横浜市の山中竹春市長はさきほど28日午後4時過ぎに、「私は横浜市長の職を辞するという重大な決断をいたしました」と記者会見で初めて自身の進退について明らかにした。
決断は27日にしたという。
また、会見の冒頭で、「私の言動によって、市民のみなさま、職員のみなさま、議会のみなさま、これまで市政を支えてくださった多くの市民のみなさまの信頼を損ない、市政に混乱を生じさせたことについて改めて深くお詫びいたします」と陳謝した。
市長という立場から発せられる言動の重さや自身の言動がどのように受け止められるかを想像する姿勢が十分ではなかったと振り返ったうえで、「認定された言動について、深く反省を続けて参ります」と述べた。
出直し選挙ついて問われると、「今後については全くの未定」と答えた一方、「まだ公約でやり残したことがある、一旦けじめをつけなければいけない。現時点でそれ以上のことが考えられていないの実際のところ」と説明した。
山中市長は28日午前、自身の後援会に出席し、自らの言動や行動が第三者による調査で「パワハラ」と認定された事などを受けて、支援者の前で「責任を取って身を引く」と話していた。
後援会の出席者が明らかにした。
山中市長を巡っては、第三者による調査で職員などに対する「ポンコツ」発言や、「銃撃ポーズ」などの行動がパワハラと認定されていた。
山中市長は8月の市議会総務委員会で謝罪した一方、「信頼回復に努めていく」などと続投に意欲を示していたが、市議会の主要3会派(自民・公明・立憲民主)が辞職を要求していた。
問題の発端は、横浜市の久保田淳人事部長が1月に実名で市長のパワハラを告発した事だった。
告発によると、外務省職員が視察に来るとして山中市長に事前報告した際に、「なんでそんな大切なことをもっと早く言わないんだよ」と怒鳴られ、パンと机をたたいて書類を投げられるなど、パワハラが疑われる言動や行動があったという。
また別の市役所の職員を評して「人間のクズ」「元気のいいおばさん」「スペックが低い」「頭が悪い」などと話したとしている。
そして、前副市長に対しては、「ダチョウ」と呼んだり、「あいつポンコツだから」とけなしたほか、市議会議員に対しても、「なんで来てんだよあのデブ」「二頭身かよ、気持ちわり。死ねよ。言っちゃった、心の声が」というような発言があったとしている。
市幹部による実名・顔出しの告発という異例の事態を受けて、山中市長は取材に応じ、「ダチョウ」や「デブ」など相手の容姿に関する発言については、「容姿や外見に関する誹謗中傷は行っていません。事実ではありません」と完全否定した。
また書類を投げつけて机を叩いたという指摘についても、「投げつけるというのは相手に向けてバンと投げたと受け取られかねないのですが、そういうことはありません。書類を見てぽんと置くことはあります」と否定した上で、「その場にいた人にとって叱責するようにみえたのなら、改めないといけないと思います」と話した。
市役所の職員を評して「人間のクズ」「元気のいいおばさん」「スペックが低い」「頭が悪い」などと発言したとの指摘については、発言自体は認めたが、あくまで人事部長との信頼関係のを元に、1対1のクローズドな場面で人事評価の話をしている中で出た発言と説明。
評価対象者本人に発言したものでは無いとしながらも、それを聞いた人事部長が辛い思いをしたとの指摘については「真摯に受け止めなければいけない」として、「本人を傷付ける発言をしてしまった事に対して、深く、申し訳ないと思っています」と謝罪した。
評価対象者についても、「申し訳ないと思っています。限定された場とはいえそういう言葉を使ったことについて深く反省しています。今後言動には一層注意をしていかなければいけないと思います」と反省の言葉を述べた。
また強い言葉を使った理由としては、「市民の安全に関わる情報を得ながらも何ら対応を取らない、市役所の範疇ではないとか、所管ではないので対応しませんとか、そういうことは市民目線ではない。アクションをおこすべき。そういった事に対応しなかったことについて評したものだったが、私の言葉が強すぎた」などと説明した。
この告発を受けた、第三者による調査報告書は、7つの事項について、山中市長のパワハラを認定した。
市の幹部に「TICAD(=アフリカ開発会議)を誘致できなければ切腹だ」とした発言は「聞いたものにとっては職を辞さなければならないなどと想像することは容易」「精神的苦痛を与えるものである」として複数の言動について事実を認め、パワハラと認定した。
また、「お前、裏切ったらこれだからな」と銃口を向けるようなポーズをとったことについては「圧迫行為であり業務の範囲を超えている」としたほか、「ポンコツ」「ダチョウ」「スペックが低い」「人間のクズ」などの発言は「人格を否定する発言および侮辱行為」と指摘した。
調査ではこのほか、市長室で職員を怒鳴ったり、書類を机上に投げつけた行為、深夜や休日を問わない業務連絡、市長室への事実上の「出入り禁止」措置や、人事権を背景にした職員への心理的圧迫などもパワハラと認定した。
報告書では個々の行為だけでなく、こうした発言が日常的かつ継続的に行われていた点を重視し、「職員の尊厳を深く傷つけ、職場環境を悪化させる、決して看過できない重大なパワハラ行為」と総合評価した。
一方で、「デブ」「二頭身」などの容姿を揶揄する発言や一部の出来事については直接的な証拠が不足しているとして真偽不明とした。
報告書はアンケートやヒアリング調査を行い、取りまとめられたもので、「市長自身が指摘に率直に向き合い不適切な言動を謙虚に認め、人権感覚を刷新すべき」としている。

