世界の多様な人々の考え方を知ることで、生徒の“ウェルビーイングな生き方”を実現する新たな教育のカタチとは。

教室にいながら知る“世界”。
世界中の多様な大人の価値観に触れることで、生徒の視座を高める、新たな授業とは。

東京都内にある、広尾学園小石川中学校。
3年生の教室で行われていたのは「インスパイア・ハイ」という、中高生向けのオンライン教材を活用した授業です。

プロジェクターが映し出す先には、マサイの長老を務めるエマニュエルさんの姿が。

このインスパイア・ハイは、エマニュエルさんをはじめ、台湾のオードリー・タン元デジタル大臣、タイのドラァグクイーンなど、世界で活躍する大人が“ガイド”として登場。
多様な生き方や価値観、社会課題に触れることで視野を広げるプログラムです。

この日のテーマは、「マサイ長老と考える『アイデンティティーってなんだろう?』」です。

マサイ族長老・エマニュエルさん:
私たちにとって大切な価値観の一つが“尊敬”です。この世界、誰一人あなたのような人はいません。自分が特別だということを知らなくてはいけません。

リーダーとして伝統を重んじながら、強制結婚など古い慣習をなくし、改革を起こしてきたエマニュエルさんの言葉に耳を傾ける生徒たち。

その後は自分と向き合い“どんなことを大切に行動や決断をしてきたか”、生徒が主体となって考えます。

答えのない問いに“自分を知り表現する”だけでなく、クラスメートと感想や意見をシェアすることで“他者を理解する心”も養っていました。

広尾学園小石川中学校・3年生:
世界で生きていく中で、自分だけで生きられない中で他の人の意見があると、それ(フィードバック)を受けることで、自分の意見が良くなることがすごく楽しい。

広尾学園小石川中学校・3年生:
勉強も大事だが世界を知ることも大事。まだ学生だが、そんな遠くない未来の話、もう十年後とかの話。すごく自分にとってためになると思いました。

プログラムはファシリテーターが進行を務めるため、先生は生徒と一緒に考え、気づきを支援する“学びの伴走者”に徹することが可能に。

広尾学園小石川中学校・和田茉莉教諭:
みんなが考えていることをすごく聞ける。私も発見になります。「そんなことをこの3年間で考えられるようになっていたんだ」というのを得られる。私にとってもみんなを知られるいい時間。

“自己”と“他者”、そして“社会”。
この“3つのつながり”を整えることで実現する、「中高生のウェルビーイング」な生き方。

Inspire High・杉浦太一代表:
これだけ魅力的な大人もいるんだと、いろんなジャンルを見せることで、未来に対する肯定感を持ってもらえるとうれしい。これ(教室内)が世界の全てじゃないと知ることは、それぞれの立場・状況があると思うが、決して悪くはならないだろうと。人生とか社会、世界に対して肯定的な思いを持てる、そういう経験にもなる。