データ提供 PR TIMES
本記事の内容に関するお問い合わせ、または掲載についてのお問い合わせは株式会社 PR TIMES (release_fujitv@prtimes.co.jp)までご連絡ください。また、製品・サービスなどに関するお問い合わせに関しましては、それぞれの発表企業・団体にご連絡ください。

プレスリリース配信元:ボストン コンサルティング グループ

AI投資のROIを正式には測定していない企業が半数超




経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、ザ・コンシューマー・グッズ・フォーラム(以下、CGF)と共同で、消費財企業および小売企業の経営幹部39名を対象にAI活用の実態について調査・分析を行い、その結果をまとめたレポート「How CPG and Retail Leaders Maximize AI ROI」(以下、レポート)を発表しました。CGFは世界の食品・消費財メーカーや流通企業の約400社が加盟する国際団体です。

消費財企業のAI活用成熟度は「探索」が76%、小売企業では「試行」「本格展開」に二極化
消費財・小売企業においてAI活用により最も大きな事業価値を創出できると考えられるのは「需要創出プロセス」です。需要創出プロセスとは、消費財企業では、商品企画・開発、販売、ブランド構築、顧客エンゲージメントなどを、小売企業では、品揃え、在庫確保、販売・マーケティング、顧客エンゲージメントなどを含む、売上成長に直結する一連の中核業務を指します。

調査では、消費財・小売企業のAI活用成熟度を「試行」「探索」「本格展開」の3段階に分類しました。その結果、消費財企業では76%が「探索」の段階にあり、「本格展開」にあたる企業の割合は18%にとどまりました(図表1)。小売企業では45%が「本格展開」の段階にあった一方、40%が「試行」段階と位置付けられ、AI活用の成熟度が二極化していることが分かりました。



需要創出プロセスでのAI活用により大きな価値創出が期待される
BCGのプロジェクト経験から、需要創出プロセス全体でAIを本格展開することで、消費財企業ではEBITマージン(利払前・税引前利益率)換算で2.2~3.5%ポイント相当、小売企業では1.8~3.6%ポイント相当の価値創出の余地があると推計されます(図表2)。こうした価値創出余地は利益改善として取り込むほか、価格競争力の強化や商品・サービスの改善・拡充などへの再投資にも活用できると考えられます。



一方で、多くの消費財・小売企業では、需要創出プロセスのうち、事業成長に最も密接に関わる領域でAIを本格展開できていません。今回の調査では、消費財企業の回答者の約半数が「商品企画・開発、市場投入」のプロセスを最重要と位置付けた一方、この領域でAIを本格展開している企業は11%にとどまりました。小売企業でも同様の傾向が見られ、46%が「商品提案、価格・品揃えの最適化」をAI活用における最重要領域と位置付けた一方、この領域でAIを本格展開している企業は34%でした。

さらに、エージェント型AIの成熟とともに、AIが意思決定支援にとどまらず、ワークフローの調整・実行支援へと役割を広げることで、将来的な事業価値創出の規模は約1.7倍まで拡大する可能性があります。

AI投資のROI測定は依然として課題――CEOが検討すべき6つの問い
調査では、消費財企業・小売企業ともに、半数以上の企業がAI投資のROIを正式に測定していないと回答しました。また、AIの本格展開を阻む要因として最も多く挙げられたのがパイロット段階で確認された経済性が、拡大展開時のROIとして再現できていないことでした。

こうした課題も踏まえ、レポートでは、AIを企業の成長につなげるために、CEOが検討すべき6つの問いを提示しています。
- AI投資は、自社の戦略的優先課題と整合しているか
- 十分に高い目標を掲げているか。また、その効果をどのように測定するか
- AIを活用した変革を成功させ、持続可能なものとするためには何が必要か
- AI導入は、人材やオペレーティングモデルにどのような影響を及ぼすか
- データ資産やテクノロジーパートナーシップをどのように位置付け、活用すべきか
- リスクとコストを適切に管理しながら、いかに迅速にAI活用を推進するか


CGFのマネージング・ディレクターであるワイチャン・チャンは次のように述べています。「CEOにとって、AIを巡る『ハネムーン期間』は終わりました。AIはもはや単なる技術実証ではなく、企業の収益に直接影響を与える重要な経営レバーです。今後2年間で、AIを実際に本格展開できる企業と、AIについて語るだけにとどまる企業との差は、より一層明確になるでしょう」

また、BCG東京オフィスのマネージング・ディレクター&シニア・パートナー、森田章は「既に先行企業では、AIへの投資による収益性の改善の成果が表れ始めています。今後は、AIを活用したビジネスモデル変革によって、トップライン成長と競争優位性の向上をいかに実現するかが、競争の焦点になっていくでしょう。変化を見極めようと様子見を続けることは、自ら競争力を失うリスクを受け入れるに等しいと考えます。経営トップ自らが高いアスピレーションを掲げ、組織全体を力強くけん引していくことが不可欠です。」とコメントしています。

■ 調査レポート
How CPG and Retail Leaders Maximize AI ROI

■ 調査概要
対象:世界の消費財企業および小売企業の経営幹部39名
調査時期:2026年4月
調査主体:ボストン コンサルティング グループ、ザ・コンシューマー・グッズ・フォーラム(CGF)
調査方法:世界の消費財企業および小売企業の経営幹部39名を対象とした調査に加え、個別インタビューおよびBCGが消費財・小売業界におけるAI変革の設計・展開を支援してきた経験を踏まえ分析。

■ 担当者
森田 章  マネージング・ディレクター & シニア・パートナー
BCG消費財・流通グループの日本リーダー、気候変動・サステナビリティグループにおける循環型社会構築、および食料システムの変革のトピックリーダー。
慶應義塾大学理工学部卒業。同大学大学院理工学研究科修了。IT関連企業の起業・経営、外資系コンサルティングファームを経て現在に至る。

■ ボストン コンサルティング グループ(BCG)について
BCGは、ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいます。BCGは1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして創設されました。今日私たちは、クライアントとの緊密な協働を通じてすべてのステークホルダーに利益をもたらすことをめざす変革アプローチにより、組織力の向上、持続的な競争優位性構築、社会への貢献を後押ししています。
BCGのグローバルで多様性に富むチームは、産業や経営トピックに関する深い専門知識と、現状を問い直し企業変革を促進するためのさまざまな洞察を基にクライアントを支援しています。最先端のマネジメントコンサルティング、テクノロジーとデザイン、デジタルベンチャーなどの機能によりソリューションを提供します。経営トップから現場に至るまで、BCGならではの協働を通じ、組織に大きなインパクトを生み出すとともにより良き社会をつくるお手伝いをしています。
日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。
https://www.bcg.com/ja-jp/

■ ザ・コンシューマー・グッズ・フォーラム(CGF)について
The Consumer Goods Forum (“CGF”) is a global, parity-based industry network that is driven by its members to encourage the global adoption of practices and standards that serves the consumer goods industry worldwide. It brings together the CEOs and senior management of some 400 retailers, manufacturers, service providers and other stakeholders across 70 countries and reflects the diversity of the industry in geography, size, product category and format. Its member companies have combined sales of EUR 4.6 trillion and directly employ nearly 10 million people, with a further 90 million related jobs estimated along the value chain.

■ 本件に関するお問い合わせ
ボストン コンサルティング グループ マーケティング 嶋津・谷口・中林
Tel: 03-6387-7000 / Fax: 03-6387-0333 / Mail: press.relations@bcg.com

企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ

PR TIMES
PR TIMES