県は、日本酒を“ある所”で貯蔵して熟成させる実証実験を行っている。このほど、その日本酒が初めて提供され、まろやかな味わいに評価は上々だったよう。
29日、南陽市の東の麓酒造が行った創業130周年の感謝祭。
数量限定で初めて提供されたのが、純米大吟醸「雪女神」。
実は、“ダム”で貯蔵していたものだという。
(東の麓酒造・新藤栄一常務)
「社員全員できき酒をした。1つもネガティブな評価がなかった。『良くなった』『おいしい』という評価が圧倒的、全員から」
県村山総合支庁では、ダムのPR・県産酒の消費拡大を目的に県酒造組合と覚書を締結し、山形市の蔵王ダムで貯蔵する実証実験を行っている。
蔵王ダムは堤体の内部が空洞となっている全国でも13基しかない珍しい構造。
ダムでの日本酒の熟成は、1年を通じて温度が10度前後と一定であることに着目した県の若手職員が発案した。
(県酒造組合・佐藤一良会長<当時>)
「酒がどう変化するのか、酒蔵が実験する場にしたい。いろいろな酒が世界に出ている。必ず“古酒”というジャンルは入ってくる。これを県としてもいち早く勉強して取り組んでいきたい」
特別な空間で熟成された日本酒は、県の内外から訪れた来場者の注目を集めていた。
(飲んだ人)
「まろやかな感じがする。(Q.違う感じする?)する」
「飲みやすくて、フルーティーな優しいお酒」
「ある資源を無駄にしないというのはSDGsに通じる取り組み」
「ここにしかない、ここのもの・土地を使っていることが知られてくると価値が追加される。おいしく感じる」
この反応に、県の担当者も、大きな手ごたえを感じたよう。
(県村山総合支庁 山形統合ダム管理課・今田直孝課長補佐)
「ダムに貯蔵したというストーリー性を大切にしてもらい、ますます県産日本酒のブランド化を図っていきたい」
ダムのPRと県産日本酒に新たな価値を生み出すこの実証実験は、2027年も続く計画。
村山総合支庁では今後、酒造会社などとの本契約も視野に、さらなるダム活用の方法を探っていくとしている。
