暑さを乗り切る夏のスタミナ源といえば「ウナギ」。価格に嬉しい変化が起きているようです。
■ウナギが安い!?豊漁で“3割安く出荷”
名古屋市中区錦にある、明治42年創業の老舗うなぎ店「いば昇」。脂がたっぷり乗ったウナギを焼き上げています。

いば昇の店主 木村勧さん:
「これだけやっていると慣れますけど、暑いは暑いです」
暑さとともに高まるウナギ人気ですが、今年は店にとって嬉しい変化が…。
いば昇の店主 木村勧さん:
「ウナギ自体の仕入れは、例年に比べると少し安くなっています。本来なら夏に向かって需要が高まって、仕入れ値も高くなるが、逆に春から少し下がっているぐらいの体感です」
背景にあるのは、ウナギの記録的な豊漁です。
一色うなぎ漁協の田中三千雄組合長:
「昨年に続き、今年も豊漁になっています。シラスウナギも安く仕入れることができました。2~3割ぐらいは安く出荷されています」

全国有数のウナギの産地・西尾市一色町では、ウナギが出荷のピークを迎えています。職員が重さによって選別していますが、今年は6月の気温が比較的高くなく、順調に太く育っているといいます。
名古屋の市場では、6月の卸売価格は1キロあたり3455円となり、去年と比べて3割以上安くなっています。

豊漁の理由について漁協は…。
一色うなぎ漁協の田中組合長:
「黒潮が結構接岸してきていたので、シラスウナギが取れたのかなと思います」

『黒潮大蛇行』と呼ばれる海流を乱す自然現象が、去年4月に収束したことで、シラスウナギの稚魚が日本近海に流れるようになったことが、豊漁の要因とみられています。
■ウナギは安値も…“物価高の波”
卸売り価格の下落。私たちにも恩恵はあるのでしょうか?
いば昇の店主 木村勧さん:
「ウナギが下がったとしても、値段を下げるのは厳しいと思います。ウナギ以外の水道・光熱費・炭…逆に下がっているものが、ウナギ以外ない」

ウナギを焼くのに欠かせない炭の仕入れ値は、去年の1.5倍に。お客さんに出している緑茶の茶葉も倍近く値上がり。光熱費も、猛暑の影響で去年より膨らむ見込みです。
いば昇の店主 木村勧さん:
「価格を下げるというのは…逆に上げたいくらいで難しいです。この先下がることは、いろんなものを考えてもないと思います」
続いて向かったのは、名古屋市西区にある「バロー中小田井店」。鮮魚コーナーには、その日獲れた新鮮な魚が毎日およそ40種類並びます。
(リポート)
「『今日のお買得』と書かれている三河一色産の国産ウナギのかば焼きが、一尾1980円で販売されています」

価格は去年と同じ1980円。ここでもやはり物価高の波が…。
バロー中小田井店の店長:
「ウナギそのものは安いんですけども、そこにかかる経費、トレーや炭の値段が去年よりもだいぶ高くなっている」
■価格据え置きでも…サイズUPでおトク感!
豊漁で仕入れ値は下がっても、それ以外の経費の高騰が重くのしかかります。それでも…。
バロー中小田井店の店長:
「サイズが大きくなっているので、同じサイズで比べると200~300円、去年よりもお買い得です」

去年と同じ価格でも、サイズアップでお得感を打ち出していました。
一方、中国産のウナギも、一尾998円とお手頃価格。こちらの店舗では、土用の丑の日の7月26日とその前日に、国産ウナギを炭火で焼いて提供する予定です。
物価高の壁は残るものの、今年の夏はウナギが少し身近な味になりそうです。

