人口減少社会の中で、学校の再編・統合も進んでいます。こうした中で、使われなくなった学校施設をどう利活用していくのか、現状を取材しました。
大きなベッドやソファに、エアコンも完備されたテント。ホテル並みの快適な空間で自然を楽しむグランピング施設です。
島田市の閉校した湯日小学校を民間の事業者が約4億円を投じてリノベーションし、2021年にオープンしました。
理科室や家庭科室はポップコーンづくりやトートバック作りなどのアクティビティースペースとして活用。さらに、校長室だった部屋はなんとサウナ付きのお風呂に!
小学校の校庭に泊まるという「ノスタルジックな環境」が好評で、年間1万3000人を超える利用客が訪れる人気施設となっています。
グランピング&ポート 結・清水真志チーフマネージャー:
すごく喜ばれています。母校ではないけど「懐かしい」と。フロントに来て「キレイです」「かわいい」と。小学校を離れて10年以上たつ大人からすると、小学校に泊まるのはすごく新しいもの。新鮮な感じかなと
熱海市の旧網代小学校でこの日開かれていたのは、ヨーヨー釣りやクラフトショップ、屋台などが出店したマルシェです。
2024年からカフェやコワーキング、チャレンジショップなどを備えた交流拠点に。改装された室内に並ぶショップの数々、住民の集いの場や交流の場としても活用されています。
AJIRO MUSUBI(網代むすび)・山崎明洋さん:
(Q.廃校利用について)良い悪いはあって、この大きさは使いやすかったり、逆に大きすぎて使いづらかったりはあるので、子供たちが自由に走り回れるのは大きくて良かったと思う一方、あまりに大きいので資金面は大変にはなるので、今後はもっと考えていかなければいけない
住民たちの交流拠点やまちに人を呼び込む施設として生まれ変わる施設がある一方、利活用がすすまない場所もあります。
伊東市では14あった幼稚園が再編・統合などで現在は7園に。小学校は10校が7校に統廃合されています。
建物は倉庫以外に目立った活用はされていません。
2021年3月に147年の歴史に幕を閉じた川奈小学校。学校としての役割を終えた後も、校舎や体育館、校庭は残されています。
伊東市は地域の新たな拠点としての利活用しようと、2024年度に事業者を募り2つの企業が提案しましたが、市の設けた基準点を満たさず契約には至りませんでした。
2025年度に再び募り、2026年3月に協定締結にこぎつけました。
利活用をするのは、市内で家事代行サービスを運営する事業者です。
アレスファーマーインターナショナル・阪口悟志 代表:
活用は自分たちだけでできるものではないので、地域住民やこの地域で働いている人、さまざまな施設から声をかけてもらっていて、その人たちとも協力して、「川奈小学校」だけではなく、川奈地区や伊東・伊豆地域全体の発展に貢献できたらなと
2026年5月、工事や事業着手を前に開かれた住民説明会。地域住民など40人が集まりました。
めざすのは、伊豆の海と山をの恵みを堪能できる「浜焼き学校」。食材を地元で仕入れるほか、地元の人たちの雇用を生むことなどが説明されました。
また、渋滞対策や騒音対策など、住民の疑問や懸念点についても回答し、今後を期待する声も多く聞かれました。
参加した住民:
地域と共存するような事業展開をしてもらえれば、それはそれでいいこと
参加した住民:
すごくいいことだと思う。廃校になった施設で有効活用されていないところは、なるべく有効活用するようにして、市民のために還元してほしい
参加した住民:
このままだと朽ちて無くなってしまうと心配した。やはり使ってもらって、“生きた建物”にしてもらい、地域の人も活用できるようにしてほしい
文部科学省の調査では、2004年からの20年間に閉校した学校は8850校。このうち約2000校が利活用されていません。
学校の再編や公共施設の在り方、廃校舎の利活用に詳しい専門家は、住民の同意のもとで民間事業者の参入を促進していくべきだと話します。
神奈川大学・大竹弘和 名誉教授:
役所の職員は(廃校)に価値があるか(判断は)苦手だと思う。いくつかの民間にあたりながら、いろいろなプランを聞いて、民間の知恵とアイディアをどう出させるかが職員の重要なところ
学び舎の役割を終えた後、地域に何を残すのか。人口が減り続ける時代の街づくりが今後も問われることになります。
