埼玉県川越市が、オーバーツーリズム対策の財源確保に向け、観光税の導入検討を始めた。年間700万人以上が訪れる人気観光地では、混雑やマナー違反などによる市民生活への影響が課題となっている。宿泊税や駐車場利用税などが想定されており、市は来訪者の利便性向上と地域環境の改善につなげたい考えだ。
観光客に対して「観光税」導入を検討
小江戸と称され、江戸時代の城下町の面影を今に伝える埼玉・川越市で、観光客の増加を踏まえ、市は市内を訪れる観光客らを対象に観光税を導入する検討を始めた。

現地を訪れると、観光客に向けたマナー違反防止の看板が多く目についた。

川越市は外国人観光客を含めて年間700万人以上が訪れるという。
蔵造りの町並みで人気の一番街など、各地でオーバーツーリズム問題が生じている。
観光地で広がるマナー違反や混雑
広瀬修一キャスター:
ここにも注意書きがありますね。プランターに腰を掛けないでください。英語でここに座らないでと書いてあります。

お土産店の店員は「座って壊されてしまうのも困るんですけど、あとゴミを(プランターに)置いて行かれる方もいらっしゃるので」と話す。

2024年に取材した際には、歩道に多くの観光客が溢れ、通行人が車道を歩かざるを得ない状況になっていた。
そのため、観光客のすぐ横を車が走り抜けている様子もあった。

さらに、横断歩道のない箇所で道路を横切る危険な横断も横行していた。
宿泊税や駐車場利用税を想定
市はこうしたオーバーツーリズムによる市民生活への影響が大きくなってきたことを考慮し、観光税の導入を検討している。

想定されるのは、宿泊料金に税を上乗せする宿泊税や、駐車場利用者への駐車場利用税などだ。

川越市は現在、一般財源を使ってマナー違反や混雑などへの対応にあたっているが、深刻化するオーバーツーリズム対策に特化した財源を確保するため、観光税の検討に入った。
川越市財政課の吉田英仁副課長は「市民生活の維持向上を図りながら、来て良かったと思ってもらえるような来訪者の満足度が高まる施策にもあわせて活用したい」と話す。
店舗や観光客からは賛否の声
観光税の導入について、傘専門店の店員は「危険が多いので、そのお金を安全面に回してもらえるならうれしいなと思います」と話す。
さらに飲食店の店員は「店の人間としてやっぱりお客さまはたくさん来た方がうれしいから、そういうのはなくしてほしいけどね」「負担がかからないのが一番いいんじゃないのかなとは思うんですけど」と、店側の反応は様々だ。

観光客からは「仙台でも北海道でも今の観光地は宿泊税っていうのが導入されているので、もう当たり前かなみたいな感じで思ってます」「観光客にそういうお金取って整備に回すっていうやり方は別に根本は間違ってないとは思う。町の整備だったりとかに使ってほしいかな」と、理解を示す声が多く聞かれた。

市は課税内容などについて有識者らと議論を進め、2年ほどかけて具体的な方向性を決めていきたいとしている。
(「イット!」9月11日放送より)

