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プレスリリース配信元:大正製薬株式会社


夏になると、なんとなくお腹の調子が悪い、便が出にくいと感じる人は少なくないのではないでしょうか?
大腸内視鏡検査や便秘などの大腸疾患の診療を専門とする、松生クリニック院長で医学博士の松生恒夫先生によると、夏は食欲減退や脱水などが重なり、便秘をしやすい季節だといいます。

大正製薬株式会社が2026年7月に全国の20代以上の男女1,000人を対象に「夏の便秘と生活習慣」に関する調査を実施したところ、夏(6~9月)になると、他の季節と比べて便秘がちになると感じる人が、全体の約20%いました。(「とても感じる」7%、「やや感じる」13%の合計)これに「一年を通して便秘がちで、季節による違いはわからない」13 %を加えると33%に。夏場に便秘の悩みを抱える人がおよそ3人に1人いることがわかります。

さらに、夏の便通の変化についてきいたところ、「便が硬くなる、コロコロした便が出る」という人が162人、次いで「排便後もすっきりしない、便が残っている感じがする」145人、「お腹が張る、膨満感がある」118人、「排便時に強くいきむことが増える」100人と続きました。硬い便と、それに伴う残便感・膨満感という、腸内に便がとどまることで生じる症状が上位を占めました。







同じ調査において夏(6~9月)の生活習慣について、便秘の原因になりえる生活習慣についてあてはまるものをきいたところ、最多が「暑い日は、体を動かす時間が減る」という回答で276人、次に「暑い日は食事の量が減る」「のどが渇いてから水分を摂ることが多い」がともに216人、「麺類やパンなど、単品で食事を済ませることが多い」184人が続きました。一方で「あてはまるものはない」と答えた人は284人にとどまり、7割以上が何らかの便秘の原因になりえる習慣に心当たりがあるようです。




松生恒夫先生は、夏特有の腸の状態を「夏便秘」「腸の砂漠化」と名付け説明します。
松生先生に、夏便秘が悪化しやすい理由と日常で取り入れたい対策を伺いました。

【監修】松生クリニック院長 医学博士 松生恒夫先生



1955年、東京生まれ。1980年、東京慈恵会医科大学卒業。同大学第三病院内科助手、松島病院大腸肛門病センター診療部長などを経て、2003年に東京都立川市で松生クリニックを開業。腸疾患治療の第一人者として、これまでに多くの大腸内視鏡検査を行ってきた。便秘外来では、地中海式食生活や食物繊維を重視した食事・生活習慣の指導、漢方療法などを取り入れた診療を行う。メディアでの解説も多く、夏の腸の不調や「腸の砂漠化」についても発信している。著書に『暑さによる腸の砂漠化にご用心』『腸にいい習慣ベスト100』『暑さに負けない腸のリハビリ』など多数。

あなたは大丈夫? 夏の「腸の砂漠化」セルフチェック

夏は、食事量や水分摂取、活動量などが知らず知らずのうちに変化し、便通にも影響を及ぼすことがあります。普段の夏の過ごし方と、最近の便やお腹の状態を思い浮かべながら、あてはまる項目にチェックを入れてください。



該当する項目が多いほど、夏の便通に関わる習慣や状態が、知らないうちに重なっている可能性があります。実はこれらはバラバラの問題ではなく、夏便秘を招く一つの流れとしてつながっています。なぜ夏に腸の調子が乱れるのか。その仕組みと対策を見ていきましょう。

「腸の砂漠化」とは? 便の材料と水分が不足し、腸内に便が停滞しやすくなった状態
「腸の砂漠化」は、私が大腸の状態をわかりやすく伝えるために名づけた言葉です。本来、大腸の中は水分を含んだ泥状の食物残渣(消化されなかった不要物)が多くを占めており、腸の動きで少しずつ先へ送られながら、ほどよい硬さの便になっていきます。ところが、水分・食事量・食物繊維のいずれかが不足すると、便のもとになる残渣そのものが減り、残渣中の水分も保てなくなります。すると残渣は本来の泥状を保てず、水分が不足したぶん早い段階で硬くなり、腸内にとどまりやすくなってしまいます。この、大腸が乾いて干からびたように残渣が停滞した状態が、「腸の砂漠化」です。こうした状態が進むと、便が硬くなる、排便回数が減る、強くいきむ、排便後もすっきりしないといった便秘の症状につながりやすくなります。

便に回る水分は、飲んだ量のごく一部
多くの方が、「水をたくさん飲めば、その分だけ大腸に水が届き、便がやわらかくなる」と考えていますが、実際には、飲んだ水がそのまま便に回ってくれるわけではありません。
1日に腸管へ入ってくる水分は、飲み物や食事から摂る約2リットルと、唾液・胃液・胆汁・膵液などの消化液約7リットル、合わせて約9リットルにのぼります。このうち約98%は小腸と大腸で吸収されて体に戻り、便として体外に出るのは、わずか約2%(量にしておよそ0.1~0.2リットル)に過ぎません。だからこそ、水分を「飲むだけ」ではなく、食事をしっかりとって便の材料を確保し、食物繊維によって便のかさと水分を保つことが重要になります。

夏に「腸の砂漠化」が起こるわけ
健やかな便通は、「1.便の材料(食事量・食物繊維)」「2.腸に届く水分」「3.便を先へ送る腸の動き(蠕動運動)」の3つがそろって叶います。夏は、この3つが同時に不足・低下しやすいため、腸が砂漠化しやすくなります。

1. 便の材料が足りなくなる
暑さで食欲が落ち、食事を抜いたり、麺類だけで済ませたりすると、食事から摂る水分と食物繊維が減り、便の材料そのものが不足します。特に、水分を抱え込んで便を軟らかく保つ働きがある水溶性食物繊維が減ると、便はますます硬くなります。なかでも朝食欠食は、食物繊維を摂りそびれる「材料不足」と、睡眠中に失った水分を補えないまま一日を始める「脱水」が同時に重なるリスクのある習慣といえます。

2. 腸に届く水分が減る
気温が上がると発汗が増え、体から多くの水分が失われます。水分補給が発汗に追いつかない場合、汗として出ていく分だけ、便に回せる水分も削られ、便が硬くなりやすくなります。さらに、「のどが渇くまで飲まない」「トイレが近くなることを気にして飲水を控える」といった行動が重なると、水分不足が進みやすくなります。

3. 便を先へ送る腸の動き(蠕動運動)が鈍くなる
蠕動運動とは、腸が便を先へ送り出していく動きのことです。この動きが鈍ると、便が腸内にとどまり、水分を吸収され続けて硬くなっていきます。夏にこの動きを鈍らせる大きな要因が、屋外と冷房の効いた室内との温度差です。冷えた室内に入るとお腹が冷え、腸へ向かう血流が減ります。あわせて、自律神経のうち交感神経が緊張するため、腸管の運動が低下しやすくなります。屋外と室内を一日に何度も行き来する夏は、この温度差そのものが腸の負担になるのです。

腸の砂漠化、放置するのは危険
夏便秘は、熱中症へ向かう体の変化の“前ぶれ”
夏便秘と熱中症は、別々の問題に見えて、「夏の脱水」という共通点があります。便に回る水分が減るということは、体全体が脱水に傾いているということです。近年は、梅雨が短く急に夏本番を迎える年が増え、体が暑さに慣れる「暑熱順化」が追いつかないまま猛暑に突入しがちです。体が暑さに適応できていない時期は、発汗による体温調節が遅れ、体はより脱水に傾きやすくなり、熱中症にも、腸の不調にもつながりやすくなります。熱中症は、軽い段階ではのどの渇き、強い疲労感、めまいや立ちくらみとしてあらわれ、進行すると頭痛・吐き気、さらには意識の障害にまで至ることがあります。便秘に加えて、頭痛や強い倦怠感、めまいが出てきた場合は、便通だけの問題と決めつけず、熱中症の初期症状が重なっている可能性を疑いましょう。

便が硬くなり、腹部の張りや残便感が起こりやすくなる
腸の砂漠化が進むと、腸の動きそのものが低下・停滞します。私はこれを「停滞腸」と呼んでいますが、こうなるとお腹にガスがたまり、腹部の張り、下腹のぽっこり、残便感といった不快な症状が出やすくなります。腸は「第二の脳(セカンドブレイン)」とも呼ばれる器官で、その働きが鈍ることは、気分や全身のコンディションにも影響します。お腹にたまったガスが胃を押し上げ、胃の不快感や胸やけにつながることもあります。さらに、腸内の老廃物がうまく排出されず、肌荒れなどの形であらわれることもあります。腸内に老廃物やガスがとどまる状態が長く続くこと自体が望ましくなく、放置すると、大腸の壁に小さなくぼみができる大腸憩室など、別の不調につながる可能性もあります。次のような場合は、医療機関への相談も考えましょう。

医療機関への相談を考えるサイン:血便・黒い便がある、強い腹痛や嘔吐が続く、急に便通が変化した、体重減少や発熱を伴う、セルフケアを続けても便秘が改善しない

夏の腸を守る3つの対策
腸の砂漠化を防ぐには、「便の材料」を食事で確保する、「腸に届く水分」を確保する、そして鈍った「腸の動き」を取り戻すことが重要です。

1. 便の材料を食事で確保…朝食は抜かず、食欲がない日はゼリータイプ飲料も活用
朝食を摂ること自体が、夏便秘の対策、さらには熱中症対策としても有効です。
理想は、ごはんやパンなどの糖質でエネルギーを確保したうえで、その糖質を体の中でエネルギーに変えるのを助けるビタミンB1・B2・B6を、卵、納豆、カツオ、豚肉などから摂ることです。あわせて、みそ汁やスープで水分と塩分を、梅干しやレモン、キウイなどの果物でクエン酸を補えると、汗をかく季節の朝食として理想的です。特に、キウイ、海藻、オクラ、大麦などに含まれる水溶性食物繊維は、水分を保持し、便を適度なやわらかさに保つのに役立ちます。

とはいえ、「朝は時間がない」「暑くて食欲がない」という方も少なくありません。そのような場合は、水分と糖質に加え、ビタミンB群やクエン酸、塩分などを配合したゼリータイプ飲料を活用するのも一つの手です。夏は汗とともにナトリウム(塩分)も失われるため、暑い環境で活動する場合は、適度な塩分を含む、熱中症対策になるものを選びましょう。
最近では、凍らせてもおいしく食べられる製品も登場しています。凍らせることで、食欲のない朝でも口にしやすいうえ、体を内側から冷やす暑さ対策を兼ねることもできます。

2. 水分は“こまめに補う”だけでは不十分!その理由は・・・
単に「のどが渇いたら飲む」のではなく、のどが渇く前からこまめに摂ることが重要です。特に気温が高い日や屋外で長時間過ごす日は、活動前、活動中、活動後に分け、いつも以上に意識して補いましょう。ただし、暑い場所にいると深部体温(体の中心部の温度)まで上がってしまい、体が体温を下げようと汗をかき続けて水分がどんどん失われてしまいます。

そこで重要になるのが、体を内側から冷やして深部体温の上昇を防ぐこと。これは腸に届く水分を守ると同時に、熱中症の予防にも直結します。これに有効なのが、アイススラリーの活用です。アイススラリーとは、微細な氷と液体が混ざったシャーベット状の飲料です。液体を含むため水分補給の一助となると同時に、体内で氷が溶ける際に熱を奪い、深部体温の上昇を抑える働きが期待できます。暑熱環境に入る前に摂る「プレクーリング」や、活動中の休憩時などに活用することで、「水分補給」と「体内の水分を失いすぎない」対策を一度に行うことができます。

3. 腸の動きを活性化…毎日の生活習慣に「腸を動かす飲み物」をプラス
食事を摂ると胃が刺激され、その反応によって大腸が動きやすくなります。特に朝食後は排便しやすい時間帯のため、食後に慌てずトイレへ行ける時間を確保しましょう。軽いウォーキングなどで体を動かすこと、便意を我慢しないこと、起床・就寝や食事の時刻を大きく乱さないことも大切です。また、オリーブオイルやMCTオイルをサラダやスープ、コーヒーなどに少量加えることも、腸のすべりを助けます。

飲み物では、ペパーミント(ハッカ)を取り入れる方法もあります。ペパーミントに含まれるメントールには、お腹に溜まったガスを外へ出しやすくする働きがあります。私は、ペパーミントにレモンやオリゴ糖、ショウガなどを加えて水で割った「ペパーミント・ティー」をすすめています。ペパーミント・ティーは停滞した腸の動きを助け、便・水分・ガスを先へ送り出します。冷たい飲み物でお腹が痛くなる方や冷房で体が冷えている方は、常温や温かい状態で飲むとよいでしょう。

ペパーミントを使った飲み物をアイススラリー状にすると一挙両得です。腸の動きを助けながら、深部体温対策も兼ねられる、夏ならではの一杯です。ここでは、食物繊維を多く含むキウイと組み合わせた自家製レシピを紹介します。



【キウイとミントの手作りアイススラリー】(2~3杯分)
<材料>
・グリーンキウイ 2個(正味140g)
・ペパーミント 適量(お好みで)
・水 350ml...(A)
・オリゴ糖 大さじ2...(A)
・塩 ひとつまみ(0.5g)...(A)
・レモン汁 大さじ2...(A)

<作り方>
1. ポリ袋に皮をむいたキウイを入れ、手で潰す。
2. ボウルでAを混ぜる。Aのうち200mlを取り分け、つぶしたキウイと混ぜて「キウイ液」を作る。残りのAは冷蔵庫で冷やしておく。
3. キウイ液を製氷皿に流し入れ、冷凍庫で凍らせる。
4. 凍らせたキウイ液を製氷皿から取り出し、ミキサーでシャーベット状にする。
5. 冷やしておいた残りのAを加えて混ぜ、グラスに注ぐ。お好みでペパーミントの葉を添える。

<ポイント>
・ミキサーは氷対応のものを使用してください。ない場合は、かき氷器を使うか、冷凍用保存袋に入れて平らにして冷凍し、半冷凍の段階で揉みほぐして再度冷凍し、固まったらまた揉みほぐす方法でも作れます。
・水筒等で持ち運ぶ場合は、錆び等を避けるため、スポーツドリンク対応のステンレスボトルを使用してください。
・日本スポーツ協会のガイドブックでは、熱中症予防の飲料として「食塩(0.1~0.2%)と糖質を含んだもの」が効果的とされています。本レシピの糖質濃度は8%程度に調整していますが甘さを強くしたい場合はお好みでご調整ください。
・摂取量は急に多く摂るのではなくまずは100~200g程度から試し、腹痛・冷え・下痢がなければ増やすとよいでしょう。
・糖尿病など糖質制限をされている方は、かかりつけの医師等にご相談ください。

【レシピ監修】管理栄養士、菓子・料理研究家 Shie先生


大手食品メーカーに16年間勤務し、商品・レシピ開発やおいしさの数値化などに従事。これまでに手掛けたレシピは1,500品以上にのぼる。ル・コルドン・ブルーで料理・菓子のグラン・ディプロムを取得し、ワインエキスパートや離乳食アドバイザーなど多数の資格を保有。
2021年に独立後は、レシピ・商品開発、コンサルティング、執筆、セミナー講師、料理・菓子教室の主宰など幅広く活動している。著書に『VS式外食選択術』『オートミール健康レシピ』がある。



夏の腸を守る鍵は「3つの不足」への対策
夏便秘が起こりやすくなる背景には、「便の材料」「腸に届く水分」「腸の動き」が、暑さによって同時に不足・低下する「腸の砂漠化」があります。この3つの不足を招くのが、汗によって体の水分が失われていく「夏の脱水」です。便に回す水分が足りなくなっているとき、体全体もまた、水分不足に傾いています。つまり夏便秘は、体が発する脱水のサインでもあるのです。脱水がさらに進んだ先にあるのが、熱中症です。だからこそ、夏に便秘がちな人は、「たかが便秘」と油断せず、熱中症のリスクも高まっているかもしれないと考え、早めに手を打つことが大切です。

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