死者25万人を超えたアメリカ

世界で最も新型コロナウイルスの感染者が多いアメリカで、死者が25万人を超えました。カリフォルニア州でも多い日は1日1万人を超える感染者が出るなど状況は悪化していて、検査体制をさらに強化するため、新たに空港の中にも検査場が設置されました。また、ニューヨークに続きロサンゼルスでもレストランなどは夜10時に閉まることになり、今後さらに悪化すれば、屋外での営業も禁止されることになりました。それでも改善しなければ、再び自宅待機命令が出される恐れもあり、感謝祭などの連休シーズンを前に、当局は「新たなレベルの危機に入った」と警告しています。(ロサンゼルス支局長 益野)

教訓をいかして

2回目の厳しい外出制限となっているイギリスでは、1回目の外出制限時の教訓を生かした取組みが広がっています。前回は店舗の棚からトイレットペーパーやパスタなどの保存食が一気に消えましたが、今回は安定供給が続いています。外出制限が導入される1カ月以上前から前回のデータを元に需要を予測し、1人あたりの購入数を制限するなど仕入れ数を確保したからです。スーパーの前にできた長い行列も、今回は大手スーパーで入場日時をオンライン予約できるシステムを導入したため、みられなくなりました。ロックダウン生活のストレスを少しでも減らそうと、様々な取り組みが行われています。(ロンドン支局 小堀)

「アマゾンなしでクリスマスを」

パリ市長に続き、フランスの商店主たちがアマゾン排除宣言。「アマゾンなしでクリスマスを」と、プレゼントを地元の店で買うよう呼び掛けています。フランスでは外出規制によって生活必需品を扱う店以外は営業できなくなり、小売業の業界団体によると、売り上げは8割近くも減ったということです。そこで商店主たちのグループは市民にアマゾンの利用を控えるよう訴える署名活動を始めていて、パリ市長らが賛同しています。また一部の経営者は経営危機に陥っているとして11月末からの営業再開を求めましたが、フランス政府は、外出規制が終了する予定の12月1日までは閉鎖を続ける方針です。(パリ支局 藤田)

「アマゾンなしでクリスマスを」
「アマゾンなしでクリスマスを」
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防疫レベル引き上げも

日本と同様新型コロナウイルスの感染が拡大している韓国では1日の感染者が300人を超え、19日から防疫レベルが引き上げられました。今回の措置でこうしたカフェやレストランの利用人数に制限がかけられた他、プロスポーツの観客数が50%から30%に制限されました。ちょうど佳境を迎えていたプロ野球韓国一を決める韓国シリーズは予約が全てキャンセルとなり、ファンからは、「チケットを返して」などといった悲鳴が上がりました。韓国の専門家は「さらなる防疫レベル引き上げも検討すべき」と指摘しています。(ソウル支局長 渡邊)

アヒルの浮き輪で対抗

ここは反政府グループのデモが行われた警察本部の前です。ペンキがかけられた壁や落書きされた歩道は、別の色で塗りつぶされていますが、その痕跡ははっきりと残っています。

壁にペンキをかけるデモ隊
壁にペンキをかけるデモ隊

タイでは王室改革を可能にする憲法改正案の否決などを受け、反政府グループと対立する王室支持派の活動が激しさを増しています。警察が放水車や催涙弾を使用したのに対し、デモ隊がアヒルの浮き輪で対抗する一幕も。

アヒルの浮き輪で対抗するデモ隊
アヒルの浮き輪で対抗するデモ隊

プラユット首相は暴力的な衝突に発展するおそれがあるとして「あらゆる法律を適用する必要がある」と声明を発表。取り締りを強化する方針ですが、混乱の収拾は依然、見通せない状況となっています。(バンコク支局 武田)

混乱の収拾は依然見通せない
混乱の収拾は依然見通せない

お見舞いに羊3万頭

中国では人気の羊の肉料理ですが、ここ湖北省ではモンゴルから来た3万頭の羊の行方に注目が集まっています。この羊は、2月に訪中したモンゴルのバトトルガ大統領が当時新型コロナウイルスに苦しんでいた中国へのお見舞いとして寄贈を約束していたものです。3万頭全てが、当初感染の震源地となった湖北省に送られ、このほど引き渡しが完了しました。中国メディアはこの輸送過程を詳しく報道するなど、高い注目を集めています。SNSには「モンゴルありがとう」とか「羊はかわいいけど美味しそう」などのコメントが投稿されていて、市民の胃袋を満たすことになりそうです。(北京支局長 高橋)

トラックで運ばれる羊
トラックで運ばれる羊

スイーツ談義で意気投合

アメリカの新リーダー・バイデン氏は「たばこ、お酒は嗜まない。でもアイスをたくさん食べる」という大の甘党。こちらの有名店のアイスを食べるのが日課で、孫娘のインスタグラムでは、ジル夫人に見つからないよう、キッチンで隠れて食べる“アイス・マニア”ぶりを披露しています。また、「家族思い」でも知られ政権移行で多忙を極める中でも、別荘でジル夫人とサイクリングを楽しむ様子を公開。祝日の家族行事は欠かさずに参加し、スタッフにも家族と過ごす時間を大切にするよう呼びかけていると言います。パンケーキ好きな日本の菅総理とはスイーツ談義で意気投合できるかも知れません。(ワシントン支局カメラマン 石橋)

スペースXvsブルーオリジン

「3,2,1,リフトオフ」
野口さんが日本人として初めて搭乗したクルードラゴンがたった今打ち上がりました。
民間初の本格運用となるこの宇宙船は、スペースXが開発したものです。宇宙船は再利用が可能で、大幅なコスト削減を実現。2号機は、2021年春に打ち上げられる予定となっています。一方、アマゾンの創業者、ジェフ・ベゾス氏が設立したのが、宇宙開発企業・ブルーオリジンです。スペースXのライバルとされ、フロリダのケネディ宇宙センター近くに大きな施設が建てられています。ブルーオリジンは、火星への有人計画に名乗りを上げていて、今後も民間による宇宙開発から目が離せなくなりそうです。(ニューヨーク支局長 上野)

トルコとアメリカの関係改善は・・・

トルコを訪問したアメリカのポンペオ国務長官ですが、その行き先は意外にも、こちらの教会でした。トランプ大統領が敗北を認めない中、ヨーロッパと中東を訪問しているポンペオ長官。トルコでは政府要人と全く会わず、代わりにギリシャ正教会のトップと「宗教の自由」について会談しました。トルコ訪問前に訪れたフランスでも、「トルコの最近の行動は非常に攻撃的だ」と批判し、改めてトルコをけん制しています。一方、アメリカ大統領選で勝利を確実にしたバイデン氏は、過去にエルドアン大統領を「独裁者」呼ばわりしたと報じられていて、政権が変わっても両国に関係改善の道筋は見えていません。(イスタンブール支局長 清水)

イギリスと中国の“いいね”エピソード

SNS上にアップされた女性の救出動画が話題になり、英雄と賞賛された男性。その正体に世界が注目しました。中国・重慶市で川に転落した中国人女性を助けたのは、重慶にあるイギリス総領事館のスティーブン・エリソン総領事。現在61歳、中国語が堪能で、北京のトライアスロン大会で年齢別グループの1位を獲得したこともある強者です。中国メディアは女性がSNSで感謝を伝えたことや、地元の村人がエリソン氏に着替えや暖かいコーヒーを提供したエピソードを紹介。普段は香港問題などでイギリスと対立する中国も、外務省の会見で「“いいね”をあげたい」と、この時ばかりは手放しで賞賛していました。(上海支局長 森)

【取材:FNN海外特派員取材班】

(世界の感染者数:ジョンズホプキンズ大学調べ)

国際取材部
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