2年余りの延期を経て、いよいよ来月2日にツアーが始まる「黒部宇奈月キャニオンルート」。
開業を目前に控えた27日、報道陣向けのツアーが行われ、実際のツアーと同じように初めて専門ガイドが同行しました。
*黒部宇奈月キャニオンルートガイド 西島一茂さん
「ガイドの西島と申します。本日一日よろしくお願いいたします」
欅平駅には、ツアーの開始に合わせて参加者専用のラウンジが整備され、安全説明や身体検査を受けてツアーがスタートします。
黒部宇奈月キャニオンルートは、黒部峡谷鉄道の終点・欅平と黒部ダムを結ぶ約18キロのルートです。
*リポート
「当時の作業員をイメージしたヘルメットをかぶり、当時の雰囲気を感じながらキャニオンルートへ出発します」
かつての黒部川の電源開発を支えた工事用ルートで、専門ガイドの案内のもと、過酷な開発の歴史と雄大な自然に触れることができます。
7月の販売開始後、予約は相次ぎ、ツアー枠はすでにほぼ完売となっています。
工事用トロッコに乗り込み、竪坑エレベーターで約200メートル上へ。
竪坑展望台では、黒部峡谷の雄大な景色が広がります。
*黒部宇奈月キャニオンルートガイド 西島一茂さん
「手前のほうにそびえている断崖絶壁の山が奥鐘山。標高が1543メートル、垂直に約70メートルの高さ。ロッククライマーの方の聖地と言われている」
ここからは黒部川第四発電所を目指し、蓄電池機関車に乗り込みます。
ガイドの説明に耳を傾けながら進むと、当時の過酷な工事の様子が目に浮かびます。
*黒部宇奈月キャニオンルートガイド 西島一茂さん
「掘削の当時の岩盤は160℃。(採掘用の)ダイナマイトが自然発火してしまい爆発事故もたくさんあった」
*黒部宇奈月キャニオンルートガイド 西島一茂さん
「素通りしていってしまえばそれで終わり。景色とトンネルだけだけど、ここで働いていた人たちがどんな思いで働いていたのか、そしていろんな困難にぶつかりながらも、突破してきたっていうこと(を感じてほしい)」
次々と乗り物を乗り継いで進むのもキャニオンルートの特徴です。
一つ一つの施設が黒部の電源開発の歴史とどうつながっているのか。
ガイドの言葉が、その背景をひも解きます。
*黒部宇奈月キャニオンルートガイド 西島一茂さん
「ただ見るだけではなくて、触ってみたり、においを嗅いでみたり、五感で感じてもらえっる刺激的なツアーであることを、来てもらった方には感じてもらえると思う」
斜度34度、長さ815メートルのインクライン。
黒部川第四発電所、通称「くろよん」の建設のために造られました。
*リポート
「最大25トンの資材を一気に運ぶことができるインクラインです。実際に来てみるととても巨大な空間が広がっていて、ロマンを感じます」
インクラインを降りると、バスに乗り換え、絶景を望む展望台などを巡ります。
欅平駅を出発して約3時間。
終点の黒部ダムに到着です。
黒部宇奈月キャニオンルートは、おととし6月の開業を予定していましたが、能登半島地震による黒部峡谷鉄道の被害などを受け、延期に。
復旧工事を経て、黒部峡谷鉄道は来月1日、宇奈月と欅平の間で全線運行を再開します。
そして、その29日に、キャニオンルートのツアーがスタート。
2年余りの延期を経て、待ち望まれた新たな観光ルートが、いよいよ動き出します。
