり反応があることがすごくうれしくて、私もちょっと興奮気味です」
喜んでもらえた経験が、次のものづくりにつながります。
婦人服の縫製職人だった、88歳の山田きみ子さんもメンバーの1人です。

88歳の山田さん:
「岐阜では繊維問屋町って今はないんですけど、そういう所がたくさんありましたので、婦人服の会社に行って」
山田さんが作っていたのは、布を重ねて作った「スラッシュキルト」のポシェットです。企業などから出る廃棄繊維を利用して作った小物は、「iquilt(イキルト)」というブランド名で販売や寄贈をしています。

88歳の山田さん:
「これしか能がないですけど。こういう事に出会えたのは幸せだと思います。喜んでいただけると、また頑張ろうかなって常々思います」
■笑顔のために…一人一人が「できること」
どんどんアクティブになっていく「おーばー80」のメンバー。
96歳の不破さん、89歳の村上さん、88歳の鈴村さんはこの日、本巣市の小学校へ家庭科に必要な道具を届けに行き、裁縫を覚えたばかりの子供たちを見守っていました。

古澤理事長:
「『チームおーばー80』の活動を、岐阜県だけじゃなくていろんなところに広めていって、おばあちゃんたちが増えるとうれしいねっていう取り組みに変えていきたいなと思っています」
平均年齢80歳以上。チームおーばー80の一人一人の「できること」が、きょうも誰かの笑顔につながっています。

