神奈川県海老名市の川にかかる橋に設置されていた2体のかっぱの銅像がなくなっていることが分かり、市は盗難の疑いで警察に被害届を提出しました。
背景にあるとみられているのが“銅の価格高騰”。
各地でも銅の盗難が相次ぐ中、海老名市では「切実なメッセージ」も届いています。
関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」では、現場の今の状況も中継報告も交えて、被害の実態を伝えました。
■欄干に括りつけられた“手紙”「お願い。探して。この里に帰りたい」
海老名市の川にかかる伊勢島村橋(いせしもむらばし)の欄干にくくりある「手紙」。
【手紙より】「皆さん、お元気ですか。私、河童です。
先日、誘拐されました。
歩けない。 声も出ません。 天の声だけです。
お巡りさん、お願い。 探して。 この里に帰りたい」
手紙の送り主とされているのが橋のシンボルだった、2体のかっぱ像。
川を挟む形で橋の欄干の両端に設置されていましたが、海老名市によると、先月25日の朝、2体ともなくなっていて、市は警察に被害届を出したということです。
■地域に愛されてきたかっぱの兄妹
34年前に設置された2体のかっぱ像。
地域住民からは「寂しいですよ、家族がいなくなったみたいな感じがする」「このかっぱが(橋の)象徴だから、そのままの形で返してほしいですね」と戻ることを願う声が。
いつからか、地元の有志が特製の季節に合わせた衣装を着せるようになるほど愛されていました。
近隣住民は「かわいいんですよ、このぐらいのちっちゃなかっぱさんで(衣装を)見るのが楽しみだったから(犯人を)早く捕まえてほしい」、「(衣装を替える)その人が知ったらショックで寝込んじゃってんじゃないかと思うくらい」と話します。
■銅目的の窃盗か 市は被害届提出 手紙では「早く助けに来て」
「かっぱ兄妹からの手紙」が見つかったのは、行方不明にあった数日後のことでした。
【手紙より】「ここに立っていた時は、春 夏 秋 冬、いろいろな洋服を着せて頂き、帽子も素敵でした。思いだすと、ここが一番幸せで楽しかった。
この里に帰りたい。そして皆さんと笑って過ごしたい。
早く助けに来て…」
警察によると、2体の被害額は、時価10万円で、窃盗事件として捜査しているということです。
■「切断したようには見えない、抜いたのか」 足元の土台部分は残る
「かっぱの兄妹」が盗まれた現場の状況を坂元龍斗アナウンサーが中継で報告。
坂元アナウンサーは河童の銅像が設置されていた土台について「手口詳しくはわからないんですが、見てみますと、切断したような跡ではなくて、足元の土台部分は残ってますんで、抜いたのかな、というような形に見えます」と説明。
衣装を作って着せていたのは近所に住むお年寄りの女性で、取材した近隣住民はみんな河童の銅像について知っていて、写真を持っている人も多くいたということです。
また市に再設置の方針はあるかどうか聞くと「皆さんに愛された銅像がどこにあるかわからないし、それが見つかってからまた考えます」と答えたということです。
■高騰する銅 価格は9年間で3倍以上に 各地で窃盗事件相次ぐ
地域に愛された銅像の窃盗。
その背景にあるとみられているのが「銅価格の高騰」です。
1トン当たりの取引額は2017年は約71万円だったものが、2026年には3倍以上の約230万円に。
そんななか、銅の窃盗被害は相次いでいます
今年1月には富山・氷見市で神社の屋根の銅板約2000枚、3月~4月にかけて静岡県の公営団地から水道メーター89個、4月には兵庫・姫路市で水道メーター126個、5月には愛知・松山市で太陽光発電施設から銅線ケーブル220m超が盗まれています。
■橋下氏 買取での身分確認義務化からの“摘発”期待するも“裏取引”の恐れも指摘
銅の価格高騰の要因として関西テレビの江口デスクが世界的な需要の高まりを解説しました。
【江口デスク】「(大量の電力を使う)AIデータセンターの建設が相次いでいることで世界的に需要が高まったこと。
それからもうひとつは電気自動車でガソリン車よりも電気を使う分、銅線が必要になってくるといことで世界的需要が高まって価格が上がっている」
また元大阪市長で弁護士の橋下徹氏は、今年6月の法改正で買い取り業者は銅製品を売りに来た個人の身分確認することが義務化されたことについて触れ、「(買い取りの段階で)引っかかって、犯人が摘発されることを期待してますけど、裏で取引をしているかもしれない。いままで日本はそういう部分を放置してきた」と対策の甘さと難しさを指摘しました。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年8月12日放送)
