77人が犠牲となった広島土砂災害を受け被災地では、全国的にもモデルケースになる防災の取り組みが進んでいます。
被災地はどう変化したのか。
災害に強いまちづくりを進める被災地を専門家と歩きました。
12年前の広島土砂災害で甚大な被害を受けた広島市安佐南区と安佐北区。
災害を受け、国は40基に及ぶ砂防ダムを建設。
事業費はおよそ230億円に上ります。
【広島大学 防災・減災研究センター 海堀正博名誉教授】
「たくさんの砂防ダムが整備をされて、まさに砂防ダムは発生した土石流をここで停止させることができるという想定で設計している。土石流の破壊力そのものは砂防ダムで抑えらられるとかなり危険度は減少した。安全度は高まったといういい方ができます」
さらに、当時、道が狭く、救助活動などに時間がかかったことなどを踏まえ、都市計画道路「長束八木線」の整備も進められています。
現在6割が完成し、残り1.3km部分は、2028年度の完成を目指し工事を進めています。
【広島大学 防災・減災研究センター 海堀正博名誉教授】
「横方向にかなり立派な道が整備されたので、いざというときはこの道を広域避難路として使うことができる。あるいは何か起きたあとの救助・救援とかそういう形にも使える。もしものときの対応もしやすくなっている」
災害に強いまちづくりが進められることに住民は。
【住民】
「安心。災害の後ダムができて、心配は無くなったような気がする」
復興を遂げ、日常を取り戻した安佐南区八木地区。
一方で災害後に移り住む人も増えてきています。
【住民】
「若い女性と子供3人とか2人とかが目立つようになった」
付近には、売却中の土地や新しく建てられた戸建ても目立ちます。
新たにこの地域に移り住む人には心構えが必要だと話します。
【広島大学防災・減災研究センター 海堀正博名誉教授】
「土砂災害特別警戒区域というレッドゾーンは砂防堰堤が作られたことによってイエローゾーン(土砂災害警戒区域)だけになっている。イエローゾーンになっても、もともと水が集まりやすいところだから、大雨の時に注意をするということを伝えていってほしい」
2021年8月の大雨。
広島市安佐南区緑井8丁目では、整備された砂防ダムが土砂をせき止め、人的被害は出ませんでした。
一方で・・・
【広島大学防災・減災研究センター 海堀正博名誉教授】
「ダムがあるから土石流は止められるが泥水の流れが被害をだした記録・事例」
床下浸水などの住宅被害が発生。
【広島大学防災・減災研究センター海堀正博名誉教授】
「土石流対策のダムであるから相当安全性は高まっているが、泥水の流れによる被害が起きる可能性はゼロじゃない。もう一つは上流でつい10年ほど前に土石流が起きたんだから、もうここには簡単にはおきないはずだなということは無かった」
毎年、全国で発生する豪雨災害。
今月13日には千葉県で発生し、13人が犠牲となりました。
【広島大学防災・減災研究センター 海堀正博名誉教授】
「雨が降り始めたらとどまることなく同じところで降る極端気象、極端現象が起きている。千葉の場合そういう雨が降ったことがない。過去の確率計算しても信じられない雨の量が短時間でもたらされている。はっきり言ってどこでなるか予想もつかない」
その上で県内には、崩れやすい性質の風化した花崗岩や、まさ土で覆われた場所が非常に多いことを忘れてはならないと警鐘を鳴らします。
【広島大学防災・減災研究センター 海堀正博名誉教授】
「(広島県は)土砂災害の危険性は日本で一番多い。他人ごとの心理ではなくて、やっぱりそれを自分ごととかできるようにもし自分のところで降ったらどうなるんだろうという防災を自分だけじゃなくてみんなと協力して進めてもらえたら」
