本格的に秋の観光シーズンが始まるのを前に、福島県が9月1日発表したのが、「ツキノワグマ出没注意報」。対象は県内全域で、最近は浜通りでの目撃も相次いでいる。この「浜通りのクマ」をめぐり、行政もいま新たな取り組みを進めている。
■浜通りにクマ出没相次ぐ
「浜通りのクマ」をめぐってはいわき市でも…。
いわき市環境企画課の布施清人係長は「奥山の方でエサが足りなくなったりだとかですね、そもそもクマの生息の密度だったり、行動範囲が広くなったりとか、そういったところが、色々な要因が重なって本市の方でもそういった出没が増えているのではないかなという風には考えております」と話す。
いわき市内では9月1日もクマのような動物の目撃が2件寄せられた。
また、今年6月、目撃が相次いだ四倉町では…当時、台風で臨時休校だった小学校で校庭に居たクマが通り抜けるところを職員が見たという。クマが目撃された周辺の小中学校は、休校を余儀なくされた。
■特殊勤務手当の条例改正案提出へ
9月2日までの熊の目撃件数は41件と2025年を11件上回り、箱ワナを設置するなど対応に追われるいわき市。3日開会の9月定例会に提出する議案が…「クマなどの対策のために緊急銃猟などの業務にあたった時に、給与として支給する『特殊勤務手当』を創設するための条例案を提出するところでございます」といわき市人事課の門馬徳美係長はいう。
目指しているのは、「特殊勤務手当」の支給。クマなどの有害鳥獣に対応した際に、危険の度合いによって手当が支給される。具体的には、クマなどを目の前にする「著しい危険が伴う作業」に一日あたり1640円。箱ワナの設置など「相当の危険が伴う作業」に一日あたり1100円となっている。
■他の自治体では既に支給
このような「特殊勤務手当」は、福島市や郡山市では支給が行われていた。いわき市人事課の門馬係長は「職員のモチベーションが上がり、結果として、市民の皆様の安全な生活が守られる一助になればと考えているところでございます」と話した。
いわき市の支給対象は今年度既に70件に上る見通しだ。
■クマの目撃は年々増加
「浜通り」以外でもクマの目撃件数、年々その数は増えている。今年度の4月~8月の目撃件数は791件と、ここ数年の同じ時期と比べて大きく増えているのが分かる。
クマとの人身事故も7件・10人となっていて、私たちもいつクマと遭遇してもおかしくない状況と言える。
■秋のクマの注意点
福島大学の望月准教授に「秋のクマの注意点」を聞いた。「今年はブナなどの山のエサが豊富なため、エサの枯渇による出没は例年より少ないかもしれない。一方で、アーバンベアは町の柿や栗の味を覚えているので山のエサ関係なく出てくる」ということだ。
秋はレジャーの季節。クマの出没情報を確認するなど身の安全を守る対策を行いましょう。
