一見、チョウのように見えるこちらの黒いガ。海外など別の地域から入ってきた生き物を指す外来種「キオビエダシャク」で、民家の生け垣などに使われる木を枯らしてしまうそうだが、いま大分市で目撃が増えている。
一方で大分県内では数を減らすことに成功している外来種も。現場を取材した。
キオビエダシャク2025年に佐伯市で大量発生 2026年は大分市でも
8月31日大分市の大分城址公園を訪れると生垣の葉の一部が食べられ、枯れたようになっていた。
葉を食べたのはキオビエダシャクと呼ばれる外来種のガの幼虫。
成虫はオレンジ色の模様が特徴的でもともとは東南アジアなどに生息していたが2000年ごろに鹿児島などの九州本土で確認され徐々に北上。2025年は佐伯市で大量に発生しているのが確認された。
2026年は大分市でも多く目撃されるようになり「どうやって駆除したらよいのか」などと市への問い合わせが急増したそうだ。
大分市環境政策課の姫野望さんは「成虫幼虫ともに人体に対する害はない。ただ幼虫がマキ科の樹木の葉を食害するのでそこだけ気をつけてもらいたい。樹木に対しては所有者で駆除してもらうようになるので幼虫を見かけたら早めに駆除してもらえたら」と話している。

専門家は「温暖化の影響・秋以降も注意が必要」
キオビエダシャクはなぜ、県内でも見られるようになったのか。
南九州大学の新谷喜紀教授によると「南のほうにしかいなかったものがだんだんと北に進んでいる温暖化の影響と言えるかもしれない」ということだ。
キオビエダシャクは年に4~5回発生するとされ、秋以降も注意が必要で新谷教授は「また10月や11月にたくさんでてくるということは十分にある」と話している。
幼虫は市販されている農薬で駆除できる。対象害虫として「ケムシ類」といった表示のあるものを使うとよいという。

数年前から別府市に生息 特定外来生物に指定「クリハラリス」
一方で、県内では数を減らすことに成功している外来種も。
ーーNPOおおいた生物多様性保全センターの森田祐介さん
「これがクリハラリスを捕るためにしかけている罠。箱罠というタイプでかご状になっている罠でリスの体が十分入るように細長い形になっている」
東南アジアに生息していたクリハラリスは生態系への影響のほか、かんきつ類などに被害を与えるため「特定外来生物」に指定されている。
かつて、大分市佐賀関沖の高島で爆発的に増え問題となった。その後、駆除が進み高島では根絶に成功している。
しかし、数年前から別府市内の山にもいることが判明。県はNPO法人などと連携して捕獲を進め、根絶を目指している。
別府市内では2022年から2024年までにあわせて48匹のクリハラリスが捕獲された。
2025年、捕獲されたのは1匹のみで、生息数が減っていると見られる。

NPOおおいた生物多様性保全センターの森田さんは「よその地域では非常に数が増えて大きな問題になっている場所がある。外来生物というのはひとたび日本の生態系の中に定着してしまうと取り去るのはすごく難しい。今後新しい外来生物問題が起こらないように気をつけていくことが大事」と話している。
大分の自然や生態系を守るための取り組みが今後も必要だ。


