魚市場や鮮魚店などで目にする“魚箱”がティッシュケースとなり、このレトロなデザインが地元ならではと注目を集めている。

それが、鮭やさんまなどの鮮魚を入れる魚箱を製造するヨシザワ木材株式会社(北海道根室市)が手掛けた「魚箱ティッシュケース」だ。
 

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板を組み合わせて作られたこの箱は、側面にさんま・鮭などの文字やイラストがデザインされており、名前の通り、魚や海産物を入れて輸送する箱である“魚箱”を小さくした見た目のティッシュケースだ。

現在、さんま・花咲がに・花咲がに(キャラクター風)・新巻鮭・鮭の全5つの種類があり、どれもきれいな木の素材の中に、ポイントとしてイラストや文字が映える仕上がりとなっている。

人気だというさんまの魚箱ティッシュケース

根室市では道の駅や鮮魚店、ショッピングセンターなどで販売しており、この他、ヨシザワ木材が電話注文で対応している。今後は同社が作成中のホームページからも購入できるようになる予定だという(税込み1650円・送料別)。

木の温かみや昔ながらのデザインからか、どこか懐かしい雰囲気も感じるティッシュケースだが、実は、これはさんまなどの不漁による魚箱の需要低迷から生まれたアイデアだったという。

ヨシザワ木材株式会社の吉澤克弘代表取締役に話を聞いた。

不良在庫が発生し再利用を考えた

ーーなぜ「魚箱ティッシュケース」を作ったの?

弊社取引先だった水産会社の塩イクラ箱(1キロ入)木箱を毎年製作していたところ、その水産会社が操業停止となり、不良在庫が発生し再利用を考えました。


ーーどうやってティッシュケースにしている?

材料は道内産のトド松の間伐材を使用しております。製法は魚箱(トロ箱)と同様に材料を自然乾燥させ、加工する過程で節やゆがみの少ない部分を切り分けてケースの側面の材料に使用し、ケースの底の部分は不良在庫品であるイクラ箱の側面の板を使用しています。


ーーこだわりの部分は?

魚箱ティッシュケースの底の部分をイクラ箱の側板(木口L型カット)3本の使用と、ケースの印刷にシルク印刷を使用している事です。

花咲がに(キャラクター風)

ーー「魚箱ティッシュケース」の出来栄えは?

ケースに印刷されております図案は根室の魚をイメージし、シルク印刷という手法で1枚1枚手刷りしてから、そのほとんどを手作業でケースを作り上げております。出来上がった魚箱ティッシュケースには愛着と誇りをもっております。

新巻鮭 さんまと並んで人気があるという

需要低迷で廃棄せざるを得ない魚箱を再利用しようと考え付いたのが「魚箱ティッシュケース」だった。サイズが一番小さい魚箱の塩イクラ箱は、別の魚をいれることもできず需要がないと最終的には廃棄せざるを得ないのだそう。

本来の魚箱としての需要は減ってきているのか、現状について聞いた。
 

さんまの不漁で魚箱に危機感

ーー実際問題として、魚箱の需要の現状を教えて

平成30年の魚箱売上は6700万円。そのうちさんま箱は約5200万円でした。翌年令和元年では、魚箱の売上は4800万円。さんま箱は約1800万円となりました。さんま箱のケースの数でいうと、平成30年が18万ケースだったのが、翌令和元年には6万ケースに。

売上の60%をさんまの木箱に依存しているため、さんまの不漁は会社存続にも直接影響を受けるので危機感を持っております。

花咲がに

ーー「魚箱ティシュケース」の売上や反響はどう?

魚箱の売上不振が続いていた為、魚箱ティッシュケースの試作を進めておりました。今年の根室のふるさと納税に出品を考えてましたが、申し込み締切に間に合わなかったので、市内の飲食店に試作品を置かせていただいたところ、北海道新聞根室支局の記者の目にとまり、後日新聞に掲載された途端に市内はもとより、全道各地から大変な反響と注文をいただきました。

想像を超えるほどの反響をいただき驚いております。これからも初心を忘れず、一層努力を続けてまいります。


ーーどんな人にどのように使ってほしい?

「根室らしさ」がわかる土産品としてお求めいただいてる方が非常に多いので、根室を訪れた観光客や、以前根室に住んでいた方に身近に置いて使用していただきたいです。また、ティッシュケース以外の使い方として、台所に置いて調味料入れとしたり、小さな鉢植えを入れて部屋に飾る方もいらっしゃいました。

用途はさまざま。上蓋を外して調味料入れにも

今年7月の発売以降、すでに2000個以上が売れているというティッシュケース。さらには作成中のヨシザワ木材のホームページを見て、現在は全国から電話注文が相次いでいるという人気ぶりだ。

逆境からうまれた魚箱ティッシュケースだが、上蓋を外せば収納ケースとしても役立つそうなので部屋のインテリアとしていかがだろうか。
 

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