秋の味覚の代表格サケ。
9月に入り漁が本格化しているが、北海道根室地方の大半の漁協は、9月10日からようやく動き始めた。
資源確保に向けた取り組みが進んでいる。
明治初期からの歴史を持つ札幌の「二条市場」。

秋の味覚がずらりと並んでいるが、例年とは様子が違う。
「10年前から見ると、(秋サケは)本当にもう10%ぐらいしかないって感じですね。店頭にワーッと(サケを)並べられればいいですが、ちょっと値段が高いので店頭に展示できないのが現状です」(本間鮮魚店 本間浩社長)
近年、オスの秋サケは1キロ1000円から2000円に値上がりしていて、筋子は倍近くに跳ね上がっている。

「(値段が上がると)食べづらくなっちゃうなという感じ」
「せっかく海鮮を食べに来ているから食べられなくなるのはもったないし、悲しいかな」(いずれも東京からの観光客)
文字通り、高根の花になっている秋の味覚の主役、秋サケ。
そこで資源確保に向けた取り組みが始まっている。

午前5時ごろの北海道東部・標津港。
沖に向かったのは秋サケ漁の船だ。
でも、サケを水揚げするためではない。
「今年は自粛の期間が長かったので『ようやく漁ができるな』という思いですね」(標津漁協さけ定置漁業部会 皆川秀美部会長 )

銀色のうろこを輝かせる「秋サケ」。
2026年の漁は9月1日から本格化した。
北海道の秋の風物詩だが、水揚げ量は年々減っている。

道の研究機関の予測では道内のサケの来遊数は、2025年は約685万匹まで落ち込んだ。
2026年はさらに半減して、364万匹あまりの予想に。
20年ほど前のピーク時の約6000万匹の6%まで落ち込む見込みだ。
Q:お味はどう?
「おいしい!」
標津町は全道6位の水揚げ量を誇る、「サケの街」。

毎年秋の「あきあじまつり」では特産のサケから作った「イクラ丼」が無料で提供されるなど、秋サケは町民の暮らしに根付いている。
この文化を絶やさないことを願い、きょう行われていたのが、秋サケ定置網漁の網を仕掛ける作業だ。

根室地方の8つの漁協は漁の解禁日の9月1日に網入れをせず、9日遅らせた。
6年連続で延期しているが、9日間延期は過去最長だ。
なぜ遅らせるのか。

少しでも川を上るサケを増やし、人工ふ化させる卵を確保する狙いだという。
「(網入れの延期は)はっきり言って必要だったと思います。(サケが)どんどんどんどん毎年減って来て今後、サケの街・標津がサケの街ではなくなる日もあるんじゃないかと思えて来ています」(標津漁協さけ定置漁業部会 皆川秀美部会長)

根室地方のふ化場。
ここで行われるのは、川を上って来たサケを捕まえて卵を取り、人口ふ化させること。
4年後に帰って来るサケが減らないようにしている。

網入れを延期したことで、2026年も親のサケが遡上してきていて、9月10日は20万粒の卵を確保した。
まだ走りだが、今後、網入れ延期の効果が出ることを期待している。
「予測が(サケが)取れないという中、漁師さんに網入れを遅らせてもらって(サケを川に)遡上させてもらった。(将来の)漁師さんのために(卵を)一粒でも大切に取っていきたい」(根室管内さけ・ます養殖事業協会 戸田喜己事業部長)
私たちの食卓を彩る秋サケ。
秋の味覚を私たちに届け続けるため、北海道の海で取り組みが進められている。
