2024年元日発生した能登半島地震から2年7カ月余り。国の登録有形文化財となっている石川県七尾市・一本杉通りにある老舗醤油店の修復が終わり、8月12日に元の店舗での営業を再開した。同店は2026年がちょうど創業100周年。節目の年に復興のスタートを切った。
2年7カ月ぶりの営業再開・鳥居醬油店
七尾市の一本杉通りにある鳥居醤油店は、今年で創業からちょうど100年を迎えた。
歴史ある店舗は、国の文化財に登録されていたが、能登半島地震によって土蔵造の建物は、倒壊こそ免れたものの柱は傾き、土壁は剥がれるなど大きな被害を受けた。
北前船ゆかりの七尾・一本杉通りの歴史と産業
一本杉通りは600年もの歴史を誇り、特に江戸時代後期から明治時代にかけて活躍した北前船の寄港地としての重要な拠点となった。七尾では全国各地に“輸出”する産業が栄えた。醤油もさることながら、仏壇や呉服、漆器などがそうだ。
珍しいところでは「和ろうそく」。四国・九州方面から北前船で仕入れたハゼの実をロウの原料に、色鮮やかな和ろうそくに仕上げてゆく伝統工芸だ。
高澤ろうそく店が、今なお石川県唯一の和ろうそく店として存在しているが…
国の登録有形文化財に指定されており、風情ある伝統的建造物であった同店は震災で全壊。現在は仮店舗での営業を続けながら再建を目指している。
修復が終わり営業再開に漕ぎつけた鳥居醬油店
こうした中、鳥居醤油店は修復工事が終わり、8月12日に約2年7カ月ぶりに元あった場所での営業を再開した。石川県内にある国の登録有形文化財で、大規模な修繕を経た建物の復活は、鳥居醤油店が初めてだ。
鳥居醤油店女将 鳥居正子さん:
直したところ? 全部ですよ。新しく壁を作って~
鳥居さんは、仮店舗で営業を続けながら、建物の再建を決意。2025年のお盆過ぎから修復工事を始め、地震対策のために新たな柱や壁も設けた。
鳥居さん:
ありがとう、がんばった。言葉以上に。
来店客:
昨日も来たんですけど、まだ開店前だったので、今日朝一番に来ようと思ってきました。被災したときはかなり傷んでいたというか、元に戻って良かったです。
来店客:
実家があるので年に何回かこちらに来てて、出汁つゆがおいしいので買いにきました。すごく綺麗なお店だなと思ってたので。全然何も知らずに来ちゃったんですけど。
鳥居さん:
こうやってお祝いに駆け付けてくださったら、ああ、オープンできたんだと。それを素直に受け止めてがんばっていこうという気持ちになりました。ありがたいです。みんなが認めてるんだな再建を。そう実感しました。

能登半島地震で甚大な被害を受けた一本杉通り商店街も、現在は8割の店舗が何らかの形で営業を再開。地震後に新たにオープンした飲食店もあり、少しずつ賑わいが戻ってきている。
(石川テレビ・8月12日放送)
