2027年に就航する日本郵船のクルーズ船「AMANE(海音)」。
時代の要請に合わせた新たな技術を導入する一方で、先代から引き継ぐものは。
長崎・佐世保市で建造中の東京湾クルーズ船「AMANE(海音)」。
現在のレディクリスタルの後継船ですが、日本郵船は「単に船を新しくすることが目的ではない」といいます。
日本郵政 東京湾クルーズ船事業プロジェクトチーム・佐川信太郎チーム長:
「次の時代の船だよ」というのをしっかり見せていく責務を負っているのが、このAMANEという船なんじゃないかと考えている。
日本郵政の曽我貴也社長は「本船は『食』『おもてなし』『環境』という3つの価値を通じて、日本郵船が目指す未来や新たな挑戦を体感いただける船でございます」と話しました。
日本郵船が「AMANE」で挑戦する新たな価値。
特に注目されるのが、環境への配慮です。
電動モーター推進システムを採用した「AMANE」は、日本郵船グループで初となる「水素燃料電池システム」を搭載。
日本郵船の脱炭素化に向けての取組は…。
2024年には世界初の商用アンモニア燃料タグボート「魁」が就航。
こうした日本郵船の環境への配慮や、挑戦の姿勢を社会へ発信する役割も「AMANE」は担います。
一方で、日本郵政東京湾クルーズ船事業プロジェクトチーム・佐川チーム長は「我々140年前に客船というところから会社が創業。その中でやはり客船文化でどういうおもてなしをしていたのかというところは、レディクリスタルも新しい船(AMANE)もしっかり引き継ぎたいなと思っています」と話しました。
「AMANE」が引き継ぐ140年の客船文化とは?
1990年に就航した現在のレストラン船「レディクリスタル」を案内してもらいました。
日本郵政グループ ザ・クルーズクラブ東京 鶴身明子社長:
こちら1階がメインダイニングになっておりまして、イタリアのデザイナーさんのこだわりが色々と入っておりまして、テーブルに付いている椅子の高さも窓の高さに合わせて、お客さまが窓から風景がよく見られるように工夫されております。
また、個室の下に位置するエンジンはメルセデスベンツのものだといいます。
日本郵政グループ ザ・クルーズクラブ東京 鶴身明子社長:
安全面も考慮して当時信用があるベンツを採用したと聞いております。
そして、就航当時はラウンジとして使われていた2階部分にはピアノがあり、鶴身社長は「このピアノは自動で演奏できるピアノでして、それはかなり珍しかったんじゃないかなと思います」と話しました。
細かな気遣いや安全への配慮、そして乗船客を楽しませようという遊び心。
日本郵船がレディクリスタルに託した思いを象徴する言葉が「小梅」です。
日本郵政グループ ザ・クルーズクラブ東京 鶴身明子社長:
当時、日本郵船は「松竹梅プロジェクト」ということで、客船のプロジェクトをやっておりました。「松」は当時のクリスタルハーモニー、初代飛鳥が「竹」、「梅」はフロンティアスピリットという探検船です。その流れで「小梅」というプロジェクト名でレディクリスタルもできました。
バブル期後半、そして平成という新しい時代に外航の客船に打って出ようとしていた日本郵船。
松竹梅の3つの客船に次ぐ「小梅」ことレディクリスタルには、客船の楽しさを知ってもらう入り口として松竹梅に匹敵する“おもてなし”の精神が盛り込まれています。
1990年当時、客船の担当だった日本郵政の曽我貴也社長は「本当に小梅ちゃんすごく成長して、36年間も頑張ってくれたの。本当に僕はうれしいし、ずっと一緒にいられてうれしい」と話しました。
小梅こと「レディクリスタル」は11月に引退、客船の楽しさを知ってもらう役割を引き継ぐ「AMANE(海音)」は2027年5月ごろデビューする予定です。
