噴火警戒レベルが3に引き上げられた北海道の十勝岳で、本格的な噴火の可能性が高まっています。
「より本格的な噴火が起きる可能性が、従来よりも高まっている判断です」(火山調査委員会 清水 洋 委員長)
政府の火山調査委員会は、臨時の会合を開いて十勝岳の火山活動を分析。
やや規模の大きな火山性地震が発生し、火山ガスが増加していることなどから、マグマがたまっている可能性があるとしました。
今後マグマが直接噴き出す「マグマ噴火」という大規模な噴火が起きる可能性もあると、注意を呼びかけました。
発表を受けて地元の上富良野町では。
「やはり、恐ろしい」
「今のところ普通に生活しているが、不安ではある」(いずれも上富良野町民)
町では3か所の倉庫に水や食料、毛布などを備蓄していて、6000人分をまかなえる対策をとっています。
「再度、どこに何があるか確認してチェックした。避難所開設の備品を必要な分そろえるなどしている」(上富良野町 総務課 櫻井 友幸さん)
十勝岳は大規模な噴火を繰り返し、被害をもたらしてきました。
1962年の噴火では噴煙が1万2000メートルの高さまで達し、広範囲に火山灰が降りました。
「知床でも降灰が確認されている。十勝川上流や十勝三股の集落では10~20センチの降灰があって、避難した人もいる」(北海道大学地震火山研究観測センター 青山 裕 教授)
大規模な降灰は健康への被害や交通障害、農作物の育成不良などさまざまな影響が想定されます。
そして、これから冬を迎え、さらに注意が必要なのが泥流です。
今から100年前の1926年には噴火の熱により山肌に積もっていた雪が解け、大量の水と火山灰や土砂が混ざり、高速で斜面を下る泥流が発生しました。
わずか20分で約25キロ離れた上富良野に達するほどの速さで、死者・行方不明者が144人に上る大惨事となりました。
1988年から1989年にかけての噴火でも泥流が発生。
火山活動が長引き避難生活が長期化しました。
「冬の噴火の泥流発生を念頭に置いた噴火警戒レベルの運用方針が決められている。現在のレベル3の状態で積雪期なると、自動的にレベル4に切り替えた防災対応を取ろうということになっている」(青山教授)
十勝岳のこれまでの状況は以下の通りです。
3月~山が膨らむ
4月~火山ガスが増加(二酸化硫黄)
8月~やや大きな火山性地震が頻発し始める
今後、さらに大きな地震が増えると「マグマ噴火」の可能性があるということです。
十勝岳では、ちょうど100年前の1926年に大規模な噴火が発生。死者・行方不明者は144人に達する大惨事となりました。
この噴火では泥流が時速60kmで山の麓を襲い、上富良野町や中富良野町、さらに谷筋を伝って美瑛町に向かい、主に川の流れなどの低い場所を通って広範囲に被害をもたらしました。
北海道開発局などでは1926年と同規模の噴火にも耐えられるよう、さまざまな対策を講じているということです。
現時点で入山規制は「レベル3」のままで変更はありませんが、周辺にお住まいの方は今後の情報に注意して過ごしてください。
