【平川】
大雨の際、浸水した道路などで水をくみ上げる排水ポンプ車。今年度導入された佐賀市の排水ポンプ車が初稼働したのは、浸水した道路ではなく佐賀城のお堀でした。なぜ、お堀の水を抜いたのか。そこには、大雨への新たな備えがありました。

6月下旬、県内では22日から約5日間で、6月雨量の平年値を超える大雨が降りました。
本降りとなる前の24日、今年度導入された佐賀市の排水ポンプ車が約2時間佐賀城のお堀で初稼働。3000トンの容量を確保しました。

【佐賀市水問題対策室 田中慎司室長】
「排水自体は3000トンというわずかな量だが浸水の深さが小さくなった浸水時間が短くなったというのは軽減効果として考えられる」

【平川】
そうなんです。こちらが、佐賀県の立体地図です。
平野であることが一目瞭然です。

【キャスター】
佐賀は平坦な土地なので浸水しやすく・排水しにくい地形ですよね。

【平川】
排水できるように、市は大雨が予想されたら「事前排水」を行います。
佐賀市は普段、多布施川から街中に水を取り入れるために開けているゲートを、大雨前には、水が入って来ないよう閉めます。
そして、市街地の川やクリークに普段は水をためるために閉じているゲートを大雨前に開けて、市街地の水を佐賀江川や八田江川に流し、最後は有明海へ排水します。
こうした事前排水で雨が降る前の街中に雨水を受け止める余裕を生みます。
市内の川やクリークの水位は、佐賀市役所の危機管理室でリアルタイムで監視されています。
水位の変化を見ながら、各地のゲートを開閉し、街全体の水の流れをコントロールしています。
ところが、短時間に集中的に降る近年の激しい雨では、この事前排水だけでは足りない場合もあります。
そこで活用されるのが、佐賀城のお堀です。
佐賀城のお堀は、多布施川への自然排水で6万トン、ポンプ車による強制排水で、9000トンつまり最大6万9000トンの水をためることができます。

【キャスター】
これから台風が来て、大雨が降る可能性もあるので、お堀を最大限活用するためにも、ポンプ車は欠かせませんね。

【平川】
そうですね。ただ、市によると今回排水した3000トンは、時間の制約がある中で最大限の量ということで、ポンプ車の運用には課題もあります。

【佐賀市水問題対策室 田中慎司室長】
Q排水量3000トンについて
「(ポンプ車の)配備に時間かかり排水できる時間も限られていた。小康状態のうちに、時間内に最大限排水できた量だった」

【平川】
ポンプ車配備の手順はこうです。
市が出動を判断すると、業者がポンプ車を準備します。
その後、東与賀町の車庫から現地へ向かい、設置を終え排水が始まりますが、車庫を出てから稼働するまでに2時間かかったそうで、もっと早ければ、より多くの量を排水できたことになります。
ポンプ車による対応は、あくまで暫定措置です。
市は、出水期が終わり次第、お堀に常設型ポンプの整備に着手する予定です。
市内各地に排水ポンプ場がありますが、事前排水が目的の設備は初めて。
雨が降る前から街を守る対策は、新たな段階へ進もうとしています。

サガテレビ
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