夏のインターハイで優勝した高校生を紹介します。柔道女子の高校2年生、武田桃佳選手。けがの手術を乗り越えて2連覇を達成した16歳の「強さの秘密」に迫ります。
■畳の上でみせる「柔道選手」の顔
教室でクラスメイトと授業を受ける武田桃佳選手。普段は同級生たちとの学校生活を楽しむ高校2年生です。
同級生:
「恋バナとか(笑)」
ただ、ひとたび「畳」の上に立つと―。
豪快な投げ技を連発。
表情も動きも、柔道部の武田桃佳選手へと変わります。
■オール一本勝ちで「2連覇」
その実力は、女子の高校柔道界ではナンバーワンです。
8月、和歌山県で行われたインターハイの女子個人52kg級では、決勝を含めた5試合全てでオール「一本勝ち」。
高校1年の時に続く2連覇を達成しました。
佐久長聖高校 柔道部・武田桃佳選手:
「去年(インターハイで優勝して)まぐれだとずっと言われ続けてきたので、今年は絶対に勝って、みんなに本当だったねと思われたかったので、優勝できてめっちゃうれしかった」
■高校で優勝報告「成果を十分発揮」
夏休み明けのこの日、佐久長聖高校(長野県佐久市)で、 全国大会で優秀な成績を収めた生徒たちの報告会が行われました。
武田桃佳選手:
「インターハイでは自分が練習してきた成果を十分に発揮していい試合ができたので、良かったと思っている。これからも応援よろしくお願いします」
■「柔道は楽しい」2歳で始める
武田選手が柔道を始めたのは2歳の時でした。
武田桃佳選手:
「お父さんが柔道をしていて、お父さんの職場の先輩が柔道教室をやっていて、自分も始めてみようかと言って始めたのがきっかけ。最初は体づくりみたいな感じで、受け身の練習とか技をかける練習をしたりとかから始めて、柔道って楽しいなって思って、そこからずっと続けてきた」
柔道の楽しさにはまった武田選手は中学入学と同時に、広島から佐久長聖中学に進学。垣田恵佑監督のもとで、力を伸ばしてきました。
実は垣田監督は、東京五輪金メダリスト阿部詩選手の中高時代のコーチを務めたこともあります。
佐久長聖高校 柔道部女子・垣田恵佑監督:
「返し技を恐れずに攻撃ができるところと仕掛けが早いところの2つ。この2つが他と比べ秀でている」
■クラスのムードメーカー
学校では、しっかりと勉強にも励んでいます。
同級生に普段の武田選手の様子を聞いてみると―。
同級生:
「いつも明るくて、授業を盛り上げてくれる」
「柔道という一つの目標に向かってコツコツ頑張っているのが本当にすごくて、明るく頑張っているところが尊敬できる」
クラスでは、良いムードメーカーになっているようです。
■骨折に気づかず優勝、手術も
武田選手は、高校1年だった2025年もインターハイで優勝しています。
武田桃佳選手:
「自分の準々決勝の相手が世界チャンピオンの方で、その先輩のところまでいくことを目標として、インターハイの目標をもってやっていたので、その先輩と戦えたことにもうれしさがあるし、そのインターハイに優勝できたこともうれしくて本当に良かったなと思う」
ただ、このとき右手首の異変に気づかず大会に出場、さらに優勝していたのです。
武田桃佳選手:
「去年の4月ごろに手首を骨折してて、ずっと気づかずにやっていて。(折れたまま優勝した?)はい。」
けがは続き2025年11月の大会で左ひじを痛め、その後の診断で、左ひじのじん帯断裂が判明。2026年1月と2月に右手首と左ひじ、両方の手術を行いました。
医者からは復帰まで半年以上かかると言われましたが―。
武田桃佳選手:
「(去年の)インターハイをとれて、そこからけがとかで試合に出られなくなって、そこから勝てなくなったりしたら本当に嫌だなと思っていたので、インターハイがあると自分に思いこませて、トレーニングを頑張っていた」
■けがの逆境をプラスに変えて
2連覇を果たすため、リハビリや筋力トレーニングに懸命に取り組みました。
そして約4カ月でインターハイの県予選に間に合わせました。
武田桃佳選手:
「本当はインターハイは出ずに、次の大会に向けて復帰を目指そうと監督と話していたんですけど、自分がインターハイ2連覇したいという気持ちが強くて、監督に無理を言って出させてもらった」
けがのマイナスをプラスに変える―。
両手が使えないことで下半身強化を行い、自分を高めました。
そして8月、再び全国の舞台に立った武田選手は圧倒的な強さで2年連続の高校生の頂点に立ちました。
佐久長聖高校 柔道部女子・垣田恵佑監督:
「練習が早く終わった日は近くの道場に行って練習に行ったりだとか、ストイックに柔道に向き合えていて、さらに強くなることに期待している」
■シニアを見据えて新たな技
2度の「高校日本一」をつかんだ武田選手ですが、まだまだ覚えることはたくさんあります。
武田桃佳選手:
「新しい技を教えてもらっていた。韓国背負いという背負い投げで、今度からシニアの人と戦っていくので、今のままだとダメなところがいっぱいあるので、新しい技や、監督の言うことを取り入れながらやっていこうかなと」
■目指すはインターハイ3連覇
2027年のインターハイ3連覇。さらには年上の選手たちにも勝てる強さを求め、高校2年生の「柔の道」はこの先も続きます。
佐久長聖高校 柔道部・武田桃佳選手:
「みんなに『やっぱり強いね』と言われる選手になりたくて。高校生で出られる試合もあと1年なので、その試合は全部優勝して、シニアの大会でも去年の記録を超せるように頑張りたい」
