7月28日に発生した熊本地震の影響で、九州新幹線の新水俣―熊本間の運転見合わせが続いている。お盆休みが始まった8月11日、例年なら帰省客でにぎわうJR鹿児島中央駅は人影もまばらとなり、一方の鹿児島空港では日本航空の臨時便を利用した帰省客が家族と笑顔で再会する光景が広がった。同じ鹿児島でも、駅と空港では対照的な風景が生まれている。

新幹線改札前は人がまばら

11日朝のJR鹿児島中央駅は、新幹線改札前を行き交う人がまばらな様子だった。

2024年の帰省ラッシュ時の映像と見比べると、その違いは歴然としている。例年この時期は鹿児島への帰省客やそれを出迎える家族、さらに観光客で混雑するが、2026年はそんな光景が見られない。

2024年の帰省ラッシュ時のJR鹿児島中央駅 新幹線改札前  
2024年の帰省ラッシュ時のJR鹿児島中央駅 新幹線改札前  
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2026年 JR鹿児島中央駅 新幹線改札前 
2026年 JR鹿児島中央駅 新幹線改札前 

新幹線の代わりに在来線を使ったという人、行き先を変更した人、旅行自体を取りやめた人など、利用者の声はさまざまだ。

「福岡まで行く予定だったが、新幹線が止まったから枕崎まで行く」と話す人がいれば、徳島から来た人は「岡山から小倉まで新幹線で来て、小倉からは車で迎えに来てもらった」と迂回の苦労を語った。「乗り換えがなく1本で来ていたから、どう迂回するかを考えるのが大変だった」という声も聞かれた。

中でも胸に刺さったのは、小学6年生の一言だ。「広島と長崎に行く予定だった。旅行に行けなくなって悲しかった、楽しみにしていた」。地震の影響は、子どもたちの夏の思い出にまで及んでいる。

九州新幹線は8月7日に鹿児島中央―新水俣間で運転を再開したものの、新水俣―熊本間は現在も運転見合わせが続く。JR九州によると、この区間の運転再開の時期については8月中に示す方針だという。

空港では笑顔の再会、臨時便が新たな帰省ルートに

霧島市の鹿児島空港では、11日午前の到着ロビーで飛行機が到着するたびに帰省した人とそれを出迎える人が笑顔で再会を喜ぶ、いつもの光景が展開されていた。

千葉から帰省した人は「おばあちゃんに会いに帰ってきた。桜島が噴火していて『帰って来た』と思った」と目を細め、東京から帰省した人は「母が野菜をいっぱい育てていて、花もきれいで、そういう庭をゆっくり眺めるのもいいもの」と穏やかな表情で語った。

しかしこの空港にも、地震の影響による変化が現れている。熊本地震の影響で九州新幹線や高速道路が一本につながらない中、福岡から空路、鹿児島入りする人も少なくない。

日本航空は、九州内の移動手段を確保するため鹿児島と福岡を結ぶ臨時便を現在1日4往復運航している。この臨時便には、当初新幹線で帰る予定だった人も乗り込んでいた。

東京からの帰省客はこう語った。「もともと新幹線を取っていたが地震の影響で運行がなくなり、急きょ航空券を取り、朝しかなかったので来た。帰ってこられただけでいい」。

福岡から子どもと帰省した女性は、早々に臨時便の予約を済ませていたという。「乗っている時間は短いが、費用は飛行機代の方が高いので、新幹線が時間はかかるが便利」と本音を漏らしつつも、帰省できたことへの安堵がにじんだ。

出迎えた側にも、胸をなで下ろした様子が見られた。「熊本まで迎えに行く案もあったが、車で6時間くらいかかるという話だったので無理だと半分諦めていたが、飛行機が取れたので迎えに来た」「本当にうれしい。久しぶりに孫の顔を見ることができて」――久しぶりの再会に、目を潤ませる人もいた。

日本航空の臨時便は、10日時点で8月末まで運航が予定されている。

運転再開は「8月中に時期を示す」

今回の帰省シーズンは、鹿児島中央駅と鹿児島空港という二つの場所が、地震前と地震後の混雑具合が対比された形となった。新幹線という「当たり前の移動手段」が使えなくなることで、帰省のルートを一から組み直さざるを得ない人が続出している。

JR九州は九州新幹線・新水俣―熊本間の運転再開時期を8月中に示すとしており、今後の発表が注目される。日本航空の臨時便も8月末まで運航が続く見通しで、当面は鹿児島空港が九州内移動の重要な結節点のひとつとなりそうだ。

【動画で見る▶「帰ってこられただけでいい」九州新幹線の一部不通が直撃 熊本地震でお盆帰省に異変】

鹿児島テレビ
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