お盆休みを迎え、多くの人でにぎわう富士山。
その一方で死亡事故が相次いでいます。

亡くなったのはいずれも男性の登山者でした。

登山シーズンを迎えた富士山で今、何が起きているのか取材しました。

12日正午過ぎの富士山頂は、辺り一面真っ白な霧に包まれています。

ところがこの30分後、景色は一変し、日本で一番空に近い場所が晴れ渡りました。

台風が接近していた11日は、四方から風が吹き抜け、頂上の鳥居が見えなくなるほど。
快晴であれば眼下に広がる富士山麓も全く見えません。

12日の天気は、富士山5合目から見える山頂が白くかすんで見ることができません。

毎年お盆になると富士山は、まさに登山ラッシュ。

2025年は、3日間で約1万4000人がお盆登山に挑戦しました。

あいにくの天気となった12日も、富士山5合目は多くの登山客で大にぎわいです。

登山客からは「山頂に登るまでは絶対に帰らないと決めている」「休みがここしかないし、ちょうど登れるのもこの時期(お盆)しかない」との声が聞かれました。

活況の一方でこの数日、遭難も相次いでいます。

10日は、31歳の男性が転倒し、静岡県警の山岳遭難救助隊に救助されました。

さらに同じ日、61歳の女性と22歳の男性も相次いで転倒。

そして11日も、63歳の男性が体調不良を訴え救助される事態に。

さらに富士山では、7月の山開き以降、すでに3人の男性が登山中に死亡しています。

実は、富士山での死亡者にはある共通点が。

2023年から2025年までに亡くなった登山者は24人。
その全員が男性だったのです。
2026年に亡くなった3人もあわせると27人全員が男性です。

登山者の男女比を調べたデータは見つかりませんでしたが、12日の登山者を見ると、どちらかというと男性の登山者が多い印象でしたが、極端な偏りは見られませんでした。

富士山以外の事例も見てみます。

長野県警の調べによりますと、2025年1年間、北アルプスで発生した死亡事故は21件。
そのうち2人が女性でした。

ではなぜ、富士山では男性ばかりなのでしょうか。

富士山8合目の救護所で、12日も登山者の治療にあたる山岳医の大城医師に聞きました。

山岳医療救助機構・大城和恵代表:
私が診断するのは毎年(記録を)つけているが、男性が6~7割、女性が3~4割くらいですね。女性の場合は動脈硬化の進行が、男性よりも10年から15年くらい遅れて進むと言われている。心臓死においては、動脈硬化の進行に性差があるというのが一つの背景にあるのでは。

それに加えて、富士山ならではの理由もあると指摘します。

山岳医療救助機構・大城和恵代表:
富士山は登って下りてくる距離がかなり長い、山の標高差が大きい、酸素も少ない、足も疲れる、脳も判断力が落ちてくる。結果的に低体温症につながってしまうとも考えられる。

また、注意点として「富士山は標高が高く、心臓に負荷がかかることを理解した上でゆっくり登ってほしい」としています。