高市早苗総理大臣は23日、自身のXを更新し、AIや量子技術などの戦略分野への支援強化を柱とする「改正産業技術力強化法」の意義について説明し、「技術で勝って、ビジネスでも勝つ『新技術立国』の実現を目指す」と強調した。
高市総理は投稿で「現在、基礎科学の成果が一気に社会実装され、新たなビジネスにつながる『科学とビジネスの近接化』とも言える新たな時代に入っている」と指摘。世界では有力企業が先端技術分野で巨額の投資競争を繰り広げ、大学も研究拠点として大きく成長しているとの認識を示した。
その上で、日本がこうした国際競争を勝ち抜くため、AIや量子技術などの戦略技術への支援を抜本的に強化する法律として、先の国会で成立した「改正産業技術力強化法」を紹介した。
高市総理は法改正の柱の一つとして、研究開発税制の大幅な強化を挙げた。AIや量子技術などの「戦略技術領域」の研究開発に取り組む企業について、試験研究費の最大50%を税額控除できる仕組みを創設したと説明。「前例のない高い控除」を受けられるようになるとして、2027年度から認定を開始する予定だと明らかにした。
さらに、新技術の社会実装を進める企業が既存の制度や規制の見直しを求める場合には、政府内の情報共有体制を強化し、迅速な規制改革の検討につなげる考えも示した。
高市総理は「優れた科学技術力は、高市内閣が進める『強い経済』の基盤だ」と強調。改正産業技術力強化法に加え、「日本成長戦略」に基づき、産業競争力強化につながる新たな大学群の形成や、成長段階に応じたスタートアップ向け資金供給策の検討も進める方針を示した。
その上で、「日本の科学技術力を担う企業や研究者の挑戦を後押しする」として、研究開発から事業化までを一体的に支援することで、日本経済の成長力向上と国際競争力の強化を目指す考えを打ち出した。
AIや量子コンピューター、先端半導体などの分野では、米国や中国を中心に官民一体となった大型投資が進んでいる。日本政府も経済安全保障や産業競争力の観点から、次世代技術の研究開発支援やスタートアップ育成を成長戦略の重要政策に位置付けており、高市総理は、技術開発から社会実装までを後押しする政府の取り組みを改めて紹介し、国民の支持を得たい考えだ。
一方、これに続くXへの投稿で高市総理は、先の国会で成立した「産業競争力強化法等の改正法」にも言及。大規模な国内投資を後押しする新たな税制や地方の産業基盤整備策を通じて、「強い経済」の実現を目指す考えを重ねて強調した。
高市総理は「世界では『国が一歩前に』出て、官民が手を取り合って重要な社会課題の解決を目指す『新たな産業政策』が大きな潮流となっている」と指摘した。また、日本の地方には魅力ある地域資源や産業面での高い潜在力がある一方で、「まだまだ十分に花開いていない」との認識を示した。
その上で、改正法の柱として、まず「大胆な投資促進税制」の創設を挙げた。全業種を対象に、大規模かつ高付加価値な国内投資を促進するもので、一定の条件を満たした企業については、機械設備や建物など生産に必要な設備投資を対象に、即時償却や7%の税額控除などの優遇措置が適用されるという。
高市総理は「先月31日から税制の申請受付を開始した」と紹介し、「大胆な国内投資に挑戦する日本企業の積極的な活用を期待している」と呼びかけた。
また、「地方から強い経済を実現する」として、産業用地の確保を進める支援策も説明。官民連携による産業用地整備を進める際の土地譲渡に関する課税特例の創設や、生活環境への配慮を前提とした工場緑地規制の緩和を通じて、企業立地を促進する考えを示した。
さらに、地域住民の生活を支える小売業や物流事業者、公共交通事業者などの「エッセンシャルサービス」を担う事業者に対して、資金供給の円滑化を支援する方針も打ち出した。
高市総理は「『日本成長戦略』と『地域未来戦略』のもと、『行き過ぎた緊縮志向』と『未来への投資不足』の流れを断ち切る」と強調。「官民投資を徹底的にてこ入れし、『強い経済』の実現を進めていく」と訴えた。
高市総理は、国内投資の促進と地方活性化を一体的に進めることで、地域経済の成長と産業競争力の強化を図る政権の姿勢をアピールした形だ。
