かけ声とともに、沖に仕掛けた大きな網をみんなで力を合わせて引き寄せる夏の風物詩・地引き網。
海の恵みが姿を現し、さまざまな種類の魚で網がいっぱいになるも、異変が。
いま、イワシに異常事態が起きているのです。
向かったのは北海道の釧路港。
そこには驚きの光景が。
本来であれば、イワシ漁の船で活気づいているはずの港は閑古鳥が鳴いていました。
6月16日に、マイワシの巻き網漁が解禁されてから約1カ月。
道外の船がこれまで2回、イワシの群れを探すも発見できずいまだに水揚げ量ゼロが続いているといいます。
イワシを釣りにきた人は「去年までは取れていた。今年はまるっきり、小魚もいない。あり得ない、今までだとあり得ない。さみしい」と話しました。
釧路市民の台所、新鮮な魚が並ぶ釧路和商市場に行ってみてもイワシ不在。
こうした状況に石川商店・相原成三郎社長は「(Q. 今年イワシは?)今年は全然ない、一回もない。取れてほしい、大量に」と話しました。
釧路港のマイワシの水揚げ量は2023年、2024年が全国1位。
2025年は2位を記録しました。
しかし、2026年は水揚げゼロ。
一体何が起きているのでしょうか。
水産研究・教育機構グループ長 由上龍嗣さん:
はっきりと分かっていないが、考えられる原因としては、今、太平洋でエサ不足が起きている。水温が高くなると、魚のエサとなるプランクトンが育ちにくい。
温暖化などの影響で海水温が上がり、エサ不足になった可能性を指摘します。
一方、釧路のイワシ不漁の影響は東京都内にも広がっていました。
お刺し身やフライなど約40種類の料理を味わえるイワシ好きが集まる専門店「宝山 いわし料理 大松」。
お客さんが舌鼓を打つイワシですが、その仕入れに変化が起きていました。
宝山 いわし料理 大松 ソ・ハンテイン店長:
むかし釧路のイワシを扱っていまして、最近はちょっとなかなか入ってこないので他の産地を扱っています。
店では釧路産を断念し、他の地域で水揚げされたイワシを使っているといいます。
こうした中、千葉県の九十九里浜で24日、行われていたのは地引き網。
7年ぶりの開催とあって、砂浜には500人ほどが集まり力を合わせ一斉に網を引き寄せていました。
次から次へと水揚げされる魚。
全体的に魚の量が減っている中、イワシはほとんど水揚げされなかったといいます。
それでも参加者たちは大盛り上がり!その理由は水揚げされた魚の無料配布です。
たとえイワシは少なくても、さまざまな魚をもらえるとあってバーゲンセールのような盛り上がりを見せていました。
参加者は「カマスとイワシかな。焼いて食べます」「いっぱい引っ張ったよね?」「楽しかった!」などと話しました。
きょうの食卓に、夏休みの思い出に、大満足の体験になったようです。
