コロナ禍により興行や運営面で苦境に立たされているプロレスや格闘技の団体を支援する〝超党派格闘技(プロレス・総合格闘技等)振興議員連盟〟の設立総会が19日、東京・永田町の衆議院第一議員会館で行われた。

濃すぎるメンツ!超党派による国会議員オールスターズ

設立総会には重厚な面々が出席した。
会長に就任したのは元プロレスラーで日本レスリング協会の副会長も務める馳浩元文科相(59)。
「健全な興行、選手の安全を守るため応援団になりたい」と決意表明。

馳会長とともに呼びかけ人として出席したのが格闘技にゆかりの深い濃い面々。

立憲民主党の野田佳彦元首相(63)は柔道2段の腕前で政界きってのプロレス通。

太田昭宏元国土交通相(75)は京大相撲部出身で各界との交流も深くスポーツ庁設置に尽力した重鎮として知られる。

また須藤元気参議院議員(42)はパンクラスやK-1のリングでプロ格闘家として活躍。
事務局長として総会の司会進行も務めた。

呼びかけに賛同した国会議員約30人が参加。

中には元SPEED今井絵理子参議院議員(37)の姿も。
歌手時代から女子プロレスの大ファンで、じつは長男礼夢(らいむ)くんが来月16歳でプロレスデビューの予定だという。
「地域に根付いている団体や小さな団体にも周知の徹底を行って欲しい」と訴えた。

修斗のカリスマ・佐藤ルミナの不安と葛藤

現在国内にプロレスや格闘技等の団体は数多く存在しているが、横のつながりはなく結束して1つの方向に向かうことは少ない。

そんな中設立された格闘技振興議連。
多くの団体代表者が出席した。

コロナ禍で苦しい経営状態なのは各団体同じだ。

その中一際目立つ存在だったのが〝修斗のカリスマ〟佐藤ルミナ氏(46)だった。
「藁をもすがる思いでここに来ました」

修斗は1989年に初代タイガーマスクの佐山聡が開設。
総合格闘技の礎を築いた格闘技団体だ。

佐藤ルミナは躍動感あふれるアグレッシブなファイトスタイルで連続一本勝ちを収める実力もさることながら、数々のファッション誌にモデルとして登場するなど、おしゃれな格闘家の元祖として格闘技のマイナスイメージを払拭。
〝修斗のカリスマ〟として絶大な人気を誇った。
現在は日本修斗協会の理事長としてアマチュア部門を統括している。

「格闘技は超濃厚接触のスポーツ競技、どこまで感染対策すればいいのか頭を悩ます問題」
修斗は例年30から40大会を開催していたが今年は前半の2大会程度でストップ。
感染対策を徹底し無観客で厳戒態勢を敷きようやく今月から大会が再開される。

「格闘技振興議連には非常に期待感を持っている。これをきっかけにもっと広がっていけば。ただ運営側としては早く公的なアドバイスや指針が欲しい」と苦しい胸の内を明かした。

格闘技の炎は絶対に消さない!2020年大晦日も「RIZIN」開催

新型コロナウイルスに翻弄された2020年。

しかし今年も大晦日に一大イベントを開催する格闘技団体がある。

それが「RIZIN」だ。

榊原信行代表(57)は「宿泊業、飲食業も大変だが我々イベント事業も本当に大変なんです」
政府の大規模イベント自粛要請により予定していた3大会が中止となり危機的状況に陥ったが、クラウドファンディングで開催資金を募るなどファンの支援でなんとか大会を継続してきた。

「いまこそ業界全体が連携してリスタートしなくてはいけない。この厳しい状況だからこそ元気・勇気をわかりやすく伝えられるのが大晦日のRIZINの舞台。那須川天心、堀口恭司、朝倉兄弟ら待ちに待った選手たちの試合をテレビを通じ見て欲しい」

「RIZIN」の大晦日大会は6年連続。フジテレビ系列での放送も決定した。

格闘技振興議連は業界の要望を政府につなぐ役割を担う。
先行きが見えず苦しむ格闘技界の救世主となれるか。
今後の動向に注目だ。

(フジテレビ・報道スポーツ部 髙橋大)

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