2026年度で閉校する長野市の鬼無里中学校で夏祭りが行われました。思い出が詰まった写真の展示なども行われ、昔を振り返りながら、生徒も住民も「楽しい夏の思い出」を心に刻みました。
■閉校まで7か月…にぎわう夏祭り
勇壮な太鼓の演奏。みんなで踊る「盆踊り」。
屋台も並び、にぎやかに―。
8月14日、長野市鬼無里で「夏祭り」が行われました。
帰省して参加:
「楽しかったです。屋台がいっぱいあって、おいしかった」
地元住民:
「いろいろ思い出しながら、大勢来てもらって本当にうれしい」
会場は「鬼無里中学校」。全校生徒は3年生の5人だけで、2027年3月に閉校します。
鬼無里中3年・吉岡澪臣さん:
「たくさんの人が僕たち鬼無里中学校を支えてくれていた。5人で協力して、今までの卒業生の思いも背負って頑張っていきたい」
■消える子どもの笑い声「寂しい」
1947年、当時の「鬼無里村」に開校した中学校。
ピーク時の1955年ごろには全校生徒が479人いましたが、市町村合併から約20年、過疎化が進み、2000人以上いた住民も半分以下に減少。
生徒数も減少し、中学校は2026年度末での閉校が決まりました。
鬼無里中閉校記念事業実行委・清水満さん:
「中学校がなくなるということは、この地域としてとても悲しいことだし、寂しいこと。中学校がなくなることで子供たちの笑い声とか、運動会がなくなるということは非常に寂しい話」
最後の1年、生徒たちは思い出に残る1年にしようと積極的に地域と関わり、卒業生や住民らでつくる実行委員会も、閉校記念事業として運動会をはじめさまざまなイベントを開き、盛り上げています。
■写真や生徒会誌「思い出刻んで」
卒業生(昭和58年度卒):
「そうそう、これだ」
夏祭りの前に、学校で行われたのは「思い出発掘会」。これまでの卒業アルバムや生徒会誌など、300点以上が公開されました。
卒業生(昭和58年度卒):
「時代を感じますよね。(どんな時代だった?)楽しかったですよね。担任の先生と仲良くしていたのが、すごく印象的ですね。(子供も)2人とも鬼無里中出身。学校で校歌を歌うとき一緒じゃないですか、だからよかった」
母親・卒業生(昭和58年度卒):
「これあんた?これですね」
息子・卒業生(平成19年度卒):
「これ修学旅行ですね。(どこに?)京都、奈良」
息子・卒業生(平成19年度卒):
「僕たちの代で十何人とかで1クラスしかないとかだったので、だんだん減っていくんだなと。ついに(閉校)かという。寂しいっちゃ寂しい、ただしょうがない」
「鬼無里中での思い出を、心に刻んでもらいたい」。そんな思いを込めて実行委員会が企画しました。
鬼無里中閉校記念事業実行委・清水満さん:
「昔の思い出を飾って、それを見ながら昔を思い出していただいて、この鬼無里中学校がなくなることを心に刻んだり、思い出として刻んだらいいのでは」
■父親の卒業アルバムに「似てる」
こちらの2人は同級生。今でも同級会では、当時打ち込んでいた部活動の話で盛り上がるそうです。
卒業生(昭和56年度卒):
「昔からバレー部があって、鬼無里は頑張ってみんなやっていたので、大会の時の話とか思い出して、応援団でやったよねとか。(自分たちの)何年か前の先輩たちは、北信越(大会に)に行った先輩もいて、記憶の中にはずっとあるよね、思い出とともに」
約30年前に中学を卒業した男性は「閉校前に家族に母校を見てほしい」と訪れました。
息子:
「ととどこ?あ、ととだ!似てる!」
父親:
「お、自分で思う?」
息子:
「僕と似ていた。(どんなところが?)顔が丸いところとか。お父さんの昔のことが知れてよかった」
父親・卒業生(平成9年度卒):
「ちょっと照れくさいような。(家族に母校の中学校を)見せたいって気持ちはありました。(閉校は)寂しい気持ちもありますけど、しょうがない部分もあると思うので」
■「何もかもなくなって」募る寂しさ
午後6時。あいにくの雨でしたが、校庭には大勢の住民たちが集まりました。
夏祭りの始まりは、地元有志による鬼無里地区伝統の「鬼女紅葉太鼓」です。
毎年恒例の夏祭りですが、気持ちの中には、「寂しさ」も。
地元住民:
「今年で閉校になっちゃうので寂しいですね。(中学校は)一番みんなが集まれるところ。何もかもなくなっていくばかりで、本当に寂しいってみんな言っています」
■感謝を込めた“閉校記念”花火
鬼無里中、最後の生徒、3年生の5人も夏祭りにやってきました。
鬼無里中3年・風間遥人さん:
「(今年の夏祭りは)すごく特別だし、こうやってにぎやかになってくれるのはうれしい」
5人には「大役」が待っています。
アナウンス:
「メモリアル花火2026、はじまりです!」
夏祭りのフィナーレを飾る「花火」。地元企業や住民有志などの花火が40発以上打ち上げられました。
そして「閉校記念」の花火の順番に。
鬼無里中3年・清水舜成さんのアナウンス:
「鬼無里中学校は、80年という役目を果たして幕を閉じます。『長い間ご苦労さまでした。ありがとうございました』の気持ちを花火に込めました」
3年生5人のアナウンス:
「お楽しみください!」
「鬼中!感謝!大スターマイン」が打ち上げられるー。
■「笑顔で終わりたい」
鬼無里中3年・清水舜成さん:
「思っていた以上にすごくたくさん花火が上がっていて、びっくり驚きました」
鬼無里中3年・原壮竜さん:
「閉校ってやっぱり悲しいし寂しいと思うんですけど、終わるときに泣きながら終わると悲しい感じで終わっちゃうから、みんなで笑顔で終わりたいというので、笑顔を大事にした花火でした」
鬼無里中3年・古畑友佳子さん:
「中学校に関わることが全部これで終わりだから、二度とない瞬間だと思ったのが複雑だったし、どうしても寂しい気持ちが強いので、私は。一番は感謝、地域の人の支えがあってできたことも多いので、感謝を一番大切にしたい」
感謝とともに、思い出を未来へ―。
生徒や卒業生、住民たちにとって、記憶に残る夏になったようです。
閉校まで残り7カ月―。
