「全国の人に負けないくらい、印象に残る花を生けられたら」——そんな言葉を胸に、高校生たちが花と向き合った。
夏の甲子園で球児たちが熱戦を繰り広げる季節、花を使った別の「甲子園」が鹿児島市で開かれた。8月19日、生け花を学ぶ高校生が日本一を競うコンクール「Ikenobo花の甲子園」の鹿児島予選が行われ、県内5つの高校が参加した。
制限時間30分、13種類の花で「私」を表現する
2026年のテーマは「私の花」。出場した高校生たちは、会場に用意されたヒマワリや菊など13種類の花に、各自が持ち込んだ花1種類を加え、30分以内に自由に表現した。

生け花の技術だけでなく、表現力やアイデアも審査の対象となるこの大会。完成した作品には、高校生らしい若さと情熱が色濃く滲み出ていた。
作品を解説する高校生の言葉も印象的だった。「ピンク、青色、赤色、黄色と、感情の喜怒哀楽をイメージして生けました」と語る生徒がいれば、「主役を明るく情熱的な赤のグロリオサを使うことで、わたしを表現しています」と自らの内面を花に重ねた生徒もいた。テーマに真剣に向き合った跡が、一つひとつの作品から伝わってくる。

大会を経験した意義、それぞれの言葉
審査を終えた後、参加した高校生たちはそれぞれに大会を振り返った。鹿児島南高校の生徒は「皆さんの前で生け花を披露する機会がなかったので、大会を経験できてよかった」と話し、武岡台高校の生徒は「時間内にベストを尽くせた」と充実した様子を見せた。

競技としての生け花という場は、日頃の練習とは異なる緊張感と達成感をもたらすものだろう。地域の高校生が一堂に集い、花を通じて表現を競い合う光景は、鹿児島のコミュニティにとっても豊かな文化的行事となっている。
鹿児島女子高校が優勝、全国大会へ
予選を制したのは鹿児島女子高校だった。同校は11月に京都で開かれる全国大会への出場権を獲得した。優勝した同校の生徒は「出場する3人だけでなく、部員全員で協力して、全国の人に負けないくらい、印象に残る花を生けられたら」と全国への意気込みを語った。
「Ikenobo花の甲子園」は、華道の家元である池坊が2009年から毎年開いている大会だ。歴史を積み重ねるこの大会に、鹿児島女子高校が鹿児島の代表として挑む。京都の舞台で、どのような花が咲くか注目される。
【動画で見る▶「花の甲子園」に挑む高校生 生け花の技術やアイデア競う【鹿児島】】

