6つのキャンパスを結んで仮想スマートシティに

NTTやNTTドコモなどグループ4社は、近畿大学と5Gを活用した実験や研究などで連携すると発表した。

この記事の画像(6枚)

近畿大学は、東京ドーム約80個分の広さを持つ6つのキャンパスがあり、約3万6000人の学生や教職員がいることから、“仮想スマートシティ”として実験できるとしている。

5Gの技術を生かして、教育のデジタル化や4Kカメラの映像を伝送しての遠隔医療を検証するほか、水中ドローンによる完全養殖マグロ「近大マグロ」の監視などを実験するという。

実社会に近い場で様々な実験を

スタジオではビジネスのデジタル活用を推進するIoTNEWS代表の小泉耕二さんに話を聞いた。

三田友梨佳キャスター:
近畿大学はマグロの養殖などでも知られていますが、今回の実証実験をどうご覧になりますか?

IoTNEWS代表・小泉耕二さん:
大学は学生や教職員などが街と同様の生活をしている場でもありますので、様々な実証実験に非常に向いていると思います。今回実証実験が行われるスマートシティの実現には「サンドボックス」がとても重要だと思います。サンドボックスとは砂場のことですが、砂場に山を作って遊ぶように、簡単に試したり、壊したりできるような実験の場のことを言います

IoTNEWS代表・小泉耕二さん:
新技術の実験無しで生活の中に取り込むと、机上の理論では考えもしなかった問題が起こる可能性もあります。例えば、通信1つをとっても、今後、陸から沖にある養殖場で水中ドローンを操作したいと思った時に、海上での安定的な接続が保障される必要があります。遠隔医療の実験などでも、建物の中のように遮蔽物がたくさんあるような場所で想定通りの通信精度が出せるか不安です。今後遠隔手術ができるようになったとして、途中でネットワークが切断されるようなことは許されませんからね

三田友梨佳キャスター:
開発した技術を実用段階までにするには様々な検証が必要だということですね?

小泉耕二さん:
はい。そして、せっかくキャンパスでやるのであれば、例えば、AIを使ったレストランの満席空席情報などを学生に公開して、混雑緩和と休み時間の有効活用を促したりとか、自動運転の物流網を構築することで、モノの運搬業務だとか書類の移動の無人化を進めるなど、他のテーマにもトライしてほしいと思います。実社会に近い場でいろいろなテーマで実験することで、デジタル化された社会の恩恵をわかりやすく理解してもらって、少子高齢化の解決策としても進めてほしいなと思います

三田友梨佳キャスター:
近畿大学の広大な敷地とこれまでの先進的な取り組みを生かした実証実験が社会はもちろん、学生の教育にも役立つことを期待したいと思います。

(「Live News α」11月24日放送分)