きょう=9月17日、第2次高市改造内閣の顔ぶれが決まりました。
前回の自民党総裁選で総裁の座を争い、来年の総裁選でも出馬が有力視される林芳正総務大臣は閣内に残りませんでした。
この人事について、永田町取材歴26年・元NHK政治部記者の岩田明子氏は関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」で「強力なライバルになりうる林氏について、高市総理は閣外に出して経験値が減っていくことを狙ったのでは」と解説。
その上で「総理は早い段階で閣外に出すことは決めていたと思うが、政界では消去法で残るという見方もあった」とギリギリまでその処遇が聞こえてこなかったと解説しました。
■「どの政策もでき穴がない」林氏を「閣外に出して経験値減る」こと狙ったか
岩田氏はまず、林総務大臣について「石破内閣でも官房長官をそつなくこなした。第二次安倍内閣でもそうでしたが、大臣が更迭されると、すぐ後任として大臣に就任して。『困ったら林芳正』という言葉があるぐらい、どの政策もでき、穴がない」と評価。
来年の自民党総裁選では「(元参院議員で)参議院にもパイプがあり、あまり敵もいないタイプで、高市総理が最も警戒しなければならない、強力なライバルになりうる」と説明しました。
その上で、その処遇についての高市総理の判断について、次のように解説しました。
【岩田明子氏】「(閣内に)囲い込んで、とにかく働いてもらって消耗させるのか。それとも(閣外に)出してしまうのか。
今は時代の流れが速いですから、経験値が減っていくことが、政治家にとって意外と昔よりもこたえます。どちらを狙うのかで、後者を取ったということです」
■政界でも林氏が「消去法で『続投になるかもしれない』と見る人も」
ここで青木源太キャスターが「高市総理は留任をお願いしたけれども林氏が断ったという可能性はありますか」と聞くと、岩田氏は「その可能性は低いと思う」と明言。
その上で、政界の中でも高市総理が林氏を「閣内にとどめるか・出すか」はギリギリまで予想が難しかったと説明しました。
【岩田明子氏】「高市総理はかなり早い段階で林さんを閣外に出すという方針は決めていたようです。とはいえ後任に放送とか自治に詳しい人、それからすごい手腕でやれる人というと、なかなかそうはいません。
高市さんと考え方が全く一緒という人もなかなかいなくて、ちょっと宙に浮いて。そうすると、消去法で『続投になるかもしれない』と見る人もいましたけれども…
高市総理が自民党の役員人事で参議院の石井幹事長をいろいろ人の進言があっても外したように、結局、初志貫徹するという高市さんの大原則で言うと、『林さんは外れるのかな』と思いましたが、ぎりぎりまでわからないなと」
そして後任となる藤井比早之氏(兵庫4区選出)については「旧自治省(の官僚)ですから、総務省については通じているということでは納得です。けれども菅さんに近いポジションの人で、ちょっとびっくりしました」と語りました。
■党員票で敗れた林氏 地方自治チェックの総務大臣で“地方の党員票稼ぎ”に?
この人事の背景を見るうえで重要なのが、去年の自民党総裁選です。
国会議員票は高市総理が64票に対し、林氏が72票と上回っていました。一方、党員票では高市総理が119票で、林氏が62票となり、高市総理が勝利していました。
関西テレビの神崎博解説デスクは「林氏は総務大臣という地方自治のチェックも担うポジションで、地方視察も多かった。そうして地方の党員票を稼ぎに行っているのではないかという話もあったので」と指摘。
「高市総理はこのまま林氏を総務大臣に置いておくと、ライバルがさらに強くなりかねないという危惧もあったのではないか」と述べました。
■岩田氏「来年の総裁選の対立軸がはっきりする」
また岩田氏は、今回の人事で「来年の総裁選の構図がはっきりしてくる」と述べました。
林氏は7月に石破前総理と会合を持ったことがわかっています。
【岩田明子氏】「役員から外れた石井参院幹事長や、石破内閣のときに幹事長を務めた森山さんたちが林さんのところに結集すると、大きな1つのかたまりになります。
来年の総裁選の対立軸がはっきりする。(高市総理は)あえてそう(林氏を閣外に置くと)したのでしょう」
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年9月17日放送)
