県内各地の医師会が看護職を養成するため運営している地域の看護学校で定員割れが続いています。人手不足が深刻化すると不安視される中、学生の年齢層に変化が出ています。唐津市の看護学校を取材しました。

「上から下まで幅広い年齢いるんですけど、和気あいあいとみんな年齢関係なく、切磋琢磨しながら成長していけるような(環境)」

授業を受けているのは10代から40代までの幅広い年代の人たち。
唐津エリアの医師会が運営する唐津看護専門学校では、高校卒業後すぐに入学した学生だけでなく、地元で暮らす社会人経験者の姿も多く見られます。

【二児の母30代】
「子どもがいるので遠方に通学とか実習で行ったりができないので、ここの学校だったら唐津の中で実習ができる」
【唐津看護専門学校 市川豊子副学校長】
「他のお仕事を経験している方、それとか主婦の方っていう方たちが年によって違いますけど、4割から7割」

登校日は週3日で最短2年で看護の道へ第一歩を踏み出せるのが特徴です。
卒業後はそのまま地域医療の担い手として活躍する人が多いといいます。

【唐津看護専門学校 市川豊子副学校長】
「准看護師の場合はもう8割から9割近く、地元に残って看護を頑張ってくださってる」

学生たちが最初の2年間でまず目指すのは准看護師免許の取得で、免許取得後、ほとんどの卒業生が地元の医療機関などに就職します。
そして、そのうち6割ほどが現場で経験を積みながらさらに3年間学校に通い、看護師へのステップアップを目指します。

【別の医療職から転職20代】
「働きながら実際に勉強してそれをまた現場に持ち帰って、臨床経験積みながら知識を得られる」
【虹と海のホスピタル 脇山菜穂さん】
「患者さんの対応は同じようにしてます、先生に指示を仰いだり指示系統とかがやっぱりちょっと正看護師とは違うかな」

唐津看護専門学校で学び去年から市内の精神科の病院で准看護師として働く脇山菜穂さん、43歳。
この病院で調理の仕事をしていたことがきっかけで看護の仕事に興味を持ちました。
今も学校に通い、看護師を目指しています。

【虹と海のホスピタル 脇山菜穂さん】
「自分の目で、自分のしたケアで患者さんの様子が良くなっていったのが分かったりするのは、すごいやりがいになります」

看護経験は1年ほどですが、指導にあたる先輩も信頼を寄せます。

【虹と海のホスピタル 宮ざき由美チーフ】
「患者さんへの向き合う姿勢っていったところも、ある程度やっぱり社会性がかなり高いのかな。一般社会を経験してきた方がですね、患者さんとの向き合う姿勢もだいぶ違う」

一方、学校では少子化を背景に入学者が定員の40人を3年連続で下回っています。
地元に残り、医療を支える人材をどう確保していくのかが課題となる中、地域に定着している多様な年代の学生の育成はポイントの1つとなっています。

【虹と海のホスピタル 宮本剛看護部長】
「慢性的な人手不足っていうのはありまして、ずっと頭を悩ませてるのが現状ですね、隣には福岡県っていうのがありますので、そちらのほうに流れてたりというのも影響しているのかな」
【唐津看護専門学校 市川豊子副学校長】
「今定員的には少なくなってるけどやっぱ頑張らざるを得ない、そういった地域医療を守っていく意味合いで頑張っております」
【虹と海のホスピタル 脇山菜穂さん】
「火木金は登校日になってます、なのでその日は一日学校に来ます、で、残りの月水土日は大体勤務」

学校に看護業務にとほぼ休みなしの日々を送る脇山さん。
2人の子供の存在が刺激になっています。

【虹と海のホスピタル 脇山菜穂さん】
「お互いやる気ないときに私もこれ明日試験だから頑張ろうねとか、励まし合ってます」

ともに学びつつ、新たな道に挑む母の姿を見せます。

【虹と海のホスピタル 脇山菜穂さん】
「突然学校に行くって言い出したときは(子供たちも)びっくりしてましたけど将来の道を今ビシッと決めなくても後からでもどうにでもなるよっていう風な見本がここにいるよって言ってます」

【キャスター】
いろんな年代の人がいて学校のイメージとは違いました。
ここからは取材した木村記者です。

【木村】
社会人経験者の学生は以前からいたそうなんですが、この6年くらいで割合が増えています。
理由として県内の大学に看護学部が新設され高校生の進路の選択肢が増えたこと、コロナ禍を経て転職を希望する人が増えたことが考えられるそうです。

【キャスター】
ただ定員割れも続いているということで、看護師は足りているんでしょうか?

【木村】
実は、国の調査によると佐賀県の人口あたりの看護職の数は全国平均の1.5倍以上と比較的、多くはなっています。
ただ、NPO法人が唐津・玄海地区の医療機関を対象に行ったアンケート調査では、半分ほどの医療機関が看護人材が不足していると答えています。

【キャスター】
現場の実感としては不足状態なんですね。

【木村】
また、今回取材した唐津看護専門学校の卒業生は3500人を超えていますがそのうち8割以上が地元で就職していました。
定員割れは地域医療を支える屋台骨が揺らいでいるとも言えます。
さらに県内のほとんどのエリアで医師会立の看護学校は定員割れになっていて、県内各地で同様の問題を抱えている状況です。

サガテレビ
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