2024年7月の豪雨で被害を受けた、酒田市の大沢地区では農地などの復旧が進んでいる。
一方、住民は災害の教訓を生かそうと、新たな避難計画づくりにも取り組んでいる。
酒田市大沢地区に響く草刈り機の音。農家で自治会長会の会長も務める、荒生道博さん。
2024年7月の豪雨では、3.7ヘクタールの田んぼのおよそ6割が土砂や倒木が流れ込む被害を受けた。
2025年の夏には手つかずだった荒生さんの農地も今年4月から整備が行われ、ようやく来年春の田植えが予定されている。
荒生道博さん
「4月中旬までのあの光景とこれを見たら天と地の差。やっと来年から思いっきり作れるなという。個人のお客さんにも来年はいよいよ全面積作れますから楽しみにして下さいと伝えている」
穏やかな夏を迎えた大沢地区。
この地区には忘れられない記憶がある。
2024年7月庄内・最上地域を襲った記録的な豪雨。大沢地区では住宅や農地に土砂が流れ込み道路も寸断。
農業も大きな被害を受けた。
農地や河川の復旧が進む傍ら、大沢地区では防災に向けた新たな取り組みも始まっている。
大沢地区の復興と地域づくりを行う「大沢わぐわぐ未来協議会」と、山形大学が協力して取り組む住民たちが主体となった、新しい避難計画づくりだ。
住民発表女性
「(水害時には)大平沢と脇は家にとどまった方が良い。逆にコミセンに行った方が良いのは後ロ山の皆さん。川の近くの方は一気に水が溢れる事が多いのでコミセンに移動」
避難計画はハザードマップに実際の被害状況を重ね、誰が高齢者に声を掛け、どの道を通りどこへ避難するのか話し合う。
被害と地域の実情を知る住民だからこそ作れる避難計画を目指している。
大沢わぐわぐ未来協議会事務局・兵藤ひとみさん
「少しでも安全な命を守れる場所はどこかという事をみんなで考えて、公共の施設(避難所)ということではなく「どこの車庫に」とか、自分たちでどこに身を寄せるかを決めるのが最適だと考え取り組んでいる」
復旧は元に戻すだけでなく「次の災害に備えること」でもある。
荒生道博さん
「川が氾濫しそうなときに橋を5つも渡って避難所まで行くことが正解かと言われればそれは間違い。まず生きるためには水と食料。避難することばかりに集中してしまうが、避難所も常に食料や水が(十分に)間に合う分あるとは限らない」
豪雨災害から25日で2年。
復旧工事などで出た「土砂の置き場」問題など、道半ばの課題もある。
それでも地区の住民たちは、あの日の経験を風化させることなく命を守る備えを続けている。
甚大な被害を経験した地域だからこそ、生まれた新たな一歩。
