立憲民主党・公明党との合流を断念した中道改革連合は、3党連携を続ける「新たな形態」の具体化を急いでいる。
「新たな形態」について、小川代表は8月31日に行った3党党首会談後の記者会見で「これまでと異なる体制であることは間違いない」「衆議院においては現在の49名を中心に統一会派を結成し、国会対応等で力を合わせていくという大方針を確認した」と明らかにした。

つまり、中道所属議員が組織上は分裂することを事実上認めた上で、今後の“形態”の具体像が目下の焦点となっている。
「分党」は手続きに時間を要する
政党の分割には、大きく分けて「分党」と「分派」の2通りある。
ある立憲出身の中道議員が、3党合流が成立しなかったこと自体は「相手のあることなので仕方ない」としつつ、「新たな形態」が「分党」なのか「分派」なのかについては「お金のこともあるし…」と語った通り、両者の大きな違いは国から支給される政党交付金の行方だ。
政党交付金は所属する議員数に応じて分配される「議員数割」と、直近の衆議院選挙と過去2回の参議院選挙で政党が獲得した比例票に応じて分配される「得票数割」の2つで構成される。
「分党」の場合、中道を解体し「立憲出身衆院議員(21人)」の党と、「公明出身衆院議員(28人)」を中心とした党の2つの新たな党が誕生することになるとみられる。

政党交付金は、「議員数割」分と「得票数割」分のどちらも、新党の所属議員数に応じてそれぞれに配分されるが、全国に点在する中道の総支部など関係する政治団体の解散と資金の精算が必要で、分党手続きの完了には45~90日程度が必要とみられる。
「分派」は交付金「議員数割」のみ配分
一方、「分派」の場合、中道は引き続き存続することになり、手続きには比較的時間を要さない。公明出身者をはじめ一部の議員が離脱し、立憲や公明に再入党することや新党結成もできるが、「分派」で立ち上がった新党や中道離脱者を受け入れる党には政党交付金のうち「議員数割」分しか配分されない。
政党交付金を受け取っていない共産党を除き、自らの主張を訴えたり選挙に候補者を立てたりするため国政政党にとって政党交付金は極めて重要だ。

政党の収入源には党員やサポーターが収める党費や個人・団体による寄付・献金などもあるが、今年度の政党交付金の額は自民党の約153億6300万円を筆頭に、立憲に約31億1900万円、中道に約23億3900万円、公明に約13億9800万円となる見通しで、各党とも収入の多くを占める。
中道は、立憲と公明の衆院議員が合流して1月に立ち上がった新政党ゆえ資金面でこれまでの「蓄え」はなく、中道結成前から存在し現在まで参院議員や地方議員も所属する立憲や公明とは懐事情が大きく異なる。

党職員の人件費や、次の衆院選での返り咲きを目指す落選者への支援も必要で、公明出身者側の政党交付金が多くなる「分党」に消極的な見方を示す立憲出身議員もいる。
この「お金」の問題で三方納得できる「新たな形態」を示せるのかが、まず中道の小川代表の手腕が試される課題だ。
「戻りたい…」立憲出身が一枚岩か不透明
加えて、「人」の問題もある。
小川代表は「中道改革勢力を日本社会の平和と安定のために拡張していくという大目標は変わらない」と述べるなど、中道に分党や分派があったとしても現在の中道衆院議員49人が一致団結して国会論戦に臨む姿勢を強調している。

一方で、「大勢とは言わないが、中道をやめて立憲に行くという動きも、今後出てくるかもしれない」との見方を示す議員もいて、中道の立憲出身議員21人が必ずしも強固な一枚岩となっているかは不透明だ。
2月の衆院選落選者からも「立憲に戻りたい」との本音が複数聞こえてくる。
「簡単ではないが速やかに」小川代表
「カネ」と「ヒト」という政治活動に必要不可欠なリソースをどう繋ぎ止めるのか。
秋の臨時国会を見据えて「新たな形態」の具体化について小川代表は「様々な状況整理は決して簡単ではないが可及的速やかに」との考えを示しているが、ある中道所属議員は呟いた。
「カオスな状態がしばらく続くんじゃないか」――。

