同僚議員への金銭要求、いわゆる“カツアゲ疑惑”に揺れる福岡県議会。
渦中の副議長が金銭の授受を改めて否定したことで、その波紋はさらに拡大しています。
カツアゲ疑惑を告発した県議が、中尾副議長の会見に「まあ往生際が悪いと思いますよ」と再反論。
声紋鑑定を行った機関である日本音響研究所の鈴木創所長も「この録音がAIと考えるのはかなり無理がある。苦し紛れの逃げなのかな」と話します。
中尾正幸副議長が指摘されている“カツアゲ疑惑”とは、2019年当時、同じ会派に所属していた吉松源昭県議に対し、ゴルフ会などの費用名目で1000万円の支払いを求めたとされるものです。
中尾副議長のものとされる音声(2019年):
今年は「蔵内会」をやって「マスターズ」。「マスターズ」というのは、他会派もやっている(ゴルフ)。あした預かります。責任持ってちゃんと立ち会いますからね。
この金銭要求は議長就任の“根回し”の意味合いもあったとされ、金銭を支払ったと主張する吉松県議はこの翌年(2020年)、県議会の議長に就任しています。
金銭の要求をしたとされる際に録音された音声について、FNNが専門機関に声紋鑑定を依頼したところ、“99.99%中尾副議長本人の声”との鑑定結果が。
この結果を受けた形で行われた1時間半に及ぶ中尾副議長のカツアゲ疑惑否定会見は、時間の変遷とともにその発言が変化していきました。
福岡県議会・中尾正幸副議長:
今どきはAIでなんとでもなるからね。いろんな方からそう言われましたので…。(Q.存在しない会話を作っている?)はい、はい。私はそう思っています。“大金”と“荷物”(という言葉)、そこは改ざんされているのかなと。
冒頭の約20分間は「音声自体に改ざんの可能性があり、信ぴょう性が低い」と繰り返し主張。
しかし、声紋鑑定の取材も行ったFNNの川崎健太記者が“改ざんの可能性が極めて低い”とする専門家の見解をもとに追及すると、その主張は揺らぎ始めます。
川崎記者:
科学的に証明されたものを感覚的に否定する?
中尾副議長:
はい、はい…。
川崎記者:
これで県民が納得すると思いますか?
中尾副議長:
……。
川崎記者:
納得するかしないかどちらかで答えてください。
中尾副議長:
納得しないでしょうね。納得しない。
そして、FNN記者の質問開始から5分足らずで「私は…うーん……にわかには信じられませんけれども、科学的にそうであれば私のいった言葉なんでしょうね。(Q.あの会話は存在していて?)会話は存在しているんでしょうね」と、音声記録は実際にあったものと発言を一転させた中尾副議長。
すると…。
中尾副議長のものとされる音声(2019年):
あした、松本(自民党県議団)会長が“荷物”は預かります。ちょっと“大金”やけんね。管理しとかんとね。
この言葉についての解釈もどこか苦しいものに。
福岡県議会・中尾正幸副議長:
(Q.会話の中で出てきた“大金”は何を指す?)分かりません!!(Q.何のお金だった?)“何かのお金”だったんでしょう!(Q.“荷物”というのは何のことだと思う?)“荷物”じゃないでしょうか!
それでも、金銭の授受については否定し続けた中尾副議長。
一方で、カツアゲ疑惑を告発した吉松議員らに対し、今後、名誉毀損裁判を起こす可能性にも触れました。
この会見を見ていたカツアゲ疑惑の告発者・吉松県議は…。
“カツアゲ”疑惑を告発した吉松源昭県議:
(Q.中尾副議長の会見について)とにかくウソだらけ。なにひとつ真実を言っていない。記憶をなくしてないということであれば、記憶を呼び戻していただきたい。
そして吉松県議は、説明責任は中尾副議長だけでなく“福岡県議会のドン”と呼ばれる蔵内勇夫議長にも及ぶと指摘。
“カツアゲ”疑惑を告発した吉松源昭県議:
今回も松本会長が(金銭を)預かるというところまでは録音に入っているが、録音に入っていないところでは、これは蔵内相談役に渡すという話。
福岡県議会・蔵内勇夫議長(7月8日):
(Q.吉松県議について)ぼくは彼を育ててきたつもりなんだ。どこでああなっちゃったのか、残念だ。
カツアゲ疑惑が福岡県議会全体を揺るがす問題となった中で、名指しされた“県議会のドン”が今後、どう説明するのかも注目されます。
