28日午後4時27分に最大震度7を観測した、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1、震源の深さ16キロの地震。政府の発表によると、災害との関連の調査中を含めて、死者は13人に上っている。
今回の地震について、東京科学大学の中島淳一教授は、震源が浅いマグニチュード7.1の地震だったことが被害拡大の要因であると指摘。さらに、10年前の熊本地震で壊れ残った断層が動いた可能性があるとして、今後も大きな地震や津波への警戒が必要だと呼びかけている。
工場で7人安否不明、震度7の氷川町では17軒の家屋倒壊
地震から一夜明け、熊本県内では被害の状況が明らかになってきた。

震度6強を観測した八代市にある日本製紙八代工場では、煙突が折れるなどの被害が発生し、11人が閉じ込められ、このうち4人が救助されたが、2人が心肺停止、残る7人については現在も安否不明となっている。

また、震度7を観測した氷川町では、少なくとも17軒の家屋が倒壊し、けが人の情報も入ってきている。捜索する様子を映した映像では、家屋の1階部分が原形をとどめないほど崩れ、中から警察が何かを運び出している様子が確認できる。
また、交通インフラの被害も深刻で、九州自動車道では橋に亀裂が入って車が立ち往生した。八代市内を走る南九州自動車道では、橋脚部分で橋が大きく上下にずれて、近くの橋は一部崩落して川に落ちていた。
地表に現れた断層活動…10年前の地震でも同様の隆起
地震発生から1日が経ち、被害の状況が徐々に明らかになってきたが、東京科学大学の中島淳一教授はどのように見ているのか。
東京科学大学 中島淳一教授:
かなり大きな被害が生じたというのは映像から分かると思います。今回マグニチュード7.1と規模が非常に大きかったことと、震源が浅かったことからこのような大きな被害が生じたというふうに考えられます。
橋脚がずれた九州自動車道八代インター近くでは、畑の地面が50センチから60センチほど段差で隆起していた。上空から確認すると、少なくとも300メートル以上にわたって地割れが発生しているのが分かる。
気象庁は今回起きた地震について、断層が東北東と西南西の方向を軸にずれた「横ずれ断層型」と発表している。横ずれ断層型というのはどういったメカニズムなのか。
中島教授:
言葉の通り断層が横に動くタイプになります。断層の動きというのは上下に動く場合と横に動く場合があるんですけれども、今回は横に動いたタイプの地震となりまして、10年前に起こった熊本地震と同じタイプの地震となります。

地割れが発生した場所を地図で確認すると、地割れや隆起が起きたのは、日奈久断層(ひなぐだんそう)のあたりであることが分かる。今回確認された地割れや隆起は、日奈久断層の断層帯が地表に出たということなのか。また、10年間の熊本地震でも今回のような隆起は見られたのか。
中島教授:
この隆起はちょうど日奈久断層帯の地表の走行と一致しておりますので、今回日奈久断層が動いて、結果としてこういった隆起が生じたというふうに考えていいと思います。
断層は地下深くである量食い違うんですけれども、それが結果的に大きな地震ですと、こういった形で地表まで現れてくるということになります。場所としてはやや北側ですけれども、10年前の熊本地震でも同じような隆起は確認されています。
10年前の熊本地震の「割れ残り」か
熊本では10年前にも大きな地震が2度発生した。今回の地震は、10年前の地震との関連はあるのか。
中島教授:
私は関係があると思っています。理由は、10年前の地震は日奈久断層帯の北の端で発生していたものです。今回の地震はそのやや南側で起こっておりまして、前回の地震で壊れなかった部分というのが南側に残っているとされていまして、今回はその割れ残りの一部を壊した地震であると考えられます。
震源としては南西方向に約20キロほど離れておりますが、前回の地震では、図の白と白で囲まれた領域が壊れて、南側が残っていたという状況で、今回の地震でそのやや南側を破壊したということになります。

28日に最大震度7の地震が発生してからも地震は頻発している。気象庁によると、19日午後2時時点で震度5弱が3回、震度4が11回、震度3が34回で、合わせて震度1以上の地震が194回発生している。これも一つの特徴なのか。
中島教授:
大きな地震が起こると余震と言われる少し小さな地震が起こることはよくあります。ただこの熊本地方というのは前回の地震活動でもそうですが、かなり余震の数が多いというのが特徴になりますし、その中でも規模の大きな地震が含まれるということは大きな特徴となります。
断層の南側・西側に未破壊域 海域震源なら津波のおそれも
10年前の熊本地震では、大きな地震が起きた後、28時間後に震度7の本震が起きた。同じような大きな地震がまた起きる可能性はあるのか。
中島教授:
今回の地震と前回の地震で壊れた場所というのはどちらかというと断層の東側、北側になります。日奈久断層帯でいきますと、まだ南側が残っておりますし、布田川断層ですと西側が少なくともこの一連の活動の中ではまだ破壊しないで残っているというふうに考えられますので、南側、西側で大きな地震が起こる可能性というのは考えておいた方がいいと思います。
一部の断層は海底の下にあります。もしこの海域で大きな地震が発生した場合には、海底面の変動が生じて結果的に津波が発生することもありますので、地震の揺れだけではなくて津波にも注意していただきたいと思います。
今後はどれくらい警戒が必要なのか。
中島教授:
おおむね2日、3日程度というのは特に注意が必要ですが、そこから1週間から2週間程度は注意していただきたいと思います。
(「イット!」7月29日放送より)

