福井県内を襲った8月末の記録的大雨では、道路の冠水が相次ぎました。各地で車にも被害が出て、JAF福井支部には冠水した車の運転手から多くの救援要請が寄せられました。同じような大雨が予想されたとき、車を守るために、いつ、どう判断すればよいのか取材しました。
県内が大雨に見舞われた8月30日から、9月1日までの3日間にJAF福井支部に寄せられた冠水関連の救援要請は211件(速報値)で、通常時の約3倍に上りました。
今回の大雨で多かった救援要請の内容について、JAF福井支部・河合大翔さんは「今回は夜間から明け方にかけての大雨だったので、自宅駐車場で車が冠水してしまったという事例が多くあった」と話します。
今回の大雨は、夜間に短時間で雨脚が強まりました。「まだ大丈夫だろう」と寝ている間に水位が上がり、朝になって駐車場の車が冠水していたケースも多かったといいます。深夜ということもあり、車を安全な場所へ移動させることも難しかったということです。
では、大雨が予想されたとき、車への被害を防ぐにはどの段階で判断すればよいのでしょうか。
まず、判断の目安となるのが「水深」です。 JAFの冠水路の走行テストでは、水深30センチでも、速度によっては水を巻き込み走行に支障が出る危険があることが分かりました。
武田祐季アナウンサー:
「車が走行できなくなる基準の水深30センチは、コンパクトカーでは、タイヤの半分くらいの高さ。水深30センチはタイヤの半分、と覚えておいてください」
しかし、運転中に水深を判断するのは難しいもの。そこで、運転席から判断するポイントをJAFの河合さんに聞きました。
「前の車のマフラーが隠れそうなくらいの水位が、30センチの目安です」(JAF河合さん)
ただ、マフラーの位置などは車種によって異なるため、あくまで一つの判断基準です。
そして、30センチになるまでは走っても大丈夫というわけではなく、注意したいのは、30センチより浅い「15センチ」の段階です。
「水深15センチほどでも、横断歩道や路面標示が見えにくくなったり、マンホールのふたが開いていても気付けない可能性があります」(JAF河合さん)
一般的な歩道の縁石が約15センチ。冠水した水が歩道を超えるようなら、引き返すことも考えて下さい。
そして、最も警戒したいのがアンダーパスです。全国では大雨の際、冠水したアンダーパスに突っ込み運転手が溺死する事故が複数発生しています。
事前に生活圏内のアンダーパスの位置を把握し、迂回路を決めておくようにしてください。アンダーパスの場所はハザードマップで確認できます。
もう一つ決めておきたいのが、車の避難先。
「立体駐車場や高台、過去の経験から浸水しなかった地域などに避難させておくのがいい」(JAF河合さん)
福井市では、市内の民間施設と災害時の協定を結んでいて、大雨の際にはエルパやベルなど最大7カ所の立体駐車場3700台分が車の避難先として開放されます。
今回の大雨では、施設への連絡が遅れたため、福井市からの要請を受けて開設できたのはベル1カ所にとどまりました。これを受け福井市は今後、警戒レベル3が発表された段階で7カ所すべての施設に連絡するなど、車の避難場所の確保を強化することにしています。
こうした避難場所や近くの高台を事前に確認し、開放された場合には早めに車を移動させることが大切です。
大切な財産、そして命を守るためには運転中の早めの判断、雨脚が強まる前の備えが不可欠です。
また、事前の対策をしていても、車が冠水してしまった場合には、水が引いて見た目には問題がなさそうでも、エンジンをかけると電気系統のショートなどで車両火災につながるおそれがあります。
足元のカーペットが濡れているなど、車内への浸水が確認された場合はエンジンをかけず、JAFなどに救援を依頼するようにしましょう。
