匿名流動型犯罪グループいわゆる「トクリュウ」による高額窃盗事件で、“案件屋”と呼ばれる役割を担っていたとされる男が逮捕されました。
「トクリュウ」のウラで暗躍する“案件屋”。その正体とは。
【記者リポート】「現在午前8時半です。石山容疑者の身柄が警察へ送られます」
奈良県警が7日に逮捕した大阪市鶴見区の運送業・石山豪展容疑者(38)。8日に身柄を検察庁に送られました。
石山容疑者は去年11月、ほかの人物らと共謀して奈良市内の男性(51)の住宅に侵入し、腕時計などおよそ540万円相当を盗んだ疑いがもたれています。
匿名・流動型犯罪グループいわゆる「トクリュウ」の中で、石山容疑者は犯行を計画する“案件屋”だったとみられています。
栃木県上三川町で女性が殺害される強盗殺人事件など近年、数多くの卑劣な犯罪に関係しているとみられる「トクリュウ」。
“案件屋”とは一体、何者なのでしょうか。元兵庫県警の刑事部長で、警察庁でサイバー捜査課長も歴任した棚瀬誠氏が解説します。
■最近できた“案件屋” 「首謀者に近い存在」
棚瀬誠氏によると、“案件屋”という分類は最近できたカテゴリーだとし、「犯罪計画を担うこともある首謀者に使い存在」と指摘します。
【棚瀬氏】「情報を指示役に渡すと『こういうふうに犯行ができる』とこういう計画の“絵”を描いている。全体像を書いている人間だと思ってください」
“案件屋”は、どこに資産があるかなどの情報を仕入れたうえで、犯行の計画や加担するメンバー構成を決め、報酬の取り分も決めることもあるといいます。
■ブローカーのような仕事も “外注”で犯罪に加担
グループの首謀者が犯行全体を取り仕切るだけでなく、外注のような形で“案件屋”がビジネスとして計画を作ることもあるといいます。
【棚瀬氏】「(“案件屋”は)場合によってはリクルーターを紹介して、実行役を代わりに探してあげるとか、要はブローカーのような仕事をしてると思っていただければと思います。
もともとは組織内にこういう計画を立てられる人間がいたのかもしれませんけれども、今はこれを“外注”する。
『外注せざるをえない』とも受けとめられますし、一方で、外注がビジネスになっているというところがポイントで、この全体像を把握していくのが今後の警察の捜査の焦点になります」
■「トクリュウ」組織の摘発が進むなか“新たなビジネス”が生まれたか
今回、奈良県警に逮捕された石山容疑者は運送業の仕事もしていました。
【棚瀬氏】「生業を持ちながら、一方で犯罪に加担しているという例は過去にもありました。
“案件屋”なり“リクルーター”の仕事だけで食っているかというと、必ずしもそうではなく(生業を持っているケースは)多いと思っていただいていいと思います」
そして、警察が数々の「トクリュウ」組織を摘発していくなかで、グループに情報などを売っていた人物が“新たなビジネス”を求めて、“案件屋”として暗躍しているのではと指摘します。
【棚瀬氏】「もともとの“情報屋”や“リスト屋”を前提にすると、“老舗のトクリュウ”に売ってしまえばビジネスになっていたわけですけれども、リストを持っていても売れなければビジネスになりません。
プラスアルファの仕事で相手に買い取ってもらわないといけないので、プラスアルファの仕事がビジネスに今なりつつあるということだと思います。
新しいビジネスが一方生まれてしまったと考えるべきだと思います」
(関西テレビ「newsランナー」 2026年9月8日放送)
