生成AIの能力向上が続く中、安全性を巡る議論も活発化している。米AI企業アンソロピックは先月30日、生成AI「クロード」が暴走し、3つの外部システムに不正侵入していたと発表し、安全性検証の結果が話題となるなど、AIがどこまで自律的な判断を行うべきかを問う声が強まっている。
こうした中、松本尚デジタル大臣は、フジテレビの「ニュース延長戦はじめます。」で、AI開発を巡る国際社会の“ジレンマ”について語った。
松本大臣は、AIについて「おそらく勝手にものを考えて、勝手に誰の承認も得ずに、AIが何かを決めてしまうことが十分あり得るところに来ていると思う」と指摘。
その上で、「そろそろ一回立ち止まって、いろいろなルールを決めて、そこからまたリスタートしませんか?ということを、本当は世界中がやらなければならない」と述べ、「日本もヨーロッパもアメリカも、おそらく一回立ち止まりたいと思っている」と語った。
しかし、実際には各国とも激しい開発競争を続けており、一国だけで簡単には降りられないという。
松本大臣は「隣の国がそれに乗ってこない可能性もある」と述べ、中国を念頭に開発を競う各国のジレンマを説明。さらに「日米欧が立ち止まっている間に中国が一気に進んでしまう可能性がある。それを各国が怖がっているから立ち止まろうにも立ち止まれない状態に来ているのではないか」と指摘した。
その上で、「(この問題は)深刻で、我々はどうするか。『立ち止まろう』と言った方がいいのか。それとも、『そうするとこっちが損するか』という問題になってきている」と述べ、「首脳レベルで話をしてもらわないと、なかなか進まない」と語り、AIルールを巡る議論は国家間の競争や安全保障の問題になっているとの認識を示した。

『ハッキング』へのモチベーションがすごく高い
一方で、AI時代のサイバー防衛強化の必要性にも言及した。
松本大臣は「我々はやはりきちんと守らなければいけない」とした上で、「人材が一番足りない」と指摘。民間で活躍する“ホワイトハッカー”について政府として人材活用を検討していることを明らかにした。
その上で、松本大臣は「彼らは本当に『ハッキング』に対してのモチベーションがすごく高いが、国が何のためにやってほしいかと、彼らが何のためにやるかが、きちんと合わないといけない」と指摘。政府側の目的と専門人材が能力を発揮する動機をどう結び付けるかが課題になるとの認識を示した。

「寝てない」なんてそんなわけない!
一方、高市首相が自身の睡眠時間について「0から3時間が常態化」と語ったことで、健康面を懸念する声も出ていることに関連し、医師でもある松本氏は「総理は寝てないとよく言うが、そんなわけはないですから。毎日3時間しか寝てないような捉え方をする必要は全然ない」と説明。
また、松本大臣は、今年3月の衆議院予算委員会で高市総理が質疑終了後に体調不良でしばらく席から立ちあがれなくなった際に、真っ先に駆け寄って高市総理の脈の状態などを確認した経験についても触れ、「医者目線で言えば、そんなに深刻なものではない」と指摘。「不整脈とか、そういう心配をするデータとかはない」と述べ、高市首相の健康状態についての過度な懸念を否定した。

