2004年の発足以降、「The Baseball Entertainment Company」のスローガンを基にスタジアムの観戦体験に力を入れてきた楽天野球団。今年1月には、サービス名にちなんで球場の愛称を「楽天モバイル『最強』パーク」に変更したことでも話題となった。

その影響は、観戦体験にも及んでいる。

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森井誠之社長:
2026年度は『最強』という言葉を軸に、どんなことでも『最強』で振り切ってくれと話しています。

社長の言葉をきっかけに始まった「最強化」計画。楽天はこの夏、ある「最強」の観戦体験に取り組んでいた。

実際の企画会議に潜入すると…。

「この夏のテーマは、宇宙を意味するギャラクシーに決まりました」

「から揚げとポップコーンを“宇宙サイズ”で売ります(笑)」

“言葉遊び”でグルメにギャラクシー要素が盛り込まれたほか、楽天の選手の誕生日の星座がプリントされたユニホームなど200点を超えるギャラクシーなグッズが誕生。球場の装飾もギャラクシー一色だ。

球場内に「ミニプラネタリウム」施設も登場(写真右上)/ⓒRakuten Eagles
球場内に「ミニプラネタリウム」施設も登場(写真右上)/ⓒRakuten Eagles

野球とは関係のない“奇抜路線”にこだわるワケ

楽天はなぜ、プロ野球とは関係のない“奇抜路線”にこだわるのか?担当者の皆さんに話を聞いた。

左から)川村氏、松原氏、佐野氏
左から)川村氏、松原氏、佐野氏

マーケティング本部 本部長・松原健太郎氏:
弊社は、新しいことをやろうという気概のある社員が多い気がします。去年と同じことをやっていたらお客さんから飽きられてしまうので。この夏はギャラクシーと謳いましたが、ここは地上なので(笑)、どうあがいてもギャラクシーではない。ギャラクシーを感じてもらうにはどうしたらいいか、まあまあプレッシャーでした。

マーケティング本部 チケット部 部長・佐野周平氏:
社内でプレゼン大会があって。複数のグループが(今年の夏に向けて)宇宙とかギャラクシーとかそういう方向性のテーマをプレゼンしてきてくれて。

チケット部 動員企画グループ・川村朋子氏:
ギャラクシーの定義決めがすごく難しかったです。宇宙=星でいいのか?とか、光の演出といっても実際は真っ暗なのでは?とか。宇宙センターやプラネタリウムにも視察に行きました。

「レッドカーペット1枚」でも一苦労

そんな“イケイケドンドン”に見える楽天だが、最も気を配っているのが、観客の安全確保だ。リスクヘッジのための調整はなかなかシビアだそうで…。

松原氏:
興行なので、第一は安全安心。絶対に事故を起こしてはいけない。新しいことをやろうすると必ず、そことぶつかっちゃうんですよね。過去の事例を挙げると、レッドカーペットを1枚敷くだけでも、そんな簡単にいいね!とはならなかった。雨が降って滑って怪我したらどうするの?とか。“安全”と“楽しい”は相反するんです。この調整で非常に骨が折れる。

佐野氏:
松原さんはいろんな調整を鬼のようにこなす。僕が諦めかけたりしても、隣を見ているとまだまだだと思いますね。

川村氏:
この仕事で何回泣いたか。“楽しい”だけで企画は成立できず大変でした。

MLBから着想を得て、川村氏が手がけた「レッドカーペット企画」。選手たちが球場へ向かう際、ファンの子どもたちと交流/ⓒRakuten Eagles
MLBから着想を得て、川村氏が手がけた「レッドカーペット企画」。選手たちが球場へ向かう際、ファンの子どもたちと交流/ⓒRakuten Eagles

すべてはお客さんのために。攻めと守りの繊細なバランスが「最強」の観戦体験を生み出していた。

「チームが勝ったときにスタジアムが満員になっているように」

それでもやはり、球団職員の皆さんが願うのは楽天の優勝だ。楽天は2013年に初の日本一に輝いて以降、優勝から10年以上も遠ざかっており、今シーズンも苦しい状況が続いている。

優勝当時、佐野氏は外国人選手の通訳を担当。ベンチから見た優勝の瞬間は忘れられないといい、優勝への思いは今も変わらない。

佐野氏:
僕らは事業側として、スタジアムを満員にするのが使命。チームが勝ったときにスタジアムがちゃんと満員になっていて、お客様が騒いで応援をしてくれるときのために準備をするのが仕事だと思っています。

そして来月9月からは、2027年夏に向けた施策のアイデア出しがさっそくスタート。10ヵ月をかけてさらなる「最強」の観戦体験の創出に挑む。

松原氏:
ゴールはないですよ。エンターテインメントの業界ってずっとアップグレードしていきますし、お客さんの期待をどんどん超えていきたいです。試合が始まったら、もちろん試合が楽しかったね、でも、試合ではない時間も楽しくて、一日良かったねと思っていただくためにアイデアを出し続けます。

楽天の飽くなき挑戦は、どこまでも広がっていきそうだ。

フジテレビ
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