富山市の住宅街で、特殊詐欺の「受け子」が白昼に強盗に襲われるという異例の事件が起きた。現金200万円を奪った中国籍の男3人が強盗の疑いで送検され、捜査が進む中、現場を目撃した住民の証言が事件の異様さを物語っている。「不思議なのはその男性がここを通るということをどうして分かったのか」

事件現場の富山市芝園町(16日)
事件現場の富山市芝園町(16日)
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白昼の住宅街で起きた「異例」の強盗

事件が発生したのは8月16日、お盆休み最終日の午後1時20分ごろ。富山市芝園町2丁目の路上、富山駅にほど近い住宅街を歩いていた50代の男が、3人組の男たちに体を押さえつけられ、顔を殴るなどの暴行を受けた。そして、持っていたカバンの中から現金200万円が入った封筒を奪われた。

強盗の疑いで18日に送検されたのは、東京在住で職業不詳のジャン・チュンユイ容疑者(21)ら中国籍の男3人。警察によると、3人はあらかじめ用意したレンタカーで現場から逃走。富山県警が隣県の警察に協力を要請し、長野県松本市での逮捕に至った。

「目の前で起きたからびっくり」 住民が語る現場の光景

事件の一部始終を目撃した現場近くの住民は、強い衝撃をあらわにした。

「(事件が)起きたのは真昼間で町の片隅でお金を狙うような犯罪が起きるなんてびっくりした」

住民がとりわけ不思議に感じたのは、3人組の不自然な立ち位置だった。

「最初あっちに2人止まっていたし、こっち側から1人来ていたし、待ち伏せしていた。この通りに来るっていうことはどうして分かったのか、それは不思議だった。本当、目の前で起きたからびっくり。ただただびっくり」

この証言が示すように、3人は襲った男が現れる前からすでに現場で配置についていた。偶然の犯行ではなく、待ち伏せだったとみられる。

さらに、別の気になる証言もある。住民が助けようとした際、襲われた男は「警察に言え」と言われると「本部が、本部が」と口にしたという。また、男が背負っていたリュックサックのファスナーが開いた状態になっており、住民は「あんなバッグを半分開けて大丈夫かしら」と思ったと振り返った。

「受け子」が強盗に狙われた——複雑に絡み合う2つの事件

事件は、実は2つの犯罪が絡み合っていた。

強盗に襲われた50代の男——後に兵庫県神戸市の無職、村田光一容疑者(58)と判明——は、実は特殊詐欺事件の「受け子」だった。警察は当初、強盗事件の被害者として事情を聞いていたが、高額の現金に加え金の地金1本も所持していたことから疑念を持ち、経緯を確認する中で受け子であることが判明した。

村田容疑者は16日、富山県内で70代の女性から現金200万円と金の地金1本をだまし取り、それを運んでいる途中に中国籍の3人に現金200万円を奪われたとみられている。村田容疑者も詐欺の疑いで、同じ18日に送検された。

「受け子」を知っていた? トクリュウ関与の可能性

富山県警は中国籍の3人が「受け子」の犯行を事前に把握していたとみている。警察は、この一連の事件について匿名・流動型犯罪グループ「トクリュウ」との関連を視野に捜査を進めていて、3人が持っていたスマートフォンの履歴の解析など、慎重に関係性を調べている。

ただし、村田容疑者と中国籍の3人が同じ組織に属するのか、それとも異なるグループが互いの動きを把握しながら別々に動いていたのかは、現時点では明らかになっていない。3人の認否についても警察は明らかにしていない。

逮捕を受け、現場周辺の住民からは安堵の声が上がる一方、犯行の手口の巧妙さや組織的な背景への驚きの声も聞かれた。

富山駅に近い住宅街で、白昼に、待ち伏せによって実行された犯行の可能性。しかも、その標的は別の犯罪に関与していたとみられる人物だった。

警察は今後、中国籍の3人がいかにして受け子の情報を入手したか、そして特殊詐欺グループとの関係性の全容解明に向けて捜査を続ける方針だ。

(富山テレビ放送)

富山テレビ
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